地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

コーヒー

2007-06-22 22:29:20 | スペイン語

 café(カフェ)

 「私はバルセロナに行きたい!」と、イタリアはトリノの駅で叫んだ。
 それはもうドラマのような、ドキドキするシーンが展開された。私の自伝的ドラマが映画化されたら、ここは一つの山場である。
 と、冗談はさておき(実話ですが)、私はバルセロナ行きのサルバトール・ダリ号に、間一髪で乗ることができ、初めてスペインの空気を吸った。列車に乗ることができた私は、気絶するように倒れこみ、よく寝た。
 朝起きて、食堂車へ行くと、そこはスペインだった。
 寝る前は、確かにイタリアだった。何もかも、イタリアだった。
 いろんな国からの旅行者をのせた列車の共通語は、確かにイタリア語で、リラが飛び交っていた。
 それが、もうすぐバルセロナと言う時に「カフェ・ラッテください」と、私が言った。すると、「セニョーラ! カフェ・コン・レチェ!(café con leche)さ。カフェ・ラッテなんていうものは無いさ」と、カウンターの向こうから、おじさんが叫んだ。支払いももちろんペセタである。
 
 国境を越えたんだ…
 私は、スペインにいるんだ!
 
 初めて、一人で海外に出た私は、嬉しさと緊張と、恐怖と戦っていた。道端で地図を広げても大丈夫かどうか、何度もドキドキした。苦しくなると、バルに飛び込んで、カフェ・コン・レチェを頼んだ。初期の旅で、私はどれだけのカフェ・コン・レチェという、気付け薬を飲んだことか!
 座ると落ち着いてきて、しばらくすると、マン・ウォッチングに興じる。

 氷の入った硝子のコップと、カップに入った熱々のカフェ・ソロ(ブラック・コーヒーのこと。café solo)が、隣のテーブルに運ばれてきた。あの、氷だけのグラスは何だろう?と思った私は、びっくりした。アイスコーヒー(café con hielo)を頼むと、そうやって出てくることを知らなかったのだ。熱いコーヒーが注がれた、硝子のコップに見とれる。
 アメリカ人はいつでもアイスコーヒーを注文し、イライラしている。「なんで、この国はアイスコーヒーがないんだ!」
 そういえば、スペイン人が、アイスコーヒーを飲んでいるのを見たことが無い。そして、アイスコーヒーにミルクは入れないことになっている。
 
 別の機会、またしても隣はアメリカ人の模様。2人なのに、カップが3つ?「この国のコーヒーは、酔い覚ましみたいに濃いヤツばっかりでいかん」と、言っていたかどうかは定かでないが、カップのうち一つは、ただのお湯。エスプレッソを薄めてアメリカンにするのだ。これが、スペイン流、アメリカン・コーヒー(café americano)。

 子どもの頃、色水屋さんごっこが大好きだった私。スペインがますます大好きになってしまった。だって、人前で堂々と、じゃあじゃあできるんですもの!
 スペインにはいろんなコーヒーの飲み方がある。朝、食後、お茶の時間…その時々にあったコーヒーの飲み方ができるようになりたい。

 スペインのコーヒーに欠かせない「砂糖」の記事も飲んで…読んでくださいね。[a]

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2007-06-10 22:43:50 | アラビア語(エジプト)

سمك (サマク)

 アラブ世界の食と言えば、とかく肉の話で、魚の話は日本では話題になりにくい。
 エジプトは、ナイルの賜物と言われる国で、ナイルから得られるのは当然魚である。古代から、庶民が日常食べていたものは魚である。
 では、現代人はどうか?実のところ、肉を食べている方が多いように感じる。と言うのも、手間がかからないからと言う理由を感じる。
 刺身は食べない。コーランで、生ものを食べることは、良しとされていないからだ。日本やアジアにきたことがある人たちは、刺身に取り付かれている人もいるが、それはほんの一部の人たちだ。
 魚の一番定番の食べ方はフライ。小骨まできれいに取ってあるので、とても食べやすい。小骨取りが面倒だからとか、家が生臭くなるから、魚は出来合いのものを買ってくるという人もいる。
焼き魚や、煮魚もある。煮魚と言っても、日本のように甘辛ではない。トマトソースでの煮込みが、定番か。
 燻製や塩付け(アラビア語の春参照)もあるが、これらは
専門店で売っている。燻製屋にはからすみも売っている。からすみも古代から食べられていて、現代では高級珍味である。とはいえ、物価が安いので、日本へのお土産にはもってこいである。エジプトでは精力剤として効果があるとされている。そのため、10年ぐらい前、「からすみ屋を教えて」と頼んでも、なぜか、皆、教えてくれなかった。中には「女の子の買うものではない」と言う人もいた。理由が判ってからは、「おじいちゃんの大好物だからお土産にしたい」と言うことにしている。そうすると「そうだね、長生きのためにはいいね」と、妙に納得してくれるのだ。
 女が買いに行くのは珍しいようで、からすみ屋は、私の顔を忘れない。「やあ!今年も来たね!」と、歓迎してくれる。[a]

魚になって、世界の海を散歩したいな!
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パン

2007-06-04 22:06:29 | 英語

 Bread(ブレッド)

 パン大好きの私だが、アメリカでパン屋を見なかったのは気のせいだろうか?
 パンの香ばしい香りも記憶に無い。
 アメリカで、一番沢山食べたパンはベーグル(bagel)。パリッとした皮と、ふわふわの白いパンが大好きな私にとって、もちっとしたベーグルは、買ってまで食べるものではない。
 ブレックファーストに必ず出てきたのがベーグルだった。一生分食べたような気がする。不思議なことに、日本では食べる気にならないベーグルが、アメリカでは美味しかった。アメリカで好きになったから、帰国しても食べたくなるかと思ったら、そうでもない。ただ、アメリカの思い出の中に、ベーグルはしっかりとした存在としてある。

 ベーグルは、ポーランドあたりで生まれたものが、ユダヤ人によってもたらされた。いまやアメリカの国民食であるが、NY式と、モントリオール式がある。
 NY式は、塩と麦芽を使い、生地をゆでた後で、オーブンで焼く。
 モントリオール式は、タマゴと麦芽を使う。蜂蜜入りの湯で、ゆでた後、薪窯で焼く。
 日本に上陸したのはNY式ベーグル。日本でも定着したベーグルは、抹茶ベーグルなど、バリエーションも日々増え続けている。
 お抹茶色のベーグルと言えば、NYでは聖パトリック・デー(St Patrick's Day)は、緑のものを身につけたりして、祝う日。何でも緑にしてしまうが、ベーグルもしかり。緑に着色される。[a]

NYを懐かしんで、ベーグルをかじってみようかな!
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