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No1107『カリフォルニア・ドールズ』~苦節の涙あってこそ…DOLLSの晴れ舞台歌って迎えよう!~

夏バテか、疲れがひどく、夜の踏ん張りが効かず、すぐ眠くなってしまう。これでは9月を乗り切れない、ドールズにエネルギーをもらおうと焦る気持ちで、2時間年休もらって神戸新開地のシネマ神戸に行ってきた。「カリフォルニア・ドールズ」こと、黒髪のアイリスと金髪のモリーはマネージャーのハリーとともに、女子プロレスで、全米を巡業していく。先がみえない中、ドサまわりの旅を続ける日々。苦労続きのつらい涙が心にしみた . . . 本文を読む
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開かずの踏切~雷の余波~

日曜日、十三の七芸で羽田澄子監督のドキュメンタリー映画を観ようと起きたものの、朝からすごい雷と大雨で、家を出る勇気をくじかれた。雷は映画の敵、なんて思いながら、うだうだして、夕方近く、雨もすっかり止み、15年振りに新調した眼鏡を取りに、少し離れたスーパーに出かけた帰り道、開かずの踏切に遭遇した。 そこはちょっとしたターミナル駅で、よく待たされる踏切ではあったが、今回は、電車が一つ通過した後も、な . . . 本文を読む
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No1106『海辺の町で』~海に向かって紙飛行機を飛ばし続ける女の子~

鈴木卓爾監督の、少し力が抜けた感じの世界が好きで、『ポッポー町の人々』も神戸映画資料館で観て、好きだった。(感想)監督のツイッターに、「シネマ・インパクト」の上映がシネ・ヌーヴォで始まると知り、今日(土曜)一日中、ブランチと洗濯以外は、ずっと寝倒して、夕方まで寝ていたので、夜、頑張って、ヌーヴォまで行ってみた。若い女性とかも数人、観に来ていて、少し華やいだ客席。さてさて、どんな世界なのか、前情報一 . . . 本文を読む
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No1100-2『熱波』~深い愛の余韻は美しい音楽になって鳴り続ける…~

木曜日、『熱波』を観に、再び梅田ガーデンシネマへ。(前回の感想)お盆は休んで、レイトショーでの上映再開という粋な計らいが嬉しい。好きなのは、手紙の朗読のシーン。アウロラは、結婚して、夫の子を宿した若い妻。流れ者のベントゥーラとの、許されない恋路。深い愛で結ばれてしまった二人は、離れられない。ベントゥーラがバンドの旅行で数か月、アフリカを離れる。永遠の愛を誓いながらも、もう会わない方がいいと、別れを . . . 本文を読む
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No1105『セーラー服と機関銃(完璧版)』~ロングショットの長回し~

長回しといえば、相米慎二監督。職場の窓から、ビルの向こうの雷が花火のように見えた金曜日、予定もなかったので、塚口サンサン劇場のレイトショーに行ってきた。夏の疲れは相当で、前半は所々、眠りにワープしてしまったが、後半はじっくり。 死んでいく男たちが、皆いい味を出していて、すてきだ。 ヒコ(林家しん平)。組長の泉(薬師丸ひろ子)率いる目高組では、一番弱々しい。泉に、傷の手当を受ける。刺された胸の傷 . . . 本文を読む
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月の光~2分20秒の映像詩~

8月22日(木曜日)は、ドビュッシーの生誕151年に当たるということで、グーグルのロゴが、短いアニメーション映像になっていた。ピアノで「月の光」が奏でられる中、夜の河畔の風景がとらえられていく。映画好きにはたまらないほど、すてきな映像詩で、ご紹介したい。 河ぞいをゆっくりとカメラが長回しでゆっくりと移動していく。画面には、ずっと、まんまるのお月さんがとらえられていて、河の向こうにみえる建物も、風 . . . 本文を読む
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『うたうひと』映画上映会+ダイアローグ・カフェ~小野和子さんを迎えて~

拙ブログでも何度もご紹介した『うたうひと』(No1097-1  ,1097-2)で、東北のおじいちゃんやおばあちゃんたちの民話の語りの聞き手として登場された小野和子さんが、なんと神戸に来られるそうです。濱口竜介監督と、その即興演技のワークショップの生徒さんたちが聞き手となっての公開のダイアローグ・カフェということで、9月21日(土)の午後2時から6時ごろまで開催されます。場所は、三宮駅か . . . 本文を読む
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No1104『モスクワを歩く』~モスクワの街の息遣いが聞こえる~

とってもすてきな映画。ひとめぼれ。1963年のロシア映画。冒頭、大きな窓ガラスに映った女の子がステップ踏んで、踊りながら歩いていく。飛行機もガラスに映っていて、飛行場かなとわかる。カメラがゆっくり前進からパンして、女の子自身が映る。彼女に声をかける青年。女の子は「ハズ(主人)を待ってるの」「結婚して幸せかい?」「最高よ!」「あなたも早く結婚なさい」「さよなら」みたいな会話が交わされ、青年の乗ったバ . . . 本文を読む
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No1103『ローラーとバイオリン』~世界と出会う少年のまなざし~

大好きな作品で、数年前にも感想を紹介していた。(前回ブログ記事) 今回、久しぶりに神戸映画資料館の特集上映で再見して、好奇心いっぱいの、可愛い少年が出てきただけで、どきどきしながら画面に見入ってしまった。街を散歩し始めた時、風船を持った子とすれちがったり、店のウインドウの中に鏡があって、いろんな人たちの姿が、何重も重なって見えたり、少年の顔も、8つくらい並んで映ったり、鏡の魔術を、少年がうれしそ . . . 本文を読む
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加藤泰を見る、語る~山根貞男さん、神戸に来る~

8月10日(土)、神戸映画資料館で、映画監督加藤泰の講演集『加藤泰、映画を語る』のちくま文庫増補版刊行記念として、上映会と、映画評論家の山根貞男さんの映画講座「特別篇・加藤泰の世界」が行われた。上映されたのは『清水港は鬼より怖い』(1952)と『男の顔は履歴書』(1966)。 『清水港~』の、最後、捕らえられた仲間を助けるために、敵の陣地へと澤村國太郎扮する森の石松と、加東大介演じる吉良の仁吉と . . . 本文を読む
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No1102『秒速5センチメートル』~手紙、電車、雪、初恋相手との再会…片恋の距離~

新海誠監督の『言の葉の庭』にぞっこんだったので、塚口サンサン劇場で、監督の旧作のフィルム上映があると知り職場を鐘とともに飛び出した。期待が大きすぎたか、思ったほど感銘は受けなかったが、最近自分の中でいろいろ考えていることとテーマが重なり合い、感じるものは大きかった。 3話構成。冒頭の「桜花抄」が一番好きだ。タイトルは、桜の花びらが秒速5センチメートルの速さで落ちるというところから。桜が咲く頃一緒 . . . 本文を読む
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帰省つれづれ~“今”を生きるこどもたち~

巷とは逆方向に、今日、愛知の実家から大阪に帰った。小学生の甥っ子たちはにぎやかで、相変わらず人生ゲームやら、今回、新しく購入したばかりの野球盤のゲームに一緒に熱中して終わった。野球盤ゲームも、やりだしたらおもしろくて、ストライクやら消える魔球やらカーブやら駆使して、打たれないよう加減するのに必死で、ヒットできても、三振に終わって残塁に終わると、本気で悔しかったり、大人のくせして私も本音を隠すのに懸 . . . 本文を読む
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京都のオールナイトでの濱口監督のお話~映画にとって言葉とは…~

7月13日(土)の京都みなみ会館での「濱口竜介プロスペクティブ in Kansai」のオールナイトでの濱口竜介監督と西尾孔志監督(映画監督、京都造形芸術大学/ビジュアルアーツ専門学校講師)とのトークの内容をご紹介します。ワイズマン監督の『最後の手紙』(2001年)の上映に続いて行われました。印象に残ったことを中心にまとめてみました。 ◆『最後の手紙』について 西尾:『最後の手紙』と『親密さ』は . . . 本文を読む
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No1101『最後の手紙』~抑制された舞台からあふれ出す愛と強さ~

息子にあてた手紙の朗読劇。たった一人の息子に向けたモノローグ、それは、彼女が生きているうちに、息子に届くことはない手紙。でも、そこに込められた母の愛、「生きなさい」という思いは、観客一人ひとり、誰の心にも届く力強いメッセージとなって、響き渡る。誰の心にも、何かを呼び起こす、能動的な力を伴った呼びかけとなって。『親密さ』(演劇)の、あの最後の言葉どおり…。「届かない愛の言葉は、&hel . . . 本文を読む
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No1098-3『親密さ(long version)』~届かない言葉の行方を追って~

『親密さ(long version)』の後半、演劇の冒頭の方で朗読される「花火」という詩については、前回(No1098-2)で少し紹介したが、悲しみだけで終わるものではなかった。あなたに届かず、地面にたまった私の言葉は、最後に、あなたの線香花火に引火して小さなはじまりのような爆発を起こす。その爆発はいまも私の身体に響いていて、いつのまにか、しけっているようだった私の魂に火が灯っている・・ そんな . . . 本文を読む
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