Peixes(ペイシェシュ)
ポルトガルを代表する魚はタラ。これは塩漬けになっている干しタラで、365日違う料理を食べられるだけのレシピがある、いや1000を越える調理法があるなどと言われる国民食である。
街の食料品店の店先に大粒の塩がゴロゴロとついたタラ(写真)が山積みになっているのを見かけることも多く、レストランではメニューのbacalhoada(バカリョアーダ・タラ料理)という見出しの下にはサラダからグラタンやコロッケ,リゾット、スープなど様々な料理名が並ぶ。オリーブオイル、サフランやハーブなどを使っても、ポルトガル料理全般が日本人の口に合う素朴な味わいだ。
旅の途中、最も手軽に楽しめるのはタラのコロッケであろう。マッシュしたジャガイモに塩出ししたタラを混ぜ込んで揚げたものが街のスタンドや食堂のショーケースに並べられ何とも食欲をそそる。石畳の坂道を走る黄色いケーブルカー、壁のアズレージョ(装飾タイル)などを眺めながらコロッケをほおばれば、ポルトガルならではのそぞろ歩きとなる。
ポルトガルは約500年前から遠洋でのタラ漁を行っていたそうである。タラは捕獲の容易な魚であるが、日持ちが悪い。古くはウ"ァイキングたちが長い航海の間、干し物にして蓄えた。その後はスペインのピレネー山脈に住むバスク人達が更に日持ちを良くするために塩して加工し、交易品としても用いたそうだ。ポルトガル人も同じように塩蔵で持ち帰ったのであろう。
食材として広まった塩タラは、16世紀半ばに全ヨーロッパで消費される魚の6割を占めるようになり、北海の漁業権を巡っての「ハンザ同盟」や新たな漁域の発見に伴う「コッド・ラッシュ」なる言葉が世界史に登場する。
彼らがそれほどまでにこの魚に惚れ込んだのは、栄養素にある。脂肪分が少なく、魚には珍しくタンパク質の含有率も高い。これを干物にすると体重の大部分を占める水分が蒸発、濃縮されて80%の高タンパクになるという。保存の為に絞った人間の知恵が豊かな食材を生み出したようだ。
安くて高タンパク。畑の肉といわれる日本の豆腐同様、国民食として広く愛されてきたことがわかると、異国のタラ料理に親しみがわき、更に美味しく魅力的に感じられた。(さ)
いつもありがとう。Obrigado(オブリガード)!
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ポルトガルを代表する魚はタラ。これは塩漬けになっている干しタラで、365日違う料理を食べられるだけのレシピがある、いや1000を越える調理法があるなどと言われる国民食である。
街の食料品店の店先に大粒の塩がゴロゴロとついたタラ(写真)が山積みになっているのを見かけることも多く、レストランではメニューのbacalhoada(バカリョアーダ・タラ料理)という見出しの下にはサラダからグラタンやコロッケ,リゾット、スープなど様々な料理名が並ぶ。オリーブオイル、サフランやハーブなどを使っても、ポルトガル料理全般が日本人の口に合う素朴な味わいだ。
旅の途中、最も手軽に楽しめるのはタラのコロッケであろう。マッシュしたジャガイモに塩出ししたタラを混ぜ込んで揚げたものが街のスタンドや食堂のショーケースに並べられ何とも食欲をそそる。石畳の坂道を走る黄色いケーブルカー、壁のアズレージョ(装飾タイル)などを眺めながらコロッケをほおばれば、ポルトガルならではのそぞろ歩きとなる。
ポルトガルは約500年前から遠洋でのタラ漁を行っていたそうである。タラは捕獲の容易な魚であるが、日持ちが悪い。古くはウ"ァイキングたちが長い航海の間、干し物にして蓄えた。その後はスペインのピレネー山脈に住むバスク人達が更に日持ちを良くするために塩して加工し、交易品としても用いたそうだ。ポルトガル人も同じように塩蔵で持ち帰ったのであろう。
食材として広まった塩タラは、16世紀半ばに全ヨーロッパで消費される魚の6割を占めるようになり、北海の漁業権を巡っての「ハンザ同盟」や新たな漁域の発見に伴う「コッド・ラッシュ」なる言葉が世界史に登場する。
彼らがそれほどまでにこの魚に惚れ込んだのは、栄養素にある。脂肪分が少なく、魚には珍しくタンパク質の含有率も高い。これを干物にすると体重の大部分を占める水分が蒸発、濃縮されて80%の高タンパクになるという。保存の為に絞った人間の知恵が豊かな食材を生み出したようだ。
安くて高タンパク。畑の肉といわれる日本の豆腐同様、国民食として広く愛されてきたことがわかると、異国のタラ料理に親しみがわき、更に美味しく魅力的に感じられた。(さ)
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こんなに塩が浮いているとは思いもしませんでした!まるで冷凍して霜が付いてしまったような見かけですね。
さらささんの文章を読んで、ヨーロッパにおいて、海が無い国のみならず、海に面した国でさえ、なぜあれだけ鱈を使ったお料理が多いのかわかった気がしました。日本と比べ、獲れる魚の種類が少ないからだけではなく、栄養面でも立派な理由が存在したのですね。
それにしても、日本では鱈料理と言えば鍋か煮魚。
ちょっとアレンジしてもムニエルくらいが一般的。
同じイベリア半島のスペインに関しては、記事中、バスク人のことが書いてありますが、確か現在でもバスク料理では鱈を使ったものが多いと記憶します。
でもポルトガルの鱈料理の豊富さにはとても適いそうにないですね!
1000を越える種類の鱈料理があるなんて、ちょっと研究してみたくなりましたよ。
それにはまずポルトガルへ行って、その風土や料理に触れてみなければ…ですね!
さっそくお邪魔いたしました
実はellyさんのところで見かけて少し拝見させていただいていたのですがf^_^; 写真がステキだなぁと思っていました。
なんとなく直感で絶対ギリシャはステキに違いない!!と思っています。(これ、ポルトガルの記事なのにすみません)
旅行楽しんで行ってきます
私も初めて見たときは、びっくりしました。
そして海に囲まれて、魚介が豊富なポルトガルで
どうしてわざわざ塩蔵の干し鱈が国民食なのか・・
とても不思議だったのです。
安くて栄養価が高い、ということで普及したという理由には納得しました。
ポルトガル旅行は短かったので、いろいろな鱈料理を試すことができなくて残念でした。
日本にも『豆腐百珍』なる料理本があり、また豆腐料理だけの店(「笹の雪」でしたっけ?)もあるけれど、それ以上に広い家庭料理の世界がありそうで、私も興味津々です!
いつか是非、ポルトガルも旅してくださいね。
早々にいらしていだだき、嬉しいです。
wackyさんの直感は正しいし、きっとギリシャと何か
縁があるのでしょう。
カテゴリのギリシャ語のところをクリックすると、ギリシャの記事だけがまとまって出てくるので、お時間があるときに是非、また遊びにきてくださいね。魚のレストラン、ギリシャのお酒など旅の参考になるものもあると思います。
とにかく良い旅を!
楽しんできてくださいね。
1000種類のレシピってすごいですね~。
タラのコロッケ、食べてみたいな~、
出来立てなんてサクサクで
おいしいでしょうね!
しかも安くて栄養満点なんて、最高の食材ですね!ポルトガルだからやっぱりタラの天ぷら、なんていうのもあるんですよね(笑)?
いろいろなブログを、拝見している中で、ここへ寄らせていただきました。
世界のことが、いろいろ載せられていて、大変に、興味・関心をもちました。
これから、時折、拝見させていただきたいと思います。よろしく、お願いします。
旅行中に食べる機会はなかったけれど、
ギリシャにさえ干し鱈のフリッターがあったので
絶対に鱈の揚げ物、あると思います。
鱈のコロッケは、とても美味しいですよ。
作り方はリンクしているETHINOMANIAのellyさんが
詳しく説明してくださっています。おつまみ鱈を使った簡単アイディアコロッケは冷めてもいけるそう。
TBにもなっているので、是非、見に行ってみてくださいね!
立ち寄っていただき、またコメントまで残してくださってとても嬉しいです。
更新はゆっくりですが、どうぞまた遊びにいらしてくださいね。
後ほど、こちらからも伺いたいと思います。
これからどうぞよろしくお願い致しますね。
昔の航海の保存食の名残でしょうか!?
1000種類以上のレシピって言うのもすごいですね!!
日本人的考えで、お魚が美味しい国、他のお料理も期待できそうですよね♪
・・・とはいえ、私は生魚が苦手なんですけどね^^;
思わず近寄って写真を撮ってしまいました。
ポルトガルは、魚料理、肉料理、お菓子・・どれも
とても美味しいです。
覚えていますよ!suusuuさんが生魚、苦手なこと。
(ちょっと意外)
調理した魚介類もダメなんでしたっけ??