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No793『春琴物語』~重ねられた手と手~

大阪九条のシネ・ヌーヴォで始まった「浪花の映画大特集」の1本。谷崎潤一郎の原作「春琴抄」を伊藤大輔監督、京マチ子が盲目の娘お琴を演じた(1954年)。35年の「春琴抄 お琴と佐助」(島津保次郎監督 田中絹代)に続く2度目の映画化。山口百恵、三浦友和の76年の『春琴抄』(西河克己監督)が記憶に新しいが、どちらも未見で、比較ができないのが残念。 上映は16ミリで、少しザーというフィルムの走行音が入る . . . 本文を読む
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No792『人斬り』~ぎらぎら光る勝新の目~

土佐の剣士、岡田以蔵(人斬り以蔵)を勝新太郎が演じる。武市瑞山(半平太)に仲代達矢。勝が演じることで、腕っ節はあるけど、賢く立ち回れず、仲代を師と慕い、知恵者の仲代には、いいように使われ、やがて捨てられる組織の末端の武士の悲運が、鮮烈なイメージを残す。ラストは、磔でも、これでやっと人間に戻れるという笑みが勝の顔に浮かぶ。なんとも壮絶なドラマ。 以蔵は、武市の門下に入り、「お前の剣は邪険だから」と . . . 本文を読む
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