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No618『カリフォルニア・ドールス』~日常をすっかりワープし、リングサイドの熱気の渦へ~

大阪プラネットでの「70年代アクションの系譜」特集の1本。 『ゲッタウエイ』をはるかに超えるおもしろさ。 金曜の晩に行ったら、 ついさっきまでの仕事の世界から完全にワープして、 映画の世界にすっかり入り込み、 まるで週末の一日、ずっと映画を観ていたような充実感に包まれた。 タイトルは、女子プロレスの美女二人のタッグチームの名前。 ハンバーガーばかりの粗食とオンボロ車に耐え、 夢を追いかけて、 マ . . . 本文を読む
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No617『ゲッタウェイ』~スリリングな夫婦二人の逃避行~

サム・ペキンパーといえば、初めて観たのは『ワイルド・バンチ』で 大いに興奮したのを覚えている。 確か、ファーストシーンは、さそりか何かのアップだったような…。 1972年の本作も、動物の姿から始まり、 いきなり何が始まるのだろうと面食らった。 (結局のところ、最後まで観ても意味は不明) ファーストシーン5分、 タイトルやらが出てくる映像のなんとすごいことか。 どきどきした。 刑務所の作業所で働 . . . 本文を読む
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No616『男と女』~忘れられない映像は…~

TOHOシネマズなんばでは、週末観ようと思っても ネット予約しない限り、まず観れないという、 人気の「午前十時からの映画祭」。 西宮で観てずっと気になりながら、書けなかった1本。 有名な「シャララ~ダバダバダ、ダバダバダ。 シャララ、ダバダバダ、ダバダバダ…」 というテーマ曲は、 田舎に住み、小さい頃まるで映画と縁のなかった私でも 知っていたクロード・ルルーシュ監督の1966年作品。 連れ合い . . . 本文を読む
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No615『夏時間の庭』~受け継がれる美と輝き~

京都駅ビルでのフランス映画祭の最終日の最終回。 緑の木漏れ陽のなんと美しいこと。 母が住んでいた田舎の家には、 著名な画家だった大おじさんの集めた家具や絵画が 山のようにあり、 母は大切にそれらを慈しみ、管理していた。 映画は、母の誕生日に、兄妹弟が久しぶりに集まり 食事を楽しむシーンから始まる。 そして、その母が亡くなる。 外国で暮らす妹弟を前に、 長男のピエールは、家を手放す決断に迫られる . . . 本文を読む
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No614『悪人』~悪に向き合う“生の力”~

深津絵里が女優賞を受賞し、話題を呼んだ本作。 『フラガール』の李相日監督作品だ。 悪人は誰かとか、 誰の心にもひそむ悪、といった宣伝も目にするが、 悪を前に、どう立ち向かうのか、 市井の人々のささやかな、でも、着実な生き様が伝わる 力強い人間ドラマだ。 妻夫木が演じるのは、 殺人という、どうしようもない過ちをしでかした 孤独で、まじめで、辛い過去を背負った土木作業員の青年。 いつもの爽やかなス . . . 本文を読む
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No613『トイ・ストーリー3』~人形遊びをしていた自分を思い出し…~

出会いという意味で、紹介しておきたかった作品。 子どもの頃の自分と出会ったような気がするから。 小さい頃、誰しも人形遊びをしたと思う。 物語をつくり、一つ一つの人形に名前と役をつけて、 喧嘩させたり、善と悪とで戦わせたり、 恋人同士にしたり、一人でしゃべり、一人で動かしていた。 そういうとき、人形に自分が投影するのだと思う。 この映画にも、そんなシーンがある。 子どもは正直だから、 自分がなり . . . 本文を読む
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No612『ぼくのエリ 200歳の少女』~闇夜に消える雪のような初恋…ヴァンパイアという業~

『ゾンビランド』の次に紹介するつもりで、 睡魔に耐え切れず、書きかけだったのは吸血鬼の映画。 12歳のいじめられっ子オスカーにとって初恋相手のエリは 吸血鬼の少女だった。 それでも、オスカーはどこまでもエリを追いかけ、 エリは、迷いながらも、オスカーのそばから離れられなくなる。 二人の幼い純愛が、 北欧スウェーデンの寒い、凍てつくような冬を舞台に展開し、効果的。 主人公の少年オスカーは、色白で . . . 本文を読む
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No611『恋の秋』~自分に正直で率直な中年男女のすてきな恋模様~

どうしたらこんな脚本を思いつくのだろう、 こんなシンプルな話が 爽やかに、すてきに心に迫ってくるのはなぜだろう。 E・ロメール監督作品で 京都駅ビルでのフランス映画祭の1本。 本屋を経営するイザベルが ワインづくりにいそしむ親友マガリに恋人を見つけようと 奔走する。 40才代で、子供も自立しつつある 中年世代の女と男の、ときめき、誤解やらが 自然にさりげなく、ユーモアも散りばめながら 描かれる . . . 本文を読む
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No610『カラフル』~さりげない家族の描写に深い魅力が…~

映画と映画の出会いについて考える。 そのとき、たまたま偶然、同時期に観た映画が どこかテーマが似てたり、ってことありませんか。 E・ロメール監督の『獅子座』の浮浪者同志の友情。 ワインの瓶をがぶ飲みしながら、 友達の浮浪者のじいさんと一緒にふらふらと 街を歩いていく主人公は なんかふっきれていて、よかった。 おっと、じいさんなんて、失礼、おっちゃんくらいなんですが、 この人が、物乞いのために披露 . . . 本文を読む
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No609『フレンチ・カンカン』~若い娘たちを舞台に送り出すギャバンの渋さ~

今日は夏休みをもらって京都駅ビルでの フランス映画祭に行ってきた。 朝、大阪駅の新快速に乗り遅れ、 『獅子座』に遅れファーストシーンを見逃した。 でも、遅れても観てよかった。 主人公の40歳過ぎの男が路頭に迷い、 ひたすら夏のパリを歩き回る。 空腹に耐えかねて、食べ物を盗もうとしたり 川に浮いている菓子の袋を拾おうとしたり、 絶望に打ちひしがれるのだが そんな彼を心配して声をかけてくれたのは、 同 . . . 本文を読む
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No608『キャタピラー』~四肢を失った夫の表情、目力の凄さ~

話題作とはいえ、四肢を失った傷痍軍人と妻の話と聞いて、 正直尻込みしていた。 でも、若松孝二監督だし、ちょっぴりの勇気を出して 十三の七芸に行ってみた。 戦時中は、何もかもが「お国のために」の一言で片付けられた。 中国戦地から四肢を失って帰ってきた夫は 「軍神」として崇める対象にされ、 功績高き夫の世話は「お国のために」と すりかえられてしまう。 四肢を奪ったのは戦争のせいだ、ということを . . . 本文を読む
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