淡路島の藩士たちが、藩内の内輪もめにより、
明治政府から、北海道への移住開拓を命じられる。
第一陣が上陸。
しかし、待ちわびた藩主は、開拓地に居をすえることはなく・・
という「裏切り」の歴史は、とても興味深く、映画化には格好な題材。
さてさて行定監督の料理の結果は・・?
第一印象、かなり長尺。
「吉永さゆり主演」の東映映画ゆえに、
カットできなかったとはいえ、
かなり、脚本がもたもたしている。
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ジュリー・デルピーに惚れた!
レコードのニーナ・シモンの歌にあわせて
お尻を色っぽくふって、踊り
低い声で短く語りを入れる。
なんとかわいらしい。
とりわけ、最後の、振り向きざまに微笑んだ表情は忘れらない。
それを見つめる
イーサン・ホークも、
初恋にどきどきする男の子のように
はにかみつつも、
嬉しさを隠すことができず、自然とほころんだ顔。
ウイーンで出会った二人が
9年ぶりにパリで再会。
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100人以上ものキャストを動員し、
インタビューをもとに構成。
誰にも加担せず、淡々とした演出が
最後に効を奏する。
石田直澄(勝野洋が、渋い!)への最後のインタビューが終わり、
今まで声だけだったインタビュアーが、初めて画面に映る。
と思うと、カメラはやおら、もっとうしろにひいて、
大林監督を含め、撮影隊(クルー)までも映し出した。
「これは映画ですよ」と
あえて、ここで示したことに、驚きつつ . . . 本文を読む
原作者の江國香織は、
どんな恋愛でも
「恋愛は、愛せば愛するほど、勝ちなのではないか」と
雑誌の対談で語っている。
こんな大胆不敵な言葉を映画にしてしまったのが本作。
十以上も年下の大学生と恋仲になる、サラリーマンの妻を演じる
寺島しのぶがすばらしい。
恋のあらがいようのない力に振り回され、
とまどい、いらだち、怒り、恋人に感情をぶつける。
夫の夕食の支度をしているうちに思いが頂点に達し、
燃え . . . 本文を読む
映画を観てから、数日経っても
「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」
「ポイント・オブ・ノー・リターン」といった
名曲の数々が頭の中をリフレインしている。
まさに“歌”を味わう映画。
怪人、クリスティーヌ、ラウル公爵、それぞれの
“歌”に結晶した思いが、熱く心に響く。
クライマックスでの、3人のコーラスは、最高。
哀しく、切ない思いのハーモニーに涙が出そうになった。
舞台美術も迫力があり、映画 . . . 本文を読む
前半、やたら、音楽がにぎやかに鳴り続け、
(アメリカのオールディーズの「STAY」は
すこしミスマッチと思う)
我らが「彼女」(チョン・ジヒョン)もやたら暴力的で
かなり首をかしげた。
しかし、彼が死んでから、かなりよくなった。
彼女は、悲しみを振り切るべく、たくましい女警察官となり、
やっと、宿敵の脱獄犯を、地下の駐車場で追い詰める。
傷を負わせ、応援のパトカーも駆けつけ
彼女の勝利かと思わ . . . 本文を読む
あんまりすばらしいので、ここでもご紹介します。
倉本聰脚本、舞台は北海道の喫茶店。
題名のとおり、ゆったりとした時間が
流れている。
カメラもじっくり撮っていて、空気が伝わる。
主題歌の「明日」(平原綾香)の
切ないメロディがぴったり。
マスターの寺尾聰、妻の大竹しのぶの会話が
しんみり心に響いてくる。
父として、大人として、強いはずの寺尾も、
さまざまな事件の中で、気持ちが揺れ動く。
そんな . . . 本文を読む
主役アイーダの濱田めぐみの声は
はりがあって、深みがあって、なんて魅力的なことか。
ヌビア人奴隷たちとの踊りが見事。
他の、動きをそろえた群舞と違って、
ここでは、皆、めちゃくちゃに飛んで踊っている。
それでいて、全体としてみたとき、
エネルギーあふれる
美しい絵に、動きになっていて、
圧倒された。
前半のちゃらちゃらしたアムネリス王女(森川美穂)が
後半の、「真実をみた」で
いきなりシリア . . . 本文を読む
〔邦画〕
1 ジョゼと虎と魚たち
つっぱる心、ぶつかる心、とけあう心。いじっぱりなジョゼと、優しくまっすぐな恒夫の姿が、切ない。
2 血と骨
ひたすら暴力をふるう男の背中に孤独が見え隠れし、最後には安らかさが漂う。在日韓国人の一人の男を演じきったビートたけしと撮りきった崔監督に乾杯。
3 チルソクの夏
昭和52年。下関の海の見える町で、けなげに生きる女の子の輝ける青春の一瞬を切り . . . 本文を読む
少し饒舌に物語を語りすぎている気がした。
北海道のコンビニを経営する父と娘の衝突を軸に
店で働くバイト男性や、納入トラックの運転手や、
そこを訪れる客たちとの人間模様
ハートウオーミングなドラマ・・・
実際、そうなのだけど、
前半、ちょっとくどかった。
省略できそうな場面とか、
セリフにしなくてもわかるよ、という場面が
あまりに多い気がした。
小日向文世が、たよりないコンビニのオーナーで父親役 . . . 本文を読む
映画って、物語ることも大切だけど
人物のたたずまい、雰囲気、
その人を取り囲む空気を映像におさめる
ってことも、凄く大事だと思う。
幼なじみの女の子二人の話。
二人は、猫と犬のように、
合うようで、合わない。
この二人の間の空気に
どこかユーモアがあって、魅力的。
会話の間がとてもいい。
道に迷ったり、
犬の散歩をしたり、
むちゃくちゃな勢いで走っていくシーンだとか
一人の行為がもう一人によっ . . . 本文を読む
レイ役を演じたのが
「コラテラル」で陽気なタクシー運転手を演じた
ジェィミー・フォックスと知り
彼の演技力にすっかり魅了された。
彼はレイそのもの。
盲目というハンディを背負い、薬漬けになりつつも
常に新しい音楽を生み出そうとするレイ。
女が好きで、歌手と浮気もし、
決してきれいじゃない人生。
薬からも離れられず
人間くさくて、じわっとくる。
何度も挿入される回想シーンが見事。
レイの母親の . . . 本文を読む