地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

パン

2007-05-28 23:46:45 | アラビア語(エジプト)

خبز (フブズ)

 エジプト人は「パン食い人」の異名を持つほど古代からよくパンを食べた。
  古代の神殿には、奉納したもののリストが沢山残っているが、パンのリストを見ると、その途方も無い数に、仰天する。一つのお祭りに何百万個というパンを奉納しているのだ。
 石臼で挽かれた粉には、砂や石が多く含まれていたため、ミイラの歯を見ると、ものすごく磨り減っているそうだ。
 現代エジプトにおいても、パンは主食である。
 一番早起きなのは、この国でもパン屋さんである。
 朝見るのは、畳一帖分もある大きな板の上にパンを並べ、これを片手で持って、自転車で配達するパン屋さん。
 朝と、昼食前は沢山パン屋が出ている。高級パン屋の白くてふかふかなものから、道端に並んだ、焦げ焦げ、ザラザラ見るからに砂いりパンまで、パン屋だらけである。
 アエイシュと呼ばれる、イーストの入っていないパンが、エジプト・パンと言ってよいだろう。丸くて、焼きたては風船のように膨らんでいる。これを半分に切って、中に空豆のコロッケや、ゴマペーストなどを入れてサンドイッチにする。また、このパンは、小さくちぎって丸めると、スプーンのようになるので、モロヘイヤなどをスクって食べる時も便利である。
 家庭での朝食では、とうもろこしの粉を使ったパンと言うよりも、ケーキのようなものをよく食べている。硬くなると、ミルクティにつけたりして食べる。
 私が居候していた家のお母さんは、一週間分のパンを毎週決まった日に焼いていたが、それだけでは足りずに、お父さんは仕事帰りに、よくパンを買っていた。家では焼かないエイシュ・バラディという、ドックパンのような細長いパンを、スーパーの袋いっぱいに買ってくる。すると子どもは大喜びで、たて笛を吹くように持って、食べていた。
 このほかにも、パンの種類は豊富である。古代のファラオは、蜂蜜入りのパンが好きで、虫歯に悩まされたようだ。蜂蜜パンは、現代エジプト人も大好き。パンにつけるソースやジャムの中に蜂蜜もよく登場する。[a]

古代のパンを再現して食べたいな!
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2007-05-23 23:44:23 | アラビア語(エジプト)

ربيع (ラビーア)

 エジプトで春の到来を感じさせるものと言えば、風と魚の塩漬である。
 خمسين(ハムシーン)と呼ばれる、砂漠から吹いてくる温かい南風が吹くと、春から初夏になってくる。50日間続けて毎日吹く風なので、50、ハムシーンと言う。
 ただ吹くだけではない。ものすごい突風である。死者が出る事もあるので、50日が早く過ぎ去るのを人々は切実に祈っている。
 解かりやすいと言うか、なんというか、芸がないのがアラビア語である。(もちろん、そうとばかりもいえないが)何しろ、サハラ砂漠のサハラが、「砂漠」の意味である。カイロ中心にある島はゲジーラ島と、訳されているが、何のことは無い、ゲジーラとは「島」のことである。
 イスーラム色の濃い印象のあるエジプトだが、生活の中に入り込むと、古代エジプトが生きている。何しろ彼らは、食生活が古代とほとんど変らないため、体型も昔からほとんど変化していない、珍しい民族でもある。
 古代エジプトのお祭りが、現代の祝日にまだ残っている。この祭りは、イスラーム教徒のみならず、エジプトのキリスト教徒たちも祝っているところからも、彼らが代々大事にしてきた祭りであることをうかがい知ることができる。
 
شم النسيم(シャンム・ナシーム)という「春香祭」は毎年移動する祝日なので、エジプト人でも「え!?今日!」と言う事もあるらしい。(2007年は4月9日)
 春の到来を告げる祭りの日、人々はピクニックなどに出かける。そして、この日に食べるのが、フィシークと言う魚の塩漬けである。ボラを塩とニンニクで、内臓ごと、数ヶ月漬け込んだものである。日本で言えば「なれ寿司」のようなものだ。
 犠牲祭の終わった頃から、このフィシーク屋がスークに顔を出し始める。その前を通ると、強烈な匂いがする。この匂いがすると「春遠からじ」と思う。
 エジプトはもう夏。いつの日か、ハムシーンを避けて、春香祭の日に行って見たいものだ。[a]

魚の塩漬けはまだまだ、食べごろ。舌鼓を打ちながらクリックもしてね!
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2007-05-06 23:24:22 | 英語

rain(レイン)

 子どものころ、雨の日は踊る日だった。
 日本の雨は、しとしとジメジメして、暗い感じだった。しかし、雨のイメージをがらりと変えたアメリカの映画があった。『雨に唄えば』を見た私は、その日から雨が大好きになった。雨の日は、洗濯物をくぐりながら、家中を踊りまわった。

   I'm singing in the rain
   Just singin' in the rain
   What a glorious feeling
   I'm happy again

 ♪私は雨の中で唄っています。雨の中で唄うのは、なんと素晴らしいことか。私は、とても幸せになることができる♪
 どんなに悲しい時も、ざんざんぶりの雨の中に飛び出して、わんわん泣きながらこの歌を歌っていると、だんだんいろんなことが、たいしたことなくなってくる。
 
   I'm laughing at clouds
   So dark up above
   The sun's in my heart
   And I'm ready for love

 ♪私の心に太陽がある♪
 そう思うことで、心の中の雨も、真っ黒な雲も一掃されてしまう。

   Let the stormy clouds chase
   Everyone from the place
   Come on with the rain
   I've a smile on my face
   I walk down the lane
   With a happy refrain
   Just singin', singin' in the rain
   Dancing in the rain
      I'm happy again
      I'm singin' and dancing in the rain
      I'm dancing and singin' in the rain 
 
 これから、雨の季節。うっとおしい季節に憂鬱になりがち。でもこの歌を口ずさめば、心晴れやかになること間違いなし。[a]

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