地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

新年

2005-12-31 05:34:05 | ギリシャ語
Προτοχρονια(プロトホロニャー)

 ギリシャの新年は1月6日の顕現祭(キリストが洗礼を受ける日)までツリーなどの飾り付けもそのままで、キリスト教関連行事の流れの中にあるような感じ。新しい年の幕開けには花火が上げられ、ミサが行われる。
 元旦でもっとも印象的なのは、子供達がプレゼントを開ける日であること。ギリシャではクリスマスイブのサンタクロースではなく、「バシリス」という聖人からの贈り物が新年を迎えた頃に届く。
 昔々、貧しい人にいつも施し(大きなパンを焼いて分け与えた)をしていた心優しい人「バシリス」を教会で聖人として扱うようになり、子供達へのプレゼントを届ける役割も担うようになる。彼のネームデー(ギリシャでは誕生日よりも重要視される名前を記念するお祝いの日)の1月1日が子供達に夢と喜びを与える日となったそうだ。
 サンタ伝説も国によって様々。例えばヨーロッパでは、イタリアがベファナ、スゥエーデンがトムテンなど届けてくれる人の名前もプレゼントが届く日(イブ、元旦、顕現祭)もそれぞれである。

 さて、このバシリスは新年に家族で食べるケーキの名前「バシロピタ」にもなっている。クリスマスのクラビエデスなどと同じように新年には欠かせない大切なケーキである。バター(あるいはオリーブオイル)をたっぷりと使った生地にオレンジの皮のすりおろしや絞り汁で風味を加えた、どちらかというと「どっしり」した感じの食感。焼き上がったケーキの上部には、新しく迎えた年度をメインの飾りとして粉砂糖やチョコを使って書く。来年だったら「2006」という具合。
 そしてこのケーキを焼く時、タネの中にアルミホイルに包んだコインを入れるのがポイント。まずキリストに、次は家に、そして家族にという順番で切り分けたケーキを食べ、コインが当たった人はその年、幸運であるという。
これから始まる日々への期待や幸せへの予感・・。新しい年の幕開けだからこそ、改めて抱くことができる前向きな気持ちを大切に歩いていこう。(さ)


Την προτοχρονια το πρωι τα παιδια θα βρουνε τα δωρα
κατω απο το Χριστουγεννιατικο δεντρο η το τζακι.
(ティン プロトホロニャー ト プロイ タ ペディアー サ ブルーネ タ ドラ カト アポ ト
クリストゥゲニアティコ デンドゥロ イ ト ザキィ)
新年の朝、子供達はクリスマスツリーか暖炉の下からプレゼントを見つける。

Αυτα τα δωρα ειναι απο τον Αγιο Βασιλη.
(アフタ  タ ドラ  イネ  アポ トン  アギオ  バシリー)
このプレゼントは聖バシリスから贈られたもの。

Ολοι η οικογενεια θα φανε βασιλοπιτα.
(オーリ イ イコゲニア  サ  ファネ  バシロピタ)
全ての家族はバシロピタを食べる。

Μεσα υπαρχει τυχερο νομισμα.
(メサ  イパルヒー トゥヘロ  ノミスマ)
中に幸運のコインが入っている。

*新年にまつわるギリシャ語*
 Χρονια Πολλα(ホロニャポラ)・・「おめでとう!」(この場合、新年の挨拶)
  ギリシャ語の「X」の発音は「ホ」と「フ」の中間のような音です。
 Αγιος Βασιλης(アギオス・バシリス)・・・聖バシリス
Βασηλοπιτα・・・バシロピタ

一年間ありがとうございました! Ευχαριστω πολυ!(エフハリスト ポリ)
いつも読んでくださる方々のおかげで頑張ってくることができました。
今後ともよろしくお願い致します。
皆様、どうぞよいお年をお迎え下さい。
新しい年のご健康とますますのお幸せを心からお祈りしています。

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クリスマス

2005-12-29 15:44:26 | イタリア語
Natale(ナターレ)

 イタリアのローマにはたくさんの広場がある。バルベリーニ、リパブリカナ、コロン、ポポロ、ベネチア。中でも広場の雄と見られるのはナヴォナ広場である。
テヴェレ川が大きくS字形にくねるあたり、サンタンジェロの城の前の橋を渡るとヴィットリオ・エマヌエルⅡ世通りに連なる。その大通りから少し左に入ったところにその広場はある。ソーセージの形とも楕円形とも言われる広場は長さが250mばかり、幅が50mほどでナボナといわれるオベリスクが建っている。ベリニーニが製作した四大川、ナイル、ダニューブ、ガンジス、プラタを象徴する彫刻が飾ってある。この広場はローマ子にとって大事な広場である。いろんなデモの集会からクリスマスの飾り物、新年の飾りものなどが売られておりその節は大賑わいである。東京浅草の羽子板市、お酉様の賑わいと同様である。
イタリアのクリスマスは静かである。教会のミサに参加し、イヴは家庭内で静かに過ごす。クリスマスにはキリスト降誕の儀式を行う。夜の12時すなわち25日の午前零時を時報が告げるときにクリストの生誕の姿をした人形をコルクで出来た質素な羊飼いの小屋の中のゆりかごに厳かに安置してクリスマス・キリストの降誕が完成される。この一連の道具を売っているのがナボナ広場である。そして大晦日から新年、ナボナ広場には老若男女が集まる。若い男たちはこれぞと思う美女のお尻を紙の棒で叩いて歓心を示すのである。たたかれて上がる悲鳴は痛さのためではない、嬉しさの喚声である。かっては大晦日から新年にかけて窓から瀬戸物やガラスのビンなどが投げ落とされて大きな騒音を発していた。危険だと禁止になってと聞いているが、爆竹は今でも健在であろうか!(P)

どうぞ良いお年を!
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クリスマス

2005-12-19 08:38:50 | ギリシャ語
Χριστουγεννα(クリストゥーゲナ)

 ギリシャでもクリスマスは大切な行事の一つ。11月後半くらいから街にクリスマスの飾り付けが行われ、シンタグマやオモニアの広場の中心には大きなクリスマスツリーやメリーゴーランドが登場する。
 青い空と海のイメージがあるため「冬も暖かいの?」とよく聞かれるが冬は寒い。雨が降るのはこの時期。そして冷え込むと雪に変わることもある。街で雨でも山の方は雪だったりする。アテネは三方をなだらかな山に囲まれた古都。高層建築がないため街中のアクロポリスやリカビトスの丘からは、なだらかな山の稜線を望むことができるし、冷え込んだ翌日のうっすらとした雪化粧も一興。

 そんな冬景色を思わせるギリシャのクリスマス菓子が「クラビエデス」。街のあちこちの菓子店Ζαχαροπλαστειο(ザハロプラスティーオ)のショーウインドーに白いクラビエデスが山型に飾られるとクリスマスが近くなってきたことを感じる。ギリシャの友人に聞くと丸く平たい形を一つづつ積み上げるのは、やはり「冬の山」をイメージしているそうだ。
 バター、砂糖、卵黄、粉にしたアーモンド、香りづけのブランデーを使って焼き、粉砂糖をたっぷりふって仕上げる。食感は軽く、ほろほろと口の中で溶けるお菓子だ。店によって味も様々。山羊バターを使ったものは独特の香りがするし、アーモンドを砕く加減もいろいろ。
 もう一つ、クッキーを焼いた後シロップに漬けた「メロマカロナ」が伝統的なクリスマス菓子である。バターの代わりにオリーブオイル、安くて新鮮なオレンジから絞った果汁、蜂蜜とギリシャの特産物を材料に生かしている。クラビエデスと比べると、どっしりと重く好対照のクリスマスコンビ。どちらも昔ながらのレシピを守って、家庭では主婦が手作りをしている。
 「カラ・クリストゥーゲナ(良いクリスマスを!」と言って友人や隣人が届けてくれた懐かしく、温かい思い出のクリスマス菓子。今年は堅めに焼いたクラビエデスが航空便で届いた。(さ)
 

Χριστουγεννα ειναι μεγαλη γιορτη στην Ελλαδα.
(クリストゥ-ゲナ  イネ  メガーリ  ヨルティー  スティン  エラーダ)
クリスマスはギリシャで大きな祝いの日。

Ολοι ανθρωποι γιορταζουν τη γεννηση του Χριστου.
(オーリ  アンスロプー  ヨルターゾン ティ ゲニースィ  トゥ  クリストゥー)
全ての人がキリストの誕生を祝う。

Η μητερα του Χριστου ειναι η Παναγια που γεννησε το μωρο της σ'ενα σταβλο.
(イ  ミテラ トゥ クリストゥー  イネ イ パナギア プー ゲニーセ ト モロー ティス セナ
  スタブロー)
キリストの母は聖母マリア、馬小屋で赤ちゃん(キリスト)を産んだ。

*ギリシャ語メモ*

 γιοριη <ヨルティー>祝い ανθροπου<アンスロプー>人々
γεννιση <ゲニースィ>誕生 μητερα<ミテラ>母
Παναγια <パナギア>聖母(マリア) μωρο<モロー>赤ちゃん


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皆さん、Καλα Χριστουγεννα (カラ・クリストゥーゲナ)良いクリスマスを!

クリスマス

2005-12-12 14:46:55 | ポルトガル語
Natal(ナタウ)

 クリスマスの頃のリスボンを訪ねた。キリスト教を信じる人にとってクリスマスは大切なお祝いの日である。
 「キリストの生誕を祝う」という明確なものがあるので日本のお祭り的なものと違い、華やかな中にも厳かな空気が漂う。特に夜は派手なネオンはなく、街の中心部の通りの上には星やツリーに下げる丸い飾りなどをモチーフにした単色の電飾が密に続く。夜の闇に沈む古い石造りの街並みや石畳の中、この単色の光のトンネルは何とも静かな祝いの雰囲気。

 そしてこの時期、街のショーウィンドーは、どこも様々な趣向を凝らし洗練されている。中でも目を惹いたのは「キリスト生誕の聖なる夜」の人形飾りであった。生まれたてのキリスト、マリア、ヨセフ、時にはお祝いに駆けつけた3人の博士、天使、馬小屋の牛や羊まで揃っているものもあった。店先だけでなく勿論、教会の祭壇の前にも飾られていた。キリスト教の国であることと日本では忘れられがちなクリスマス本来の意味を実感。
 
 写真はリスボンの「サンロッコ教会」祭壇前。この教会にはキリシタン大名がローマ法王のもとに送った天正遣欧使節団が立ち寄ったそうである。はるばる日本から来た16世紀の少年達はどんな思いでリスボンの街を歩いたのだろうか。(さ)


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2005-12-05 22:40:06 | アラビア語(エジプト)
 زهر(ザハラ) 
 アラブ世界で花といったら薔薇。薔薇の原産地はイランである。原種の薔薇は一重で素朴なものが多い。そして香り高い。
 アラブで薔薇水は欠かせないものの一つである。化粧水からジュースにいたるまで薔薇の香りで一杯だ。アラビアンナイトの世界では、美姫が薔薇味のシャーベットを食している。
 サウジアラビアでは、お祝い事があると国中の噴水に薔薇水を入れ、町じゅう薔薇の香りに包まれるという。
 スペインはアンダルシアにあるメディナアサーラというイスラム王朝時代の都。今は見る影も無いが、かつてはアーモンドの花が咲き乱れる王宮であったという。メディナアサーラはマディーナ・アルザハラ(口語だとマディーナトゥルザハラ)がスペイン風に訛ったもの。スペイン語ではZをサ行で読むことからザハラがさーらになったと思われる。花の都という意味である。
 エジプトでは薔薇が安い。一輪10円ちょっとである。たくさん買い込んで、ホテルの部屋を薔薇の香りで一杯にすることも可能だ。乾燥しているので、ドライフラワーも簡単にできる。問題は綺麗で美しいものがすきなのは、人間だけではないこと。小さな毛虫もおまけについてくる。そして、原種に近いバラは、とげが鋭い。品種改良された現代の薔薇は、はさみの付け根でしごくように茎を滑らせると簡単にとげが落ちる。しかし、ここの薔薇は違う。それはもうハリネズミの如し。
クレオパトラも愛した薔薇は、今なお香り高く、そしてとげを秘めている。[a]

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