地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

散歩仲間を求めて

2007-04-30 23:43:49 | 英語版『地球散歩』

 『地球散歩』に、いつも立ち寄ってくださるみなさま。ふらっと、思い出したように立ち寄ってくださる皆さまに支えられ、この5月で3年目を迎えます。
 最初は、散歩をしながら、自分たちに向けた手紙であった『地球散歩』も、今では、あて先が、多くの共に散歩をしてくださる皆さまにと、かわってまいりました。
 手紙を出す先が沢山ある散歩は、私たちの旅を、さらに楽しいものへと変えました。
 地球を散歩、勝手気ままな散歩をしていた私たちですが、旅先で出合った散歩仲間や、日本を散歩したい、世界の散歩仲間と、もっと一緒に散歩したいと、欲張りなことを夢見ていました。
 私たちが、世界のどの国へ行っても、便利に使っている言葉は英語です。私たちが一番好きな言語で、『地球散歩』を書けたらいいのですが、それはあまりにも無謀な試みです。英語も堪能ではありません。でも、私たちは、一つ挑戦をしてみることにしました。英語版の『地球散歩』を書いてみることにしました。
 怪しい英語連発、恥ずかしい間違いも多々あると思います。そんな時は、また皆さまのお力をいただければと思います。
 英語版の『地球散歩』は、既存の記事を訳しなおして、お届けします。訳してみると、日本語とはまったく違う表現になる事もあります。そんなところもお楽しみいただければと思います。
 

 いつも、共に歩いてくれてありがとう。
 そして、これからも、一緒に散歩してくださいね。
 英語版の
『地球散歩』、どうぞよろしくお願いします。


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アイスクリーム

2007-04-26 10:49:32 | ギリシャ語

Παγωτο(パゴト)

 眩しい太陽を一杯に浴びる季節。汗ばむ日の散歩の途中に恋しくなるのはアイスクリームである。街のキオスクに置いてある袋入りや、菓子店・アイススタンドでコーンに入れてもらうもの、様々な種類と味に目移りしてしまう。中でもギリシャならでは、といったらピスタチオアイスだろう。

 アテネのピレウス港からフェリーで1時間半にあるエギナ島で食べたものが最も印象に残っている。船着き場から街へのアプローチ辺りに袋詰めのピスタチオを山と並べた屋台が出迎えてくれるのが、いかにも産地という感じ。まずは近場のアイスショップで食べ、観光の後、カフェに座ってまた食べた。淡い緑が目にも爽やかであるが、味は濃厚。とにかく美味しい。

 ギリシャらしい味のもう一つは、マスティック(マスティハ)だろう。エーゲ海のヒオス島でしか採取できない木の樹液・マスティックは、胃腸をはじめ健康に良いと古代から大切にされてきたもの。甘く強い独特の香りを持ち、主にキャンディーやガムなどの菓子類に用いられている。住んで間もない頃、バニラアイスだと思って指をさしたところマスティック味だったことがあった。まだその存在を知らず、予想外の味と芳香によって異国にいることを強く実感・・・そんな思い出がある。

 面白いのは、ギリシャ人がアイスクリームを夏の食べ物だと考えていること。晩秋から春先までは、街の菓子店やキオスクでアイスを売らないのだ。冷蔵ボックスにカバーをかけたり、鍵をかけたり、本当にきっぱりしている。住んで1年目の秋も深まったある日、買いに行って驚いた。他の店を探してもどこにもない。だから再びアイスが売られるようになると、間もなく夏が到来するのだな・・と思う。スーパーマーケットや観光地はこの類ではなく、一年中アイスを置いているので、ご心配なく。(さ)

いつもありがとう!Ευχαριστω! 

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2007-04-23 10:37:46 | イタリア語

Primavela (プリマヴェーラ)

 イタリアの春と聞くと一枚の絵が浮かんでくる。ルネサンスを代表する画家の一人・サンドロ・ボッティチェリが描いた「春](http://www.h6.dion.ne.jp/~em-em/page177.html・フィレンツェのウフツィー美術館蔵)。双璧である「ヴィーナスの誕生」と並んだ展示室は、思わず溜息がこぼれるような贅沢な空間であった。絵画好きでなくても、まっすぐに飛び込んでくる美である。それは花の大聖堂のもとに広がる街に色濃く残るルネサンスの空気と同じ、ローマでもミラノでもない、フィレンツェ独自の色を呈している。

 「春」「ヴィーナスの誕生」、どちらも愛と美の女神を主軸に据えた神話画。初めて「春」を目の前にしたとき、その大きさにも圧倒された。縦2メートル、横3メートル、画面のあちらこちらに散りばめられた花々がいかにも春。たわわに実るオレンジの木々の下にいる人物は多く、以下の通り。

 まず、中央は薄い衣に緋色のマントをまとったヴィーナス(アフロディーティ)。右には花の冠と首飾りをした花の女神フローラ、そしてフローラの前身といわれるクロリスと春を運ぶ西風の神ゼフェロス。ゼフェロスはクロリスを抱擁しようとし、彼女の口元からは花が溢れ出ている。左には三美神の女神達、更に神々の使者・マーキュリー(ヘルメス)、木の下にはキューピッド(エロス)・・と揃い、優美な神話の世界にいざなわれる。それぞれの女神達の表情、髪型、衣服などに見られるボッティチェリらしい繊細な描写も圧巻。

 ギリシャの神々をテーマにした絵画や彫刻に名だたる作品が沢山あり、あちらこちらの美術館の目玉となっている。文学や演劇もしかり。時代を問わず、神話が芸術家たちにとって汲めども尽きぬ創作の泉であることを感じる一枚である。(さ)

*写真はアテネの近代美術館にボッティチェリのヴィーナス(ベルリン美術館蔵)が来た時のもの。

参考文献 『西洋美術史』 美術出版社

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沖縄語

2007-04-17 09:36:13 | 沖縄方言

ウチナーグチ(沖縄語)

  沖縄は日本でありながら独自の文化を持っている。それは地方色というよりも限りなく異国に近い空気。短い散歩の間でも、あちらこちらで感じ、味わった。写真は、かつての王朝のシンボル・首里城の「守礼門」。あまり流通していない二千円札を飾っている。門の上部に掲げられている言葉「守禮之邦」は、礼儀を重んじる国という意味だそう。中国との盛んな交易を物語る建築様式が、印象的。

 「ウチナーグチ」と言われる沖縄方言は、外国語といっても過言ではない。「ウチナー」というのは沖縄、その他の日本(本土)は「ヤマト」と呼ばれている。沖縄の位置的な隔たり感よりも、琉球王朝として独立していたことが本土とのはっきりした境界線になっているように思える。王朝は1429年から1879年の廃藩置県まで、約450年の歴史を持つ。

 本土の標準語は「ヤマトゥーグチ」で、勿論、一般的に用いられているが、レストランのメニューや看板などを見て意味がわからないことも多々ある。例えば空港で「メンソーレ」を見かけたときに、「ようこそ、いらっしゃい」であることは想像がつくものの、レンタカーで街に出て間もなくパチンコ屋の看板に「イミソーレ」とあると、もうわからない。後で調べると「お入りください」という意味だそう。

 これまで6カ国語で取り上げた様々なテーマを中心に、沖縄方言や文化などを少しお届けするので、マタン メンソーレ(また おいでください)!(さ)

 *参考文献  『沖縄』 昭文社    『ひとこと ウチナーグチ』 沖縄文化社 

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コーヒー

2007-04-13 23:00:49 | アラビア語(エジプト)

قهوة (カフア)

 酒を禁じられたイスラーム教徒が、次なる酔うものとして愛したのがコーヒーと言われている。
 エジプトで言うところのコーヒーは、トルココーヒー。しかし、お坊ちゃま方のお好みはカプチーノである。発音はもちろん、Puが、Buになってしまいカブチーノ。おしゃれな喫茶店で、カプチーノ。トルココーヒーの倍から5倍の値段である。

 ある日、トルコ・コーヒーを入れてもらった。
まずコップで水を測り、カナカ(専用のコーヒー沸かし)に水と砂糖とコーヒーを入れてかき混ぜ始めた。
 最初から砂糖入れるんだ!
 それから沸かして出来上がり。
 私はこの光景を、ひどく感動的に見ていた。
 そして、なるほど~とうなずいていた。謎が解けた。
 と言うのも、ルクソールで居候していた時、ママが「ネスカフェにしましょう」と言うと子ども達は大喜びで、マグカップにコーヒーと砂糖を入れ、お湯を少し注してから10分ぐらいかき混ぜているのだ。子どもが並んで、ひたすらかき混ぜている姿は妙だ。それからころあいを見てお湯を注ぐのである。
 そうだったのか!トルココーヒーは、まずは水にコーヒーと砂糖を入れて混ぜてから火にかけるのか。
 だからネスカフェでもそうしていたんだ!
 目からうろこであった。[a]
 (この記事は以前、エジプト滞在日記として、他で発表したものを転載しました)

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2007-04-09 22:33:54 | 英語

spring(スプリング)

 春が、始まりを意味するのは英語も同じ。春になると心がウキウキするが、そんな弾んだ心(この場合はboundで、springは使わない)に通じる、元気や活気の意味もある。春になってしまえば、そうした明るい気持ちになるが、春を待っている間の気持は切ないものである。
 ジャニス・ジョップリンの生涯を描いた映画『The Rose』の主題歌の一番のラストで、
♪I say love it is a flower
 And you it'ts only seed♪
(私に言わせれば、愛は花 そして貴方だけが、その種となるの)

そして、三番
♪When the night has been too lonely
  And the road has been too long
  And you think that love is only for
  The lucky and the winter
  Far beneath the bitter snows lies the seed
  That with the sun's love in the spring
  Becomes the rose
(夜があまりに淋しすぎる時 そして、行く道があまりに長すぎる時 愛とは運が良くて、強い人にのみ 与えられていると思うなら 冬を思い出して 厳しい雪のはるか下に、種は横たわり 春の太陽の愛によって 薔薇の花と咲くことを)

 なんと、希望に満ちた歌か。
 人は、誰かのためにがんばることが出来る。それはすなわち、自分のためである。
 愛は花で、こぼれ落ちた種は、愛によって最高の花(薔薇)に生まれかわることが出来るのだと、この歌は勇気をくれているように感じる。
 「秘めた想いは種。いつの日か薔薇の花になる。」恋だけじゃなくて、全てのことに言えるのではないか。「どんな願いも、季節がめぐって、春になったら必ず花開くから、やってみなさい」そんな気持をこめて、この歌を、新たな旅立ちのみなさん
に贈りたい。[a]

 映画『The Rose』主題歌
 歌詞引用:『アメリカの愛の詩』キャズ・カワゾエ著(講談社)

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2007-04-05 18:03:42 | 日本語

 4月8日は花祭りである。イースターもこの時期。世界的にお祭りの日である。ここでいう花祭りは、浄土宗に流れをくむ、潅仏会(かんぶつえ)のことである。
 お釈迦様の誕生日といわれるこの日、全ての寺(釈迦を本仏としない寺は除く)で、行われる行事であるから、私は毎年、この日は通りすがりの寺に寄ってみることにしている。
 境内には花御堂の中央に水盤を置き、その中に誕生仏が置かれている。その像に甘茶をかける。生花で飾られたお堂と、かわいい仏様に甘茶をかけるのは、心が華やいで、楽しいものである。
 これは、お釈迦様誕生の場面を伝えるものである。お釈迦様が生まれた時、天より九竜が下り、香水でお釈迦様を洗い清め、地下からは蓮の花が咲き、体を支えたという。その縮図が花御堂と甘茶かけである。
 民俗学的に花祭りは、11月から3月にかけて各地で行われる霜月神楽のことである。しかし、全国的には江戸時代から続く潅仏会の方が知名度が高く、俳句の春の季語としても認められている。
 花が咲き乱れ、桜吹雪の中の花祭り。処によっては、かわいいお稚児さんの行列も見られる。日本の春爛漫を伝えるのに、この日ほどふさわしい日はないと思っている。[a]

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