地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

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2010-06-30 00:00:00 | つれづれ帳

kuća(クーチャ・ボスニア語)

靄がかった夕刻の薄明に縁取られた家々の黒い影。対照的に、夕闇にくっきりと浮かび上がる生活の灯りのひとつひとつ。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォを訪れたのは、とある夏の夕暮れ時だった。低い丘に囲まれ、その中心を一筋の川が流れる谷底に、サラエヴォの街並みは広がる。
サラエヴォと言えば、ユーゴ紛争の際、民族間の内戦や虐殺が起きたことで世界的に知られてしまったが、実のところ、歴史上様々な民族が共存してきたコスモポリタンな土地であり、ヨーロッパの地にありながら、未だオスマン朝の足跡を色濃く残す稀有な場所でもある。

東西に広がるサラエヴォの街は、東へ行くほどオスマン朝の面影が色濃くなっていく。丘の斜面に沿って並ぶ住宅街では、トルコの一定の場所で多く見られるような、木彫り装飾の施された窓が二階部分から路面に向かって張り出すオスマン様式の家屋に数多く出逢う。アザーンが響く中、デコレーションケーキに立てられた細い蝋燭のようなミナレット(尖塔)の合間に立ち並ぶオスマン様式の家屋を見ていると、まるでイスタンブルやサフランボルを訪れたかのような錯覚に陥ってしまう。

そして、かつての職人街バシチャルシャに足を踏み入れると、どこか懐かしい風景に遭遇する。木造の軒の低い家屋が長屋のように続くその空間は、アジアの下町の路地を思わせる。しかし、足元に広がる石畳はヨーロッパのそれを連想されるし、頭上を見上げれば、そこかしこ、隊商宿の名残を残すイスラームのドーム屋根が連なる。えも言われぬ懐かしさの感情と、未体験の驚きが交差する。チェバブチッチ(ケバブ)屋の小さな煙突からモクモクと吐き出される白い煙と、どこからともなく聞こえてくるトルコのアラベスク歌謡のような旋律は、イスラーム世界に馴染んだ者には既視感を覚えさせるノスタルジーも湛えている。

現在は大半が土産物屋となってしまった「長屋」のひとつひとつでは、かつて金属加工や絨毯織の職人が商売の腕を競い合っていたのだろうし、軒下の出っ張りに腰掛け、トルココーヒーを啜りながら日がな一日お喋りに興じていた人々の、のんびりした姿が脳裏に浮かぶようだ。
路地を彩ったかつての日常の風景が、今でもここでは想像に難くない。

夕闇迫る輪郭の無い藍色の塊の中、くっきりと浮かび上がるのは、生活の音を放つ光を伴った光景。そこには、人々の行き交う姿を見つめ続け、歴史の重みを背負う木造家屋の風景が広がる。内戦の爪あとを色濃く残す町並みの背後で、ひっそりと佇むオスマン朝の夢の跡が、木造家屋連なる風景の中に、今でも確実に息づいている。(m)

 
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アイスクリーム

2010-06-26 00:00:00 | 沖縄方言
ブルーシール

さらささんの絵葉書にあった「森のアイスクリーム」にはまだ出会ったことないですが、
沖縄には色んな種類のアイスクリームがあります。

その中でもっとも有名なのがブルーシール。
最初は基地内でしか食べられなかったそうですが、
今や沖縄のアイスといえばブルーシールと言われるほどです。
その直営店がこれまた有名で必ずガイドブックにも載っている「BigDip」です。
BigDip牧港店には、アイス屋さんなのに外貨両替所(しかも18カ国)があります!
ちょっとビックリします(笑)ドルでアイスが買えるのかも~。
と言うのも、沖縄にはドルで買い物が出来るところがけっこうあったりするのです。

ブルーシールのフレーバーはサーティーワン並みに種類が豊富で、
沖縄らしいゴーヤーやサトウキビ、紅イモやウベなどの芋系、
マンゴーやシークヮーサーなどもあります。
もっともボクはほとんどチョコしか食べませんが(笑)

沖縄にはブルーシール以外にもオリジナルアイスを作っているところが多く、
Gala青い海の「塩アイス」や今帰仁のおっぱ(乙羽)の牛乳を使った
「おきなわんじぇらーと」なども有名です。あ、アイスクリンってご存じですか?
そう昔懐かしい、道路でパラソルさしてアイス売ってるやつです。
沖縄ではまだあちらこちらでアイスクリン屋さんを見ることが出来ます!

ブルーシールは、BigDipのような店ではもちろんのこと
コンビニなどでも買えますし屋台などで販売しているところもあります。
その中でボクが大好きなお店は残波岬にあるバスのパーラー。
雰囲気バツグンです。ネーネーズのアルバムジャケットになったこともあります。
もっとも夏場にここでブルーシール買うと・・・すぐに溶けるのでご注意を(笑)(S)


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2010-06-22 00:00:00 | フランス語(チュニジア)

maison(メゾン)

砂漠の地を旅していると、エメラルド色に輝くオアシスの中、絵になる家屋の風景に幾度となく出逢う。乾いた大地で目にする住まいの多くは、日干し煉瓦を固めて作った、素朴ながらも居心地の良さそうな土色の空間。チュニジア南部のサハラでは、映画のロケに使われるような、魅惑的で、どこか異世界を感じさせてくれる建造物の群れがオアシスを彩る。
中でも有名なのは、スターウォーズのロケ地ともなったクサール群(日干し煉瓦で造った穀物倉庫)だが、住まいの独自性、希少性という意味から一見に値するのは、マトマタの「穴居」かもしれない。

現在、チュニジアの民族構成の多くを占めるのはアラブ人。しかし、かつてこの地には「ベルベル人」と後の人たちが呼ぶ先住民が住んでいた。彼等は、アラブ人がこの地を侵略して来た時、国土を南下。そして、追手から逃れるために、険しい山岳地帯を住居とする。まず、目立たない場所に竪穴を掘り、それからその掘った穴の側面に、蟻の巣のようないくつもの横穴を穿った。普通に歩いている状態では、ただの竪穴が眼下に見えるのみ。それもそのはず。真ん中の四角形の広場を囲む形で穴型の住居(部屋)が取り囲むこの構造は、地中海一帯で見られる中庭式の住居に似ていなくもないが、その「中庭」は、スペインなどで見られるような、花が溢れる美しい「パティオ」ではない。単なる「空間」なのだ。

アラブ人に追われる心配のない現在、こういった場所は、チュニジアでは数少ないベルベル人たちの住居であると同時に、観光客に開放されている「観光地」でもある。

初秋の暑い午後訪れた横穴空間では、思った以上にひんやりとした空気の中、ホームメイドのヨーグルトや、焼きたてのパン、オアシスから採ってきたナツメヤシの実、ミントティーなどでもてなされた。独特の製法で土の中で焼かれた素朴なパンには、サハラの細かい砂も混じっていて、なんとも味わい深い。

砂漠の気だるい午後の空気と共に、今でも思い出すのは
ざらっと舌に残る砂の食感
そして、頭上を通り過ぎていく、一陣の砂を孕んだ風 (m)

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2010-06-18 00:00:00 | コラム
 トルコのお茶については、mitraのお手紙を読んでいると良くわかる。
 トルコは国が大きいから、飲み方も地方によって全然違う。
 思い込みというのは恐ろしいもので、なんとなくヨーロッパに近い国々は紅茶を飲んでいると思い込んでいた。
 エジプトではイギリスの植民地時代を経て、紅茶が主流、フランスもおいしい紅茶があるので、フランス植民地のモロッコも当然紅茶だと思いこんでいた。思い込みはさらに輪をかけ、モロッコ初上陸で最初に入った喫茶店で「お茶をください」と言ったところ「ミントティでいいですか?」と聞かれたので、「ハイ」と答えたところ、緑茶にミントが入っていて仰天した。
 アラブかと思うとそうじゃなく、アジアな一面もあり、EUに入ってヨーロッパの一員になりたがっている、そんなトルコでただ「お茶」と言ったら、何になるのだろう?
 トルコの市場に行くと、フルーツのお茶もたくさんある。代表的なエルマ・チャイ(リンゴ茶)、今頃だと苺もおいしい。そう、乾燥させた苺のお茶もあるのだ。
 レモンやオレンジのお茶もこれからの季節はさわやかな気分にしてくれる。
 そして見つけた、缶の緑茶。
 実際のところ、私の出会ったトルコ人は、一様にエルマチャイか紅茶を勧めてきたし、飲んでいたが、やはりあったかという感じ。
 エジプトにおいても、もともとは緑茶を飲んでいたという。
 イスラームの通った処に緑茶あり。
 専門的な事は判らないが、陶器の行く道に茶壺が含まれていたのは確か。中国緑茶がきっかけで、ヨーロッパに向かって陶磁器が広まったのか?陶磁器にお茶が入っていたのか…
 エーゲ海に沈む夕日を見ながら、人とお茶の行きかう道を想像しつつ、緑茶を飲んだ。
 さて、トルコの緑茶とはいかがなものか?[a]


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唐辛子

2010-06-14 00:00:00 | トルコ語
Kırmızı biber(クルムズ・ビベル)

 写真は、カリデス・ギュウェジという、エビと青唐辛子のチーズのオーブン焼き。
 辛いもの好きの私でも辛かった一品。エビと同じくらい、唐辛子の輪切りが入っているなんて!
 チャナッカレという、港町で海を見ながら食べた。
 この料理、常連さんのyokocanさんのブログ、
トルコ~スパイシーライフ♪にレシピが出ている。
 yokocanさんのブログを見ていると、トルコ料理は、まるでトルコ国旗のように「赤い」。
 赤唐辛子のとにかく赤い色をした料理が目につく。そして青唐辛子は、生のままケバブと一緒に食べたり、素揚げにしてヨーグルトソースで食べたりと、とにかく赤も青も唐辛子が良く出てくる国だなあと思う。 
 唐辛子が好まれるのは熱いか寒い国である。
 トルコは、イラン寄りは寒く、ギリシャ寄りは暑い。唐辛子料理が栄える気候風土なのかもしれない。[a]

 トルコのチーズは地球散歩のウィキぺディアmitra便りもみてね。

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スウィーツを巡るトルコ~ギリシャの旅~そして更なる旅へ

2010-06-10 00:00:00 | コラム

少し前になりますが、トルコのチョコレートの記事を書きました。ウルケルのチョコとゴディバのこと、またフランス伝来の菓子プロフィテロルを紹介したところ、面白いコメントをたくさん頂きました。いつも皆さんから頂く言葉を通して新たな世界が広がったり、インスピレーションを受けたり。ブログを通したつながりが知識や感性の交換の場となることは、ブログを続けていく励みになるし、違うようで似ている世界が言葉を介して繋がっていくことは、まさに『地球散歩』の目指すところなのです。

そこで今回、皆さんから頂いた該当記事へのコメントを改めてご紹介することと、いつも地球散歩を訪れてくださる皆さんへの感謝の気持ちを表す場として、この記事を書かせて頂きたいと思います。

まず、ヨーロッパの文物に詳しく、こだわりのグッズやカルチャー紹介に深みのある省察を加えて文章を披露されるオルサさんからは、ゴディバの買収について丁寧なコメントを頂きました。チョコレートも大好きなオルサさんですが、流行のものを社会現象やお国事情に照らし合わせて紹介される巧みさに、いつも脱帽させられます。

また、チョコの脇役として登場したマスティハのプリンからは、マスティハの産地に話が及びました。タヌ子さんのコメントにより新たな視点が生まれ、トルコ在住のyokocanさんにより、マスティハは、その産地として有名なギリシャのヒオス島のみならず、対岸のトルコでも産出されることがわかりました。しかも、近所の公園にも植えられているそうで、エーゲ海とのつながりを、ここでも感じさせられます。ギリシャでは、さらさが以前書いたようにマスティハ味のアイスクリームが有名、トルコではマスティハ味のライスプリンを食べた私。いずれもマスティハという癖のある植物の樹液を食材として使用するという、ふたつの国の共通点が発見されました。創作の面でも栄養の面でも愛情の面でも(!)、多くの閃きに溢れた料理を紹介してくださるタヌ子さんには、マスティハを使ったアイディアクッキングの案をいただけると嬉しいです!

またイスラーム世界に造詣が深いmiriyunさんからは、樹液を利用した食材への言及がありました。miriyunさんのブログで以前紹介されていた、ナツメヤシの幹から採られるナツメヤシのジュースがとても印象に残っています。朝採取された新鮮なナツメヤシジュースを、涼やかなオアシスの中で一度味わってみたいという思いがムクムクと沸き起こってきます。
そうそう。ギリシャと言えば松脂を入れたワイン、レツィーナも有名ですが、世界を探せばもっといろいろおもしろい樹液系の飲み物も存在するのでしょうね。

自分が訪れた土地だけでなく、未知の地域への興味や知識が広がっていくことこそバーチャルな旅の醍醐味。『地球散歩』を通して、皆さんから栄養ドリンク、いやいや、不死の飲料を頂戴し、その器となる「聖杯」探索の更なる旅へ出かけて行きたいと思います。いつも地球散歩を訪れてくださる皆さんに感謝の気持ちを込めて…。(m)

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祭り

2010-06-06 00:00:00 | トルコ語
 Festival (フェスティバル)

 
トルコを旅していると、いろんなところでコロンヤという、薔薇水やオレンジ・ウォーターなどを手に振ってくれることがある。
 特にバスでは、コロンヤをサービスがないとどうも損した気分になる。
 イスタンブールからバスを乗り継ぎ、
ウスパルタという町を目指した。
 イランにmitraが住んでいたころ、イランの薔薇祭に合わせて、訪ねて行ったのだが、
行く前から「今年の薔薇は開花が早くて、来る前に薔薇が終わっちゃう!」と大騒ぎしていた。
 その年、イランの薔薇祭は中止。
 せめて薔薇だけは見たいと思い、隣のトルコへ足を伸ばした。
 トルコの
薔薇の産地がウスパルタ
 町に入って驚いた。
町中ピンク、ピンク!
 トルコの薔薇はイランよりも遅い。ウスパルタで出会った人に「来週までいたら薔薇祭が見られるわよ!」と言われた。
 イランでは花が終わって、祭は中止。
 トルコはまだ、満開には早く、祭のころは帰国していなけらばならない。
 それでも、祭の前の楽しそうな空気や、
薔薇の蕾がはじけそうな姿に満足
 夕焼けの色も薔薇色に輝いて見えた。
 今年の薔薇祭も来月か、さ来月にかけて。
 まだ見ぬ薔薇祭に、今年も思いをはせる。
 トルコでは、どのくらい知られた祭なのだろうか?[a]
 

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スウィーツ

2010-06-02 00:00:00 | 日本語

甘味

私事ではあるけれど、一月程前より新潟に暮らすこととなった。
移転を碧に告げたところ、「笹団子」を一番に紹介された。新潟に縁の深い碧にとって、笹団子は郷愁の味らしい。「南」の出身で、旅行でも首都圏より北の地方を訪れたことが無かった私にとっては、新潟の殆ど全てが未知の世界。
「mitraに笹団子の食べ方を教えてあげる」という碧。しかし、続報を待つ前に私は早速笹団子を食べてしまった。

笹団子とは、餡入りのヨモギ団子を笹の葉で包んだ甘味。私は何も考えず無造作に葉を剥いて食べた。その後のやりとりで、「笹団子、バナナの皮のように剥いて食べたでしょうね」と、碧。笹団子を食べるには、どうやら厳然たる「作法」があるらしい。何を大袈裟なと感じる方もいるかもしれないが、wikipediaにもわざわざ食べ方が載せてある。「(イグサ、スゲの)紐を解き、バナナのように上半分だけを剥いた状態で下部を持ちながらかぶりつくように食べるのが一般的。」とのこと。さらに、碧が言うには、「皮の捨て方」にもルールがあるらしい。この続きは、コメント欄での碧からの返答を待つことにしよう。

米処新潟では、他にも米を使ったお菓子がいろいろある。中でも、米粉を使ったスウィーツが注目株。米粉は、最近CMでも全国的に宣伝されている。実は私が初めて米粉菓子を食べたのは新潟ではなく九州でだった。米粉を使ったシフォンケーキがそれ。小麦粉では出ないモチモチ感としっとり感が新食感だった。
他にも、コンビニで売り出し大ヒット商品となった「ふんわり名人」が、越後製菓の商品だということも、新潟に来て初めて意識した。

数々の米菓を味わえる楽しみは日本ならでは。米処新潟の食は、スウィーツに至るまで探索が楽しみだ。(m)

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