Lluvia(リュビア/ジュビア)
私がマドリードにいると雨が多い。雨季に行っているのか?そんなことはないと思うのだが、マドリードを思い出すときはいつも雨の景色。
私がはじめてマドリードに降り立ったときに感じた色は灰色。エンデの『モモ』に出てくる灰色男が似合う町のイメージだった。
いつのころからか、雨の降る街に靄がかかって、車のテールランプの赤い光がぼんやりと光るのを窓から見下ろすのが好きになった。
マドリードは美術館の宝庫。雨の日の美術館めぐりは最高。空気がしっとりとしていて、作品たちがつやつやしている気がする。雨の日が一番似合う美術館はMuseo Sorolla(ソリョーリャ美術館)。
ソリョーリャ画伯のアトリエだった美術館の門をくぐると、アンダルシア風の庭があり、タイルとレンガの地面は雨で輝いている。
バレンシアの海岸の絵などを見ていると、外の雨音が地中海の波の音に変わってくる。
マドリードにlluvia de estellas(満点の星空)はないけれど、
lluvia de regalos(たくさんの贈り物)がつまった街であることは確かだ。
さあ、モノトーンのシックな傘を持って、マドリードへ
雨のそぞろ歩きを楽しみに
「ジュビア」と声に乗せると、雨粒の宝石が零れ落ちる気がする[a]
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