زهر(ザハラ)
この写真、ぺトラの土産物屋である。
「ハッピーアワー!安くしとくよ―」という声が、土産物屋の前を通ると良く聞こえた。
売っているものは様々だが、中でもこれは一番手間がかかっていないお土産屋さんだった。
そのためか、年中無人で、被いもしていない。
ぺトラの美しい岸壁を削り取って、小さな塊を作って並べている。
そして、一緒に並ぶのは、ひっこ抜いてきた球根。
大地の至る所に植えられて、そして自然に増えて行った球根が芽を出していた。もう2週間もすれば蕾が見え、ぺトラ中が満開のチューリップで一杯になるであろう景色を、歩きながら想像した。
ぺトラのことをイギリスの詩人ディーン・パーゴンが「薔薇の都市」と詠んだ。
赤い砂、赤い岸壁に日が差すと空気までもが薔薇色に染まる。
正に花色の空気に包まれた、秘境。
そこに咲く、存在感ある肉厚のチューリップ。
想像力をかきたてて止まないぺトラ、入場券は1日券2日券、3日券と選べる。出来れば年間パスポートで通いたいところである。[a]
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