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No379明朗時代劇、無声映画のおもしろさ~千恵プロ「諧謔三浪士」「一心太助」~

明朗時代劇、無声映画のおもしろさ~千恵プロ「諧謔三浪士」「一心太助」~ 無声映画が好きだ。 字幕(文字画面)と画面(映像画面)とが交互に重なり合うことで、 生まれる独特のテンポが心地よい。 字幕の言葉も、短く、歯切れがよい。 画面は総じて短く、断片でも、 頭の中では連続して感じられる。 詩情もあれば、人情もたっぷり。 言葉は聞いていないのに、 生き生きと会話している気がするから不思議。 週末、 . . . 本文を読む
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No378「次郎長三国志」~2008年版。同じマキノといえど、こちらのマキノは?~

(いささか辛口調子ですが…) 一番気になったのは、子分たちのセリフに活きがないこと。 次郎長といえば、群像劇。 子分たちの活きのいいやりとりが真骨頂。 しかし、この次郎長一家は、なんだかもったりしている。 セリフの歯切れが悪く、勢いがない。 もっと滑舌のよい、威勢のあるセリフ回しをしてほしいというのが 正直な感想。 森の石松のどもりが、あれでは森繁久彌が泣くのでは。 いっそ、三國連太郎とか、芸達 . . . 本文を読む
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No377「若き日の次郎長 東海一の若親分」~今週の新世界は、やっぱり錦之助若親分!~

「若き日の次郎長シリーズ」の2作目。 マキノ雅弘監督は 同じ1961年に中村錦之助主演で「江戸っ子繁盛記」を撮っており、 やんちゃで、活きのいい錦之助が堪能できる。 初婚ほやほやのお蝶さんは、可愛さたっぷりの丘さとみ、 法印大五郎はいつものおもろいおっちゃん、田中春男、 水島道太郎の大政も貫録あり。 渥美清が関東綱五郎というのも楽しく、 森の石松にジェリー藤尾とくるのが、意外におもしろい。 この . . . 本文を読む
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No376今週の新世界東映は長門裕介!?~「日本侠客伝 白刃の盃」~

今日はゆっくり朝寝し、洗濯もして、あれこれ用事を片付けるつもりが、 ついふと思い出し、新世界東映の上映作品をネットで調べたら、 マキノ雅弘「日本侠客伝 白刃の盃」(1967)とある。 この頃の私は「マキノ」と聞くと、もういけない、 折しも雨の気配とはいえ、 体は磁石のように、新世界に引き寄せられた。 小雨とはいえ、ほとんど上がっていたせいか 劇場はいつもと同じく、二十人程度で、ほっとする。 (雨 . . . 本文を読む
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No375「パコと魔法の絵本」~置いてきぼりにされたような…~

よかったよ~という周りの感想を聞き、 今週まだ1本も映画を観ておらず、心躍らせ劇場に駆けつけた。 しかし、いきなり極彩色の世界の中で 奇抜な扮装とメイクでうごめく登場人物達を目前に なんとも戸惑った。 初めから、どの人物の設定自体、変てこりん過ぎて、 なんとも取り付く島がなかった感じだ。 役所広司はじめ、妻夫木聡も小池栄子も土屋アンナも ど派手なメイクと演技で熱演はしている。 しかし、観客として . . . 本文を読む
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No374「恋人」~切なく、甘く、一服の清涼剤のような~

1951年の市川崑監督作品。 明日が結婚式だというのに、 恋人のように親しかった幼なじみの誠一を誘い、 映画に、スケートに、ダンスにと 独身最後の1日を謳歌する京子。 せいちゃん、せいちゃんと引っ張り回す京子を 久慈あさみが演じ、 明るく、おしゃまで、爽やか。 誠一には、池部良。 京子に言われるままとはいえ、 一緒にいられる状況を、 とても喜んでいる気持ちが、言外に伝わってくる。 この二人の寄り添 . . . 本文を読む
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No373「ラストゲーム 最後の早慶戦」~石坂浩二の涙に、涙する~

生きて還るスポーツ、それが野球。 しかし、太平洋戦争に参戦した若者たちの多くが 命を奪われ、生きて日本に還ることができなかった。 これは青春映画でありつつも、 痛烈な反戦映画だ。 1943年春、太平洋戦争の真っただ中、 野球は敵国アメリカの国技と敵視され、東京六大学野球も中止。 秋には大学生らの徴兵猶予が停止。 12月に迫った出征の前に、 せめて早慶戦をしたいと望む学生たち。 しかし、早大学長の . . . 本文を読む
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No372「インビジブル・ターゲット」~男たちの熱き闘い~

香港のクンフー(カンフー)アクション映画。 CGに頼らず、 役者たちが繰りひろげる、生身のアクションの凄さに 圧倒される。 何十回と爆発が繰り返され、 ガラスは割れ、飛び散ったガラスの中で、 あるいは、めらめらと燃え残る炎の中で ぶつかりあう男たち。 腕を、足をつかい、クンフーによる生身の勝負、 そのスピード感!身体のきれの凄さ。 逃亡、追跡となると、屋根から屋根への全力疾走、 とんでもなく高 . . . 本文を読む
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No371「片腕マシンガール」~狂ってる、けど、忘れられない~

弟をいじめで殺された姉アミと、 その弟と一緒にいじめで殺された息子の母ミキとが コンビを組み、 いじめのリーダーとその親である 服部半蔵の子孫のやくざ一味を相手に 復讐の戦いに挑む。 タイトルどおり、アミは片腕を切られ、 代わりにマシンガンを付けた、戦闘ガール。 この二人の、何があってもへこたれない表情、 何かを訴え続ける目の力、 蹴り、突きのアクションに魅入られつつも、 血が噴出し、首が切られ . . . 本文を読む
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加藤泰監督 講座

山根貞男さんの加藤泰監督連続講座から 印象に残ったことをいくつか書き出します。 まとまりがないですが、ご容赦のほど。 今回は、『沓掛時次郎 遊侠一匹』。 画面いっぱいに雪が降り、 そのままカメラが下がると 暗い中、こたつに入った、中村錦之助演じる時次郎がいて、 宿のおかみ相手に、友だちの身の上話をしている。 この長回しについて、 その昔、ビデオもない頃、山根さんは、 カメラがにじり寄っているとし . . . 本文を読む
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No370 「古都」~重なり合う二人~

「千に重ねると書いて、千重子といいます」 という字の如く、 主人公の双子の二人はよく重なり合う。 京都の呉服問屋の一人娘の千重子と 北山杉の職人の苗子。 双子のうち、自分だけは捨てられず、 北山杉の職人の両親の下で貧乏ながらも育った苗子。 早くに亡くなった両親が子を捨てた咎は、 自分が負わなければならないという、責任感の強さ。 裕福な家庭に拾われた千重子の幸せを 決して邪魔してはいけないと強く心 . . . 本文を読む
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