大阪プラネットでの「70年代アクションの系譜」特集の1本。
『ゲッタウエイ』をはるかに超えるおもしろさ。
金曜の晩に行ったら、
ついさっきまでの仕事の世界から完全にワープして、
映画の世界にすっかり入り込み、
まるで週末の一日、ずっと映画を観ていたような充実感に包まれた。
タイトルは、女子プロレスの美女二人のタッグチームの名前。
ハンバーガーばかりの粗食とオンボロ車に耐え、
夢を追いかけて、
マ . . . 本文を読む
サム・ペキンパーといえば、初めて観たのは『ワイルド・バンチ』で
大いに興奮したのを覚えている。
確か、ファーストシーンは、さそりか何かのアップだったような…。
1972年の本作も、動物の姿から始まり、
いきなり何が始まるのだろうと面食らった。
(結局のところ、最後まで観ても意味は不明)
ファーストシーン5分、
タイトルやらが出てくる映像のなんとすごいことか。
どきどきした。
刑務所の作業所で働 . . . 本文を読む
TOHOシネマズなんばでは、週末観ようと思っても
ネット予約しない限り、まず観れないという、
人気の「午前十時からの映画祭」。
西宮で観てずっと気になりながら、書けなかった1本。
有名な「シャララ~ダバダバダ、ダバダバダ。
シャララ、ダバダバダ、ダバダバダ…」
というテーマ曲は、
田舎に住み、小さい頃まるで映画と縁のなかった私でも
知っていたクロード・ルルーシュ監督の1966年作品。
連れ合い . . . 本文を読む
京都駅ビルでのフランス映画祭の最終日の最終回。
緑の木漏れ陽のなんと美しいこと。
母が住んでいた田舎の家には、
著名な画家だった大おじさんの集めた家具や絵画が
山のようにあり、
母は大切にそれらを慈しみ、管理していた。
映画は、母の誕生日に、兄妹弟が久しぶりに集まり
食事を楽しむシーンから始まる。
そして、その母が亡くなる。
外国で暮らす妹弟を前に、
長男のピエールは、家を手放す決断に迫られる . . . 本文を読む
深津絵里が女優賞を受賞し、話題を呼んだ本作。
『フラガール』の李相日監督作品だ。
悪人は誰かとか、
誰の心にもひそむ悪、といった宣伝も目にするが、
悪を前に、どう立ち向かうのか、
市井の人々のささやかな、でも、着実な生き様が伝わる
力強い人間ドラマだ。
妻夫木が演じるのは、
殺人という、どうしようもない過ちをしでかした
孤独で、まじめで、辛い過去を背負った土木作業員の青年。
いつもの爽やかなス . . . 本文を読む
出会いという意味で、紹介しておきたかった作品。
子どもの頃の自分と出会ったような気がするから。
小さい頃、誰しも人形遊びをしたと思う。
物語をつくり、一つ一つの人形に名前と役をつけて、
喧嘩させたり、善と悪とで戦わせたり、
恋人同士にしたり、一人でしゃべり、一人で動かしていた。
そういうとき、人形に自分が投影するのだと思う。
この映画にも、そんなシーンがある。
子どもは正直だから、
自分がなり . . . 本文を読む
『ゾンビランド』の次に紹介するつもりで、
睡魔に耐え切れず、書きかけだったのは吸血鬼の映画。
12歳のいじめられっ子オスカーにとって初恋相手のエリは
吸血鬼の少女だった。
それでも、オスカーはどこまでもエリを追いかけ、
エリは、迷いながらも、オスカーのそばから離れられなくなる。
二人の幼い純愛が、
北欧スウェーデンの寒い、凍てつくような冬を舞台に展開し、効果的。
主人公の少年オスカーは、色白で . . . 本文を読む
どうしたらこんな脚本を思いつくのだろう、
こんなシンプルな話が
爽やかに、すてきに心に迫ってくるのはなぜだろう。
E・ロメール監督作品で
京都駅ビルでのフランス映画祭の1本。
本屋を経営するイザベルが
ワインづくりにいそしむ親友マガリに恋人を見つけようと
奔走する。
40才代で、子供も自立しつつある
中年世代の女と男の、ときめき、誤解やらが
自然にさりげなく、ユーモアも散りばめながら
描かれる . . . 本文を読む
映画と映画の出会いについて考える。
そのとき、たまたま偶然、同時期に観た映画が
どこかテーマが似てたり、ってことありませんか。
E・ロメール監督の『獅子座』の浮浪者同志の友情。
ワインの瓶をがぶ飲みしながら、
友達の浮浪者のじいさんと一緒にふらふらと
街を歩いていく主人公は
なんかふっきれていて、よかった。
おっと、じいさんなんて、失礼、おっちゃんくらいなんですが、
この人が、物乞いのために披露 . . . 本文を読む
今日は夏休みをもらって京都駅ビルでの
フランス映画祭に行ってきた。
朝、大阪駅の新快速に乗り遅れ、
『獅子座』に遅れファーストシーンを見逃した。
でも、遅れても観てよかった。
主人公の40歳過ぎの男が路頭に迷い、
ひたすら夏のパリを歩き回る。
空腹に耐えかねて、食べ物を盗もうとしたり
川に浮いている菓子の袋を拾おうとしたり、
絶望に打ちひしがれるのだが
そんな彼を心配して声をかけてくれたのは、
同 . . . 本文を読む
話題作とはいえ、四肢を失った傷痍軍人と妻の話と聞いて、
正直尻込みしていた。
でも、若松孝二監督だし、ちょっぴりの勇気を出して
十三の七芸に行ってみた。
戦時中は、何もかもが「お国のために」の一言で片付けられた。
中国戦地から四肢を失って帰ってきた夫は
「軍神」として崇める対象にされ、
功績高き夫の世話は「お国のために」と
すりかえられてしまう。
四肢を奪ったのは戦争のせいだ、ということを
. . . 本文を読む