7月30日(土)大阪九条のシネ・ヌーヴォでの浪花の映画大特集で
『どついたるねん』(‘89)、『王手』(’91)『ビリケン』(’96)と
阪本順治監督の新世界三部作の一挙上映があり、
阪本監督のトークショーが開催されました。その概要を2回に分けてご紹介します。~~~~~~~~~~
◎『どついたるねん』のこと
『どついたるねん . . . 本文を読む
高槻の映画館が、9月末をもって、やはり閉館することとなったそうです。今、映画館のブログを読んで、ちょっと泣きたい気分。昨年末、「高槻セレクトシネマ」として生まれ変わって以来、日本の名女優、監督など、本当にオリジナルな特集を組み大阪市内のミニシアターで上映された秀作上映をそろえたり、新作にあわせた監督の旧作上映を企画したり、といまどき珍しい、映画館らしい映画館で映画ファンにとっては、これ以上にない有 . . . 本文を読む
大阪九条のシネ・ヌーヴォで始まった「浪花の映画大特集」の1本。谷崎潤一郎の原作「春琴抄」を伊藤大輔監督、京マチ子が盲目の娘お琴を演じた(1954年)。35年の「春琴抄 お琴と佐助」(島津保次郎監督 田中絹代)に続く2度目の映画化。山口百恵、三浦友和の76年の『春琴抄』(西河克己監督)が記憶に新しいが、どちらも未見で、比較ができないのが残念。
上映は16ミリで、少しザーというフィルムの走行音が入る . . . 本文を読む
土佐の剣士、岡田以蔵(人斬り以蔵)を勝新太郎が演じる。武市瑞山(半平太)に仲代達矢。勝が演じることで、腕っ節はあるけど、賢く立ち回れず、仲代を師と慕い、知恵者の仲代には、いいように使われ、やがて捨てられる組織の末端の武士の悲運が、鮮烈なイメージを残す。ラストは、磔でも、これでやっと人間に戻れるという笑みが勝の顔に浮かぶ。なんとも壮絶なドラマ。
以蔵は、武市の門下に入り、「お前の剣は邪険だから」と . . . 本文を読む
大阪で、原田芳雄さんの追悼上映が急遽決まったそうなので、早速お伝えします。
7月30日~テアトル梅田
8月6日~シアターセブン(七芸と同じビルの下の階です)
9月17日~第七芸術劇場
このほか、シネマート心斎橋、京都シネマ、
神戸アートビレッジセンターでも上映されるそうです。
★テアトル梅田
7/30(土)~8/12(金)の2週間。
■上映作品・期間
「反逆のメロディ」( . . . 本文を読む
「♪ 私があなたに惚れたのはちょうど十九の春でした~いまさら離縁というならば、もとの十九にしておくれ~」沖縄民謡「十九の春」を、撃たれて、瀕死の原田芳雄が口ずさむ。その歌を聞きながら、倍賞美津子が、機関銃をぶっぱなして地元のやくざたちを撃つ。原田さんの声はどこか温かくて優しくて、泣ける。九条シネ・ヌーヴォでの反原発×映画特集の1本。昨日は『原子力戦争』(黒木和雄監督)。両日とも、8割以 . . . 本文を読む
昨日から始まったヌーヴォでの「浪花の映画大特集」の1本。お徳が、赤ん坊をあやしながら土手を歩いていくと芝居が終わり芸妓と遊んで、人力車で帰って来る菊之助とすれちがう。菊之助が車を降り、二人並んで歩いて帰るのを、ワンカット長回しの横移動でとらえる。途中、風鈴売りとすれ違ったりしながら、お徳は、他人はちやほやしても、今日自分の目で確かめたら、坊ちゃんの芝居は巷の不評という評判どおりで、精進が必要だと、 . . . 本文を読む
原田さんの遺作をスクリーンで観ようと中高年齢の方々が駆けつけ、杖をついたおばあちゃんが結構、目についた。きっと映画館で映画を観るのも久々なのだろう。隣のおばちゃんたち3人は、結構、これは、というシーンのたびにしゃべったりしてたのだが、それも、大鹿村の歌舞伎のノリ。原田さんは、やっぱり、あの独特なしゃがれ声といい、アウトローが似合う。『奇跡』でもそうだったけど、定年退職して自転車置場で監視の仕事しな . . . 本文を読む
追伸(7月22日)一夜明けて、高槻セレクトシネマのブログをみたところ閉館とのお知らせは、「思わぬところで混乱が生じたらしく、一旦情報を引かせていただきます」とのことでした。高槻の希望の星とも呼びたい映画館の灯が絶えませんよう祈ります。
(7月21日)何気なくツイッターを見ていたら高槻セレクトシネマが9月末で閉館とのお知らせが…。新たなオープンをして、岩下志麻、新珠三千代、長門裕之の . . . 本文を読む
ちょうど土曜日から『大鹿村騒動記』(阪本順治監督)が公開されたばかりで早く観たいと思っていたところ、台風の気配をほとんど感じさせない大阪で、夕刊の、なでしこジャパンの喜びの記事の横に原田さんの訃報を見つけた。思えば、2010年秋の京都映画祭でゲストとして祇園会館!に来られて山根貞男さんを相手に、当時の女装の話だとか、楽しく語らってくれた。その中にも、いい言葉だなと思うことがいくつもあってざっくばら . . . 本文を読む
人生は引き返すことの出来ないもの、という悲しみが、ずしりとおおいかぶさってくる。その中で、スタンリー・マイヤーズのテーマ曲「カヴァティーナ」のギターが、そっと寄り添うようにして、優しく語りかけ、慰めてくれる。午前十時からの映画祭の1本。タイトルの意味は鹿狩り。前半、仲のよい男六人のうちの一人の結婚式が描かれ、本当に楽しそうな、酔っ払っての馬鹿騒ぎ。鹿狩りが楽しみで、結婚式の翌日も、ライフルを持って . . . 本文を読む
神戸映画資料館で、連続講座「映画批評 新しい映画と観客のために」が始まり第1回目の今日は、葛生賢さんの「ドキュメンタリー映画を考える」。
4時間半以上にわたるものだったが、内外のドキュメンタリー作品の断片をたくさん見せてもらい、なかなか興味深いものだった。
『福島の原子力』(1985年27分カラー)という東京電力企画、日映科学製作所がつくった、1966年12月から建設が開始した福島原発が完成す . . . 本文を読む
イングリッド・バーグマンが、らせん状の階段を駆け下りていく青年アンソニー・パーキンスに向かって「私は年なのよ」と叫ぶシーンがある。このセリフがなんとも痛切に響く。私も年だから…だろうか。
結婚に失敗し、今は、室内装飾の店を営みながら、ロジェ(イヴ・モンタン)と5年越しのつきあいを続け、互いに自由な関係を謳歌していたはずの40歳のポーラ。偶然会った25歳のフィリップが、ポーラの美しさ . . . 本文を読む
長門さん特集の1本。石原慎太郎が芥川賞を受賞した短篇小説の映画化で、小説のヒットとは逆に、映画の評価はあまり芳しくないよう。でも、主演の長門裕之と南田洋子の存在感は逸品だと思う。
洋子さんは、お人形のようにきれいで二人とも、裕福な家庭の息子と娘という設定。
若者たちが街で女の子に声をかけ、バーでお酒を飲んだり、ダンスしたり、海でヨットに乗ったり、とそんな浮かれ騒ぎの中で二人は出会い、恋に落ちる . . . 本文を読む
「あいつはきかんぼうだから」長男の長門裕之が、よその家に預けられていった弟のことを心配して言うセリフ。
1959年今村昌平監督。高槻セレクトシネマで始まった長門裕行さん追悼小特集の1本。長門さん25歳の作品。弟や妹を気遣いながら懸命に働く長男の喜一を演じ、好演。元気で生き生きしていて、でもどこか寂しげなところがいい。
タイトルのにあんちゃんとは、二番目の兄ちゃんのこと。佐賀の小さな島の炭坑が舞 . . . 本文を読む