地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

クリスマス

2006-12-31 01:39:50 | スペイン語

Navidad(ナビダ)

 時差のある地球散歩です。とはいえ、現地はまだまだクリスマス。
 1月6日までにスペインに行かれる方に、とっておきの言葉をプレゼントします。
 クリスマスシーズンの休日はハロウインさながらの光景が展開されるという。ドアのノックで表に出ると、子どもが手を出して「¡Aguinaldo!」(アギナルド!=クリスマスプレゼント)
と叫ぶ。お金をあげると、子どもたちは「¡Felices Navidad!」(クリスマスおめでとう!)と返事をして、お返しにクリスマスカードをくれるそうだ。こんな光景が今まだスペイン中で続いていることを願う。
 スペインでは本来サンタクロースは来ない。しかし昨今は、世界に倣いやってくるそうだ。
 クリスマスは、子どもを楽しませるだけでなく、重要な宗教教育の場でもある。べレンとはベツレヘムのスペイン語読みであるが、キリスト誕生の場面を再現したジオラマのことも指している。
 子どもたちはクリスマス・イヴ、まずは馬小屋から作り始め、三賢者を小屋から遠いところに立たせる。
 1月5日の夜、三賢者はイエスのところへ現れ、贈り物をしたとされる。そのため、1月5日に小屋にたどり着くように三賢者の人形を 毎日少しずつ動かしていく。
 元旦ごろに子どもは賢者に宛てて手紙を書く。手紙には平和への祈り、自分の近況に即した反省と希望を書く。そして、プレゼントにほしいものを書いて封をする。
 封をする時はドキドキである。その年一年、いい子にしていて勉強もした子はいいが、そうでなかった子は、深く反省し、来年はいい子になりますと賢者に約束する。そうしないと、プレゼントは炭になってしまうのだ。
 悪い子には木の枝など、ショッキングなプレゼントがヨーロッパには多い。この悪い子のプレゼントは、子どもにとって、一生忘れられない記憶となるので、親はよほどしっかりとした考えを持っていない限り、これを選んではならないともいえる。
 6日の朝、プレゼントを発見。昼食後のデザートにロスコン(Roscon)というケーキを食べる。ケーキの中には人形などが入っていて、人形などが入っている一切れにあたった人はその年の幸運を引き当てたことになる。
 夕方はカバルガータ(Cabalgata)という行列が行われ、らくだを連れた三賢者が、子どもにお菓子などのプレゼントをしながら練り歩く。こうして、スペインのクリスマスは終わりを迎えるという。

 私も経験したいスペインのクリスマス。あなたは?
 スペインのクリスマス祝歌、ビジャンシーコ(Villancico)を聞きながら、初夢に期待!
 今年も一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いしますね![a]
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クリスマス

2006-12-26 15:35:22 | ポルトガル語

Natal(ナタウ)

 日本にいると忘れてしまいそうになる、クリスマスの本当の意味。しんと冷え込む夜の街に点滅するイルミネーションやショーウインドーの装飾は私たちを華やいだ気持ちにさせる。宗教的背景が違うからそれで十分かもしれない。でもキリストの誕生を祝う神聖な日であることを心のどこかにとめておきたいといつも思う。

 臨月のマリアは夫ヨセフと共にユダヤのナザレから住民登録の為にベツレヘムへと旅立つ。登録のために人出が多く、宿はどこも一杯。産気づいたマリアが立ち寄ったのが馬小屋。牛や馬、羊が見守る中、イエス・キリストが誕生した。夜空には天使が歌い、大きな星が輝いて救い主の生誕を人々に知らせ、それに導かれて東方三博士が祝いの品を持って訪れた聖なる夜だ。

 リスボンの博物館で、聖夜を描いた美しいアズレージョ(装飾タイル・写真)に出会った。街のあちらこちらで出会うことが出来るタイルはポルトガルを代表する伝統工芸。旅情とせつなさを誘う青と白の魅力は言うまでもなく、落ち着いた色彩を使った優品も沢山ある。(アズレージョに関してはポルトガル語「花」の記事をご覧ください。)

 命の力と希望、ぬくもりに満ち溢れている赤ちゃんの誕生。そこに聖夜としての風格が備わったアズレージョは、まさに一幅の絵画である。かつては教会の祭壇画として用いられたという解説があり、無名のタイル職人の手による作品であることを知った。深い信仰によって成し遂げられた仕事である。(さ)

いつもありがとう!Obrigado(オブリガード)                            

25日が過ぎて日本はお正月一色ですが、欧州では1月 6日までクリスマスの装飾もお祝いムードもそのまま。『地球散歩』もクリスマスの記事が続きます。ヨーロッパを旅している気分で、またのお越しを!お帰りにはクリックもお忘れなく。

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ワイン

2006-12-06 14:53:53 | ギリシャ語

Κρασι(クラスィー)

 ギリシャワインは素朴で葡萄の風味を残した味わいを持つ。とても美味しい。街のΚΑΒΑ(カバ・酒屋)やスーパーのリカーコーナーにはギリシャ各地で生産されている様々なワインの瓶が揃い、また樽があってペットボトルに好みのものを量り売りしてくれる。新鮮なオリーブオイルを使った料理の並ぶ食卓に欠かせない。

 ギリシャ神話には葡萄酒の神・ディオニソスがいて、ワインは彼からの贈り物だ。アテネの考古学博物館に行くと、大理石の眉目秀麗なディオニソス像に会うことができる。酒杯を持ち、髪は葡萄の房で表現されているので、すぐにわかるだろう。男神であるのに、どこか優美でしなやか。小さな像とはいえ、思わず足を止めてしまう魅力を持っている。この神様はイタリアでは「バッカス」と呼ばれ(ラテン名)、ミケランジェロやカラヴァッジョ、ティントレットなど名だたる芸術家達によって彫刻や絵画に表現されている。

 ワインと神話でもう一つ。子供達に人気が高い力持ちで勇壮なヘラクレスがライオン退治をした場所と伝えられるネメアは赤ワインの産地として有名である。アテネから車で1時間半程の距離、葡萄畑の中に神殿や競技場の遺跡を抱く地。ネメアの赤ワインは神話にちなんで「ヘラクレスの血」と呼ばれているそうだ。ちょっとグロテスクなネーミング?それとも神話が息づいていると感じるであろうか。グラスに映る深いルビー色と、どっしりと野趣に富んだ風味を肉料理と共に愛でればヘラクレスの御利益か、元気が湧いてくるような気がする。ライオン退治の様子を描いたラベルが目印の「ΗΡΑΚΛΗΣ(ヘラクレス)」はお土産にも最適。

 知名度の低いギリシャワインであるが、日本の大手スーパーや酒の量販店などにひっそりと並んでいることがある。先日はクレタ島の「ΚΡΗΤΗΚΟΣ」(クリティコス)を発見。ラベルになっている絵はクノッソス宮殿のフレスコ画、エジプトとの交易の影響を感じさせる画風は古代のギリシャ美人達である。懐かしくて思わず購入してしまった。(さ)

 いつもありがとう。Ευχαριστω !

何度も訪ねてくださった方々、なかなか新しい記事が書けず申し訳ありません。これに懲りずに是非またお越しください。皆様のところにも近々伺いますね。しっかり更新するように!と「喝!」のクリックをお願い致します。

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