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No72「シャイン」スコット・ヒックス監督

ファーストシーン。 早口でわけのわからないことを 唱えている男の横顔。 激しい雨。 一気に観客を映像世界に引き入れる 見事な導入。 主人公は精神を病んだ男、デイビッド。 ピアニストとして将来を嘱望されながらも 過酷なピアノの練習で 彼の運命は一変した。 しかし、長い暗闇の時期を経て、 妻や仲間の力を得て 初めてリサイタルを開き、 無事、演奏を終える。 これは、実在のピアニスト、 デイヴィッド・ . . . 本文を読む
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No71「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたの12か月」ビーバン・キドロン監督

前作の大ヒットから4年。 期待の2作目。 しかし、期待に反して脚本の練りが甘い。 本作のブリジットは、放送局のレポーター。 いつものドジやギャグも楽しいけど、 少し大げさで、無理があり、 作為を感じた。 ヒュー・グラントの役どころも中途半端で 人間味に欠ける。 日常の微妙な感情の起伏を紡ぎ取るような 繊細さが足りない。 と、文句を書いたが、 ブリジットを演じる レニーゼルヴィガーは、 前作に . . . 本文を読む
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No70「カナリア」塩田明彦監督

家出した少女由希を演じる谷村美月の 子どもなのに、ふっと大人のような表情を見せる、 危なっかしい存在感がすばらしい。 華奢で、不安定に見える体に、長い手足。 彼女の目は、 まるで、心の底まで読めるんじゃないか、と思うくらい、 力があって、魅力的。 ぽんぽんと突き放したように、 早口の大阪弁でしゃべる勢いに圧倒される。 親と一緒にカルト教団に入っていた少年、光一は、 教団の崩壊で、養護施設に入れら . . . 本文を読む
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No69「火火」高橋伴明監督

一人の陶芸家として、母として たくましく強く生きる実在の女性、 神山清子を田中裕子が熱演。 何があっても、弱音を吐くくらいなら、 少しでも前に一歩踏み出そうとする生き様に、 圧倒された。 息子の若手陶芸家で、白血病となる浩一を演じる 窪塚俊介が、熱演。 病と、自分の運命と精一杯闘う姿には、 涙があふれる。 おばさんの骨髄を移植されたものの、 拒否反応の苦しさに、のたうちまわる彼の顔は 真っ赤で、 . . . 本文を読む
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No68「故郷の香り」フォ・ジェンチイ監督

クライマックスで 耳が不自由で口の聞けないヤーバを演じる 香川照之の、演技がすばらしい。 身振り、手振りで、 必死に妻のヌアンに思いを伝えようとする姿からは、 妻を大切に思う彼の思いが とめどなくあふれてきて、 まさに映画的瞬間。 香川くんは、中国映画「鬼が来た!」でも 見事な演技達者ぶりを披露したが、 本当に、表情がよく、目に力のある役者さんだ。 監督は、 「山の郵便配達」で 父と子の心のふ . . . 本文を読む
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No67「サイドウェイ」アレクサンダー・ペイン監督

離婚して2年経つのに、まだふっきれずにいる、 ワインには詳しいけど、ちょっとさえない教師マイルス。 1週間後に結婚を控えた、二流俳優で尻軽のジャック。 まるで性格の違う二人の男の珍道中。 ワインが目的といいつつも、 実は、どこかで女性との出会いを期待している二人。 ユーモアあふれる掛け合いがいい。 とりわけ、ワイン畑や、ゴルフ場やらで、 あたふたと二人が駆けていく姿は 大笑いした。 そうして、 . . . 本文を読む
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No66「ニワトリはハダシだ」森崎東監督

一風変わった映画の題名は、 パンフレットによると、 「東北に古くからある民謡の一節にある言葉」で 「“わかりきったことのたとえ”」を意味すると同時に 森崎監督いわく、 「誰もが自分の人生哲学を持って生きているということ」 とある。 登場人物が、皆、喜怒哀楽に富んでいて、 悪役も含め、生き生きしている。 見事な群像劇。 知的障害のある息子の勇(愛称:サム)が 思いきり明るくていい。 サムの父親 . . . 本文を読む
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No65「きみに読む物語」ニック・カサヴェテス監督

材木置き場で働く青年ノアが ある夏、 避暑に来ている、 裕福な家庭の娘、アリーと恋に落ちる。 若い二人の熱い青春。 ノアが、アリーを自宅に送り、 玄関で待っているとき、 母親の声が聞こえてくる。 「あの子は、いい青年だけど、くずよ(trash)」 母に口答えする恋人の声も聞こえてくるが、 彼は、そのとき、どんなにつらかったろう。 悲しさを忍び、そっと去ろうとするノア。 ノアの優しさ、純粋さ、謙虚 . . . 本文を読む
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No64「パッチギ!」井筒和幸監督

舞台は、1968年の京都。 ラジオ放送局の生録音のスタジオで 「イムジン河」を歌う主人公を、 「北朝鮮の歌で、要注意歌謡曲だから」と、止めようとする上司に、 「ドアホ!どんな理由があろうと、 歌ったらあかん歌なんかあるわけないやろ!」と ディレクター(大友康平)がつっかかる。 思わず目頭が熱くなった。 青春真っ只中の男子高校生たちの パワーがスクリーンに炸裂する。 強面で、暴力ばかりふるうが、 . . . 本文を読む
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No63「タイマグラばあちゃん」澄川嘉彦監督

舞台は、岩手県早池峰山の山麓の開拓地。 戦後、入植した人々も 冬の厳しい寒さに、次々と山を下り、 とうとう主人公のばあちゃんとじいちゃんの2人きりになった。 里まで10キロ。 昭和63年まで電気も通らなかった土地で 91歳のじいちゃんと、68歳のばあちゃんは たくましく生きてきた。 本作は、 テレビ番組の撮影で、二人と出会った監督が じいちゃんの亡くなった後の ばあちゃんの映画を撮るために 同じ . . . 本文を読む
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No62「ボーン・スプレマシー」ポール・グリーングラス監督

夜の交差点で、 目の前を高速で通り過ぎる車の光の洪水に 飲み込まれそうになる。 そんな感覚の映画。 スピーディな映像展開。 なかでも クライマックスのカーチェイスの迫力は 半端じゃない。 目の前で一体、何が起こっているのか、 呆然としてしまった。 カメラワークの凄いこと。 いかつい体のマット・デイモンが、 肩で風を切って、 足早に街を横切っていく姿が 様になっている。 口数も少なく、思いは内に . . . 本文を読む
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