地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

風呂

2012-05-20 22:26:27 | フランス語(チュニジア)

bain(バン)

 世の中、ローマ風呂が話題では?たまにはブームに便乗してみようか?
 イスラームは衛生についても事細かに、コーランに記している。
 そのため風呂好きは多い。
 たいてい金曜日に、時間をかけて体をきれいにするが、果たして今のチュニジア人が、どのようにしているかは、判らない。
 こういうとき、現地に友だちがいないとつまらない。
 この銭湯セットは、博物館にあったもの。
 手のついた洗面器に、スリッパと石鹸入れ、手桶とタオルを入れて風呂屋に繰り出す。
 こんなお風呂セットがあったら、銭湯に行きたくなりそうだ。
 お風呂は社交所でもあり、スチーム風呂、水風呂、あかすり、マッサージ…ご飯を食べ、お茶を飲んだりして一日を過ごす。
 恐らく、今のチュニジア人は家で手軽にシャワーなのではないかと思う。
 フランス式に、足の着いたバスタブなどがある家もあるのだろうか?[a]

バンバン、クリック!

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2012-05-14 23:40:25 | フランス語(チュニジア)

rivière(リヴィエール)

 チュニジアでは河というより、海のイメージが強い。
 そして、河という大河ではなく、川があったという感じであろう。
 川で思い出すのは、ナツメヤシの林の中を縦横無尽に流れている水路である。
 これは、ポンプでくみ上げた水を、どくどくと流しているので、まさしく川のようであった。
 危険なので、絶対に私の真似はして欲しくないが、7Km以上も広がるナツメヤシの畑(林)に迷い込んだ私は、時にこの水路を渡れず、右往左往。生ったまま干からびたざくろなどを見上げているうちに、どこから来たのか判らなくなってしまう。ちょろちょろとした水の流れと、沼のようになっているところ、そして幅2メートル、深さ50センチくらいの川のようなところに囲まれ、聞く人もいない。いっそ泳いで渡りたい…と思うこともあったのが懐かしい。
 豊富な地下水と温水ではぐくまれる迷宮のナツメヤシ畑。

 海から離れた内陸は、乾ききって荒涼としている。
 生きているものなどなにもないような気がする、砂と岩の世界。
 己も干からびそうになり、アンモナイトの化石を売る少年をみると、かつては海の底であったのかと、信じられない思いがする。
 息を切らし、汗も乾き、べたっとしてくるころ、懐かしい音がしてくる。
 水の音とかえるの声。

 どこから沸いてくるのか。

 小さなかえるとたわむれる、夢のような水辺のひと時。

 チュニジアの川は美しいオアシス。[a]

 

かえるの歌が聞こえてくると、それはオアシス。
ホントだよ~甘露の流れ、静や静…
  
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2012-05-07 22:11:01 | フランス語(チュニジア)

grave(グラーブ)

 苔むした丸屋根の白い建物に入っていくと、タイルが美しい建物がある。
 中庭にはオレンジの木があり、たわわに実るオレンジの果実が、木漏れ日の結晶のようである。
 しんと静まり返り、ひんやりとした室内。
 薔薇、薔薇、薔薇、花々、蔦、真っ白い棺に彫られた、美しい花々が、時を止めている。
 タイルには、さえずる小鳥が、今にも飛び出しそうに描かれている。
 アイアンの格子の向こうは、強い日差しで真っ白になって、何も見えない。
 ステンドグラスのランプシェードに、窓からの日差しがあたり、摂関の真っ白な花に色を添える。

 市場の真ん中とは思えない、墓所。

 人々の生活のなかに眠る。
 ここもまた、イスラームとはいえ、またちょっと違う文化を感じる。[a]


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お金

2011-12-23 22:21:14 | フランス語(チュニジア)

argent(アルジャン)

 世界で一番よれよれのお金は、ファラオの時代から使っているかのような、エジプト紙幣と地球散歩上では思われているようだ。
 もっとすごいお金を見たことがある人はぜひお便りして欲しいものだ。
 そうなると、他の国のお金の話題に悩んでしまった。
 チュニジアのお札の柄は、ターバンにヒゲのアラブ人や、トルコ帽をかぶって馬に乗った人、アラビア文字と鳥をデザインしたものなど、ちょっと飾っておきたいようなデザインである。
 しかし、こぎれいなお札はなんだかつまらない。こぎれいなお金を持っていたいくせに、話題性としては、あのできればさわりたくない、ぬめっこいような、擦り切れそうなお札に軍杯が上がる。
 そこで、チュニジアのお金はあえて登場させず、扉。
 チュニジアと言えば、鋲を打った青い扉が有名である。
 青が好きで碧と名乗っている私も、沢山青い扉写真を撮ってきた。
 今日はチュニスで見た黄色い扉をお届けする。
 扉の右上の青い通りの名前の看板を見て欲しい。
 
 「金持ち通り」

 日本では絶対ありえない感覚である。
 この通りに住む人たちはお金持ちだそうで、金に見立てた黄色い扉を好むそうである。
 しまった!
 この通りでうろうろして、王子様を探すんだった!
 今頃思い出しても、時すでにおそしである。
 また行ってみようか。今にも折れそうなヒールの靴でも履いて…[a]


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電車

2011-10-16 00:00:00 | フランス語(チュニジア)

train (トラン)

  チュニジアの電車の印象は乗り易くて、きれいということ。
 沙漠の国は特に、外観がとても汚れていることがあるが、かなり内陸に入っても美しかった。
 「駅」については、いずれ別に書きたいと思うが、駅舎や看板も楽しめた。
 窓も比較的きれいで、車窓からの眺め、特に次の駅はどんなであろうかと、各駅停車の旅もまた楽しかった。
 この電車は、チュニジアの青い街、シティブサイドへ行く路面電車の車内であるが、バスの中の様である。
 新型車両から、古いタイプのものまでいろんな電車が走っているので、鉄道マニアにとっては楽しいかもしれない。
 ただ難点があるとすれば、長距離列車の本数が少ないこと。
 旅行者にとっては、もっと本数があれば、チュニジアを快適にどこまでも旅ができるのにと思わずにはいられない。
 そうそう、以前車内販売のサンドイッチについて「パン」で書いたことがあったが、思い出しただけで、喉がピリッとした。唐辛子大好きな人を除いては、注意されたし。[a]

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2011-09-26 18:34:30 | フランス語(チュニジア)

 d'huile(ユイル)

 チュニジアでも、たくさんオリーブを食べてきたが、料理が全部オリーブオイルかと言うと、やはりそれは近隣諸国同様と言ったところか。
 チュニジア料理も、他の北アフリカ同様、たっぷりの油を使った料理が多い。
 中でも感動したのがブリックである。
 
見た目は、巨大な餃子に半熟卵が入っている感じの料理が、私は大好きである。
 ブリックについてはこちら
 エジプト人へのオリーブオイル土産、リベンジを果たしたのがチュニジア。
 スーパーでとてもいいオイルを発見したのだ。
 私のアラビア語の名前は「ヘクマット」なんと同じ名前のオイル缶を発見したのだ。
 1本、1リットル。量も満足してもらえるだろう。というか、これ以上は無理である。
 このオイルとタジン鍋を抱えてエジプトへ戻った私は、ルクソールまで届けに行った。
 「ま~!チュニジアのオリーブオイルは美味しいのよ!もったいないからサラダにだけ使うわ」と、お母さんは大喜びしてくれた。
 そして、子どもや私たちのサラダにはかけずに、お父さんのサラダにのみかけていた。
 重たい思いをしたかいがあったものだと思った。[a]

 

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ポスト

2011-09-01 10:59:58 | フランス語(チュニジア)

Le poteau(ル ポトー)

 チュニジアのポストの色は黄色。
 ヨーロッパは黄色いポストが多いが、フランスも黄色。フランスの植民地だったので、チュニジアも黄色になったと思われる。
 大きなポストはたまたまかもしれないが見なかった。
 今、チュニジアからの郵便事情はどうであろうか?
 何日かかっても、行方不明にはならず届く気がする。
 チュニジアもエジプトと同じで、海外に荷物を送る場合は、中身とテープ持参(箱はあるらしい)で郵便局へ行き、局員が見ている前で梱包するそうだ。
 届く気がする…と言いつつも信用できず、チュニジアからは大きなタジン鍋を抱えて、エジプト経由で帰国した。[a]

 

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ザクロ

2011-08-24 00:00:00 | フランス語(チュニジア)

grenade(グルナドゥ)

 アラビア語チュニジア方言だと「ロンメーン」と言うらしい。
 エジプトでは「ロマンを語る果物
と書いたが、チュニジアでは「酔っ払ってロンメル将軍呼んじゃった?」と言う感じである。
 
砂漠のキツネと恐れられたロンメル将軍がチュニジア入りしたのが2月、この写真を撮ったのも2月なので、同じころである。
 この写真は、ナツメヤシの畑で迷子になっている間に撮ったもの。
 すっかり人気がなくなって、鳥のさえずりと木々のざわめきしか聞こえない中で、干からびたザクロを見上げていた。
 チュニジアでもエジプト同様、ザクロはそのまま食べる様だが、オレンジウォーターをかけるらしい。
 是非夏の盛りに行って、ザクロのみずみずしさを沙漠で感じてみたいものだ。[a]

 

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スポーツ

2011-08-08 22:37:28 | フランス語(チュニジア)

Sports(スポーツ)

 チュニジアのスポーツで何が有名か実のところわからない。
 他の北アフリカ同様、サッカーは人気がある。と言うわけで、サッカー好きであれば、チュニジアでもすぐ友だちはできるだろう。
 チュニジアで忘れられないのがこの自転車。 いろんな国で、自転車で旅をする人たちを見る。 私は日本で自転車を乗り回していても、意外と海外で乗りたいとは思わない。
 ところが、チュニジアではこの自転車に乗りたくて、持ち主に行き会わないかと、傍をうろうろしたものだ。残念ながらお会いすることはできなかった。

 ナツメヤシの畑の中を、どこまでもどこまでもひた走る…

 目をつぶって、思い出す。
 川のせせらぎ…
 小さな農園のお化けピーマン…
 ひょうたんみたいにカランと音を立てる、乾燥しきった石榴…
 ロバ馬車…
 一面の黄色いカタバミの花…

 そして、これらが全部詰まっている
 どこまでもどこまでもどこまでも続くナツメヤシの畑


 迷子になって、家路に着く畑のお兄ちゃんのバイクに拾われてホテルに戻った私。
 どれだけ、この自転車が欲しかったか![a]


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たまご

2011-07-12 22:46:03 | フランス語(チュニジア)

oeufs(ウフ)

 たまごの中の卵料理と私が思っているのが、チュニジア名物ブリックである。
 大きな春巻きの皮みたいな生地に、ツナや野菜と一緒に卵をポンっと割り入れて、餃子みたいに生地の口を閉じて、揚げる。
 パリッとした生地にナイフを入れると、トロッとした卵の黄身が食欲を増進させる。
  チュニジアでは、ワインにブリックをまず注文すると、ツマミに焼き野菜のサラダと小魚の丸揚げ、オリーブなどの小鉢が出てきて、メインディッシュに魅力が無くなってしまうこともしばしばであった。

 単純な料理だけに、その店を見極めるのにもぴったりであった。
 皮は焦げる寸前、卵はカチカチ…そんなブリックを出す店の他の料理は期待出来ません。さっさとアデュー(さようなら)であります。[a]

 

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2011-01-17 19:46:56 | フランス語(チュニジア)

 fleur (フラー)

 

碧が旅に出た。

またもや、アラブの世界に呼ばれているんだなぁ…

 

そう思った時、ふと昔の記事を思い出した。アラブ世界の花といえば、薔薇。しかし、私の中ではずっと、薔薇はフランスのマリーアントワネット王妃、またはオスカル様の花だった。

 

今、私の手元に薔薇の花の蒸留水がある。その昔、エジプトのアレキサンドリア博物館で飾られていた遺跡がとても印象深く、そこからかつて碧とmitraが訪れた国、チュニジアに興味を持つようになった。だが、チュニジアは遠い。そう簡単には行けそうにない。そう思っていた私は、近所に古代カルタゴとローマがやってきた時、代わりとばかりに喜び勇んで出かけた。その時のお土産として手にしたのが、この花水だ。

 

ところが、その1年半後、私は思いもかけずチュニジアを訪れる機会に恵まれた。辿り着いたアラブ世界は、予想以上の美しさ。そして耳にするのは、アラビア語とフランス語だった。

 

チュニジアで生産される薔薇の香水や蒸留水は、かつての支配国であるフランスにも輸出される。薔薇…アラブ…そして、フランス。

 

再び、この蒸留水を改めて手にしてみる。チュニジアとフランス、そしてアラブ世界に旅立っている友を思い、薔薇の世界にうっとりと酔いしれながら。[y

 

 

 

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遺跡

2010-10-20 00:00:00 | フランス語(チュニジア)
ruine(リュイン)

多くの人にとって、海外旅行の楽しみのひとつと言えば、遺跡巡りではないだろうか。特に、歴史的エピソードが豊富で、神話の世界を彷彿とさせる旧跡が数多く残る地中海地方では、遺跡巡りが旅の重要なテーマのひとつとさえ言えるだろう。
かく言う私も、大の遺跡好きである。
但し、私が遺跡を好きなのは、その空間が湛える、かつての繁栄の残滓や、時の権力者が享受した富や栄光を連想させることに対する嗜好からではない。日本人的な感性である無常観とも違う。
喩えて言えば、イギリスのヴィクトリア朝時代の人々が「発見」したピクチャレスクの感覚に近いものだ。まさにそこに在る、瓦礫に潜む崇高の美。一分一秒たりと崩壊を止めない遺跡という場所が発散する(一見矛盾したように思える)永劫の感覚は、崩壊を愛する美意識を、いたく刺激する。
歴史という呪縛から切り離された瞬間、遺跡は、「絵」としての美しさを放ち始める。その切り取った、自分だけのために存在する一枚の絵は、救いようのない憂愁と虚無感を湛えた存在でありつつ、人に永遠を感じさせる力がある。
そういった意味で、「ruine(廃墟)」(多くのヨーロッパ系言語でも類似)は、私にとっての遺跡の意味を、より的確に表現しうる言葉のような気がする。遺跡というとき、例えばsite archéologique (考古学的(遺物のある)場所)や、yuuのようにhéritage(遺産)という単語をあてる方 が適切なのかもしれない(尤も、私はフランス語のことはよくわからない)が、私はこのruineという言葉をよりいっそう好む。

さて、旅好きで神話好きの人間の例に漏れず、私も今までにたくさんの遺跡を巡ってきた。
それぞれに思い入れがあるのだが、上に記したように「ピクチャレスク」な意味で最も愛着があるのが、チュニジア北部、アルジェリアとの国境にほぼ近い位置ににある、ローマ時代の遺跡、ドゥッガだ。本場イタリアのローマ遺跡よりも保存状態が良いと言われるドゥッガの遺跡は、考古学的な見地からも非常に意義深い場所だが、今回はあえてそういったことには触れずにいたい。

ドゥッガの遺跡を訪れたのは、秋雨降る季節。雨が、古代の街の路地裏の石畳をすっかり洗い流した後の夕刻だった。秋雨とは言っても、日本で経験する時雨とは質を異にする。ドゥッガへ移動する車の中、狂ったように窓ガラスを叩く大粒の雨とにらめっこをしていた私だったが、不思議なことに、ドゥッガに到着した途端、土砂降りの雨は、さっとやんでしまった。
驟雨の後の垂れ込めた雲間から、一条の光が地上に差し、遠くに臨むテーブルマウンテンと、足下の涸れた石畳を鈍く照らし出していた。重く時を刻む神殿址は、その一瞬、時計の針を進めることを止めた。永遠が、ゆっくりと、舞い降る羽毛のように、私の頭上に降り注いだ。

全て偶然が為した、神秘的な美の邂逅と連鎖。
その時、私は、時の狭間を経験した。(m)


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コーヒー

2010-09-30 00:00:00 | フランス語(チュニジア)
café(カフェ)

  チュニジアへ行ったら、絶対に行くべきとも言えるのは、バルドー美術館。タイルのコレクションで有名であるが、19世紀、オスマントルコ時代のベイの宮殿も中に納まっている。
  コーヒー好きだったベイは、寝室の隣にコーヒー沸かし室を作った。
  寝室の脇にバスルームは無くてもいいけれど、こんなちょっとしたミニキッチンがあったら素敵!と、幼いころ病弱でよく寝ていた私は思った。
  オスマントルコであるから、当然ここで飲まれていたのもトルココーヒー。
  ひしゃくのようなコーヒー沸かしが並んでいる。
  これは現在も同じで、チュニジアでコーヒーと言えばトルココーヒーである。
  他のアラブの国とちょっと違うのは、ジャスミンやオレンジ・フラワーウォーターを入れること。コーヒーの香りを純粋に楽しみたい人は、いれないものももちろんあるが、チュニジアでは、フラワーウォーターを飲み物などに入れるのは珍しくない。
 旅の話に、かぐわしい花の香りのコーヒーはいかが?[a]




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2010-06-22 00:00:00 | フランス語(チュニジア)

maison(メゾン)

砂漠の地を旅していると、エメラルド色に輝くオアシスの中、絵になる家屋の風景に幾度となく出逢う。乾いた大地で目にする住まいの多くは、日干し煉瓦を固めて作った、素朴ながらも居心地の良さそうな土色の空間。チュニジア南部のサハラでは、映画のロケに使われるような、魅惑的で、どこか異世界を感じさせてくれる建造物の群れがオアシスを彩る。
中でも有名なのは、スターウォーズのロケ地ともなったクサール群(日干し煉瓦で造った穀物倉庫)だが、住まいの独自性、希少性という意味から一見に値するのは、マトマタの「穴居」かもしれない。

現在、チュニジアの民族構成の多くを占めるのはアラブ人。しかし、かつてこの地には「ベルベル人」と後の人たちが呼ぶ先住民が住んでいた。彼等は、アラブ人がこの地を侵略して来た時、国土を南下。そして、追手から逃れるために、険しい山岳地帯を住居とする。まず、目立たない場所に竪穴を掘り、それからその掘った穴の側面に、蟻の巣のようないくつもの横穴を穿った。普通に歩いている状態では、ただの竪穴が眼下に見えるのみ。それもそのはず。真ん中の四角形の広場を囲む形で穴型の住居(部屋)が取り囲むこの構造は、地中海一帯で見られる中庭式の住居に似ていなくもないが、その「中庭」は、スペインなどで見られるような、花が溢れる美しい「パティオ」ではない。単なる「空間」なのだ。

アラブ人に追われる心配のない現在、こういった場所は、チュニジアでは数少ないベルベル人たちの住居であると同時に、観光客に開放されている「観光地」でもある。

初秋の暑い午後訪れた横穴空間では、思った以上にひんやりとした空気の中、ホームメイドのヨーグルトや、焼きたてのパン、オアシスから採ってきたナツメヤシの実、ミントティーなどでもてなされた。独特の製法で土の中で焼かれた素朴なパンには、サハラの細かい砂も混じっていて、なんとも味わい深い。

砂漠の気だるい午後の空気と共に、今でも思い出すのは
ざらっと舌に残る砂の食感
そして、頭上を通り過ぎていく、一陣の砂を孕んだ風 (m)

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2009-12-27 00:00:00 | フランス語(チュニジア)

  Pluie(プリュ)  

 冬の地中海は雨が多い。地中海寄りに旅する時は、防寒具と傘が必需品であるが、日本人はどうしても地中海=暑いと考えてしまう。 
 エジプトでは雨もほとんど降らない2月、チュニジアはまだ傘が手放せない。一日中降っていることはなくても、チュニスあたりだと「ほとんどずっと降っている」事もある。
 日本人的には、一度降り始めた雨がずっと降っている事に違和感はない。
 しかし、欧米からの旅行者は、雨と言えばスコールのイメージが強いのか、ランチボックス片手に、「早くやまないかな?止んだら海を見ながらでランチにしたいんだ」と、所在無げに、雨宿りする姿をそこここで見かけた。  
 私はと言えば、雨宿りの時間こそがランチタイム。博物館のベンチなどで、弁当を広げていた。苔むした、潮にやられたすかすかで、じめじめの岩の上に座ってランチなんてとんでもない!  
 こういうところに国民性が現れるものだとつくづく思った。 
 ありんこ日本人は、時間を有効活用。 のんびりバケーションと、シチュエーションには命をかける人々は、どんなに寒くとも、濡れようとも、海をごちそうにする事を決してあきらめない。  
 写真は、雨が通過した所。 マハディアの要塞を見ていたら、突風に乗って雨雲がやってきた。 
 カンカン照りがにわかにかき曇り、雷鳴とともに、バケツをひっくり返したような雨。    
そして、超特急で過ぎ去っていった。 
 海の向こうに見える黒い筋が雨。 
 後には、二本の大きな虹がかかった。その向こうで、ゴロゴロ、バシャバシャ雷様のご一行がかけぬけていく姿が、水平線の向こうへ消えて行った。 
 こんな雨ばかり経験していたら、確かに傘は無意味だし、必要ない。 
 私もそのうち、雨で日本人を感じなくて済む日が来るのだろうか?[a]

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 ギリシャ涙雨エジプトぽたぽたスペインばしゃばしゃ英語で唄って、雨の地球散歩はいかが?

 今年も一年ありがとうございました。
 また来年もいっしょに散歩してくださいね!