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年を重ねても、なお尽きることのない道~創作ということ~

この夏、宮城県の丸森に「みやぎ民話の学校」に出かけた。すっかり遅くなったが、先日、やっとお礼の感想文をまとめ、郵便で送ると、お世話になった「みやぎ民話の会」の方から、達筆の丁寧な返事の葉書が届いた。「民話の道は果てしない道を歩くような感じです。年とともに、数多く聞けば聞くほど、自分の今を思い知らされます。小野和子さんはじめ、80代に入っても、まだまだと自分を鍛えている姿に励まされています」「自分を . . . 本文を読む
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No1223『わが青春に悔なし』~何物にも屈しない魂を原節子が体現~

黒澤さんの正義を貫こうとする心、弱きを助け強きをくじく心が、作品の根底に脈々と流れていて、みごたえがある。1946年、黒澤明監督の戦後初の監督作。戦前の京大の滝川事件と、戦中のゾルゲ=尾崎秀実のスパイ事件をモチーフにしている。 映画が始まると、冒頭、京大の「三校寮歌 逍遥の歌」の「紅萌ゆる岡の花 早緑匂う岸の色 都の花に嘯けば 月こそかかれ吉田山」を歌いながら、ハイキングをする学生たち。法学部の . . . 本文を読む
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No1222『姿三四郎』~下駄をめぐって~

今回のシネ・ヌーヴォの黒澤明特集。上野昂志さんと野上照代さんのお話を聞きに行く以外は、未見の作品で気になるのを少し観るぐらいでいいかなと思っていた。でも、土曜日、上野さんのお話を聞いて、『姿三四郎』を観なおしたくなった。神戸映画資料館のドキュメンタリー映画祭は今回諦めて、日曜、のんびり過ごした後、夕方、シネ・ヌーヴォへ。観てみて、本当によかった。すごかった。想像以上だった。姿三四郎と檜垣源之助の決 . . . 本文を読む
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黒澤明映画祭~上野昴志さんのお話「映画の神様に愛されて監督になった人」

土曜日、シネ・ヌーヴォで始まった黒澤明映画祭~『七人の侍』誕生60周年記念~で上野昴志さん(映画評論家・批評家)のトークがあった。簡単にトークの中で印象に残ったことをご紹介したい。 トークの前に上映されたのが『一番美しく』(1944年)。軍需工場で働く女子挺身隊の活動をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた作品。女優らしさをそぎ落としたいと監督は考え、女優たちに、実際に平塚にあった工場の女子寮に . . . 本文を読む
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地域情報誌「かがり火」のこと。~魂が帰りたがっている場所~

2週間続けて週末に台風がきたことの埋め合わせか、先週、今週と、とてもあたたかく、過ごしやすいお天気。 どこか出かけたらいいのにと思いつつ、ベランダから入ってくる涼しい風を感じながら、うだうだ家で過ごしているうちに、暗くなって一日が終わってしまうことが、このところ、とても多い。観たい映画は山ほどあるし、興味をひく新作も次々公開されているが、わずかながら観に行った映画や、参加したイベント、その週にあ . . . 本文を読む
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No1221『家族の灯り』~フィルムの質感が深みをもたらす至福の映像世界~

関西では、公開時はデジタル上映。神戸映画サークルが、今日明日と35ミリフィルムにより神戸朝日ホールにて上映。もちろん一般の方の鑑賞もOK。 夕方、上司が会議で全員いなくなったのをチャンスと、定時の鐘とともに事務所を飛び出し、あちこちで走って、三宮で迷子になりかけたが、優しいおじさんに道を教えてもらって、ぎりぎりセーフ。 実はこの作品、公開時に2回観た。1度目は、後半から完全に寝てしまい、2度目 . . . 本文を読む
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ジャン=ピエール・レオー氏、京都に来る~上映前の、映画愛に満ちた舞台挨拶~

13歳の時に、フランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』(59年)の主役ドワネル少年を演じ、ヌーヴェル・ヴァーグ時代を代表するフランスの名優ジャン=ピエール・レオー氏(70歳)が初来日し、京都の同志社大学での《フィリップ・ガレル、重なり合うときの中で~最新作『ジェラシー』公開記念特集 in 関西》でレオーさんも出演されている『愛の誕生』(93年)の上映前に、舞台挨拶に登壇されました。台 . . . 本文を読む
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トリュフォーのこと。映画のこと。~橋本愛さんの文章から~

明日、新幹線さえちゃんと動いてくれれば、「没後30年フランソワ・トリュフォー映画祭」で来日している俳優のジャン=ピエール・レオーが京都にやってくる…。 女優の橋本愛さんがキネマ旬報の最新号〈10月下旬号)にエッセイを書かれていて、ツイッターでも好評で話題になっていたので、読んでみて、驚いた。18歳の少女が書いた文章とは、とても思えないほどに、熟成されている。映画への愛に満ちていて、 . . . 本文を読む
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No1220『シャウト』~狂ってるとしか、いいようがない男の物語~

『ぼんちゃん~』に続いて、リベンジにと、神戸KAVCで、スコリモフスキ監督の『シャウト』(78年)を続いて観た。これまた変な映画でしたが、狂ってるなあ、としか、いいようがなく、狂い加減がすごい。 オーストラリア先住民から人を叫び殺す呪術の能力を授けられた男クロスリー(アラン・ベイツ)が、主人公とくるから、この奇抜な設定は、ただもう、叫び殺すシーンを撮りたかったからでしょうと思う。 ある日、音楽 . . . 本文を読む
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No1219『ぼんとリンちゃん』~BL少女が説教しつづける映画~

「BL」(ボーイズラブ)とか「腐女子」(BL小説漫画を好む女子)の意味も知らず、予備知識ゼロで観て、というか、神戸KAVCで、『物語る私たち』とスコリモフスキ監督特集の間の上映で、拾い物かもしれないと、下心を抱いたのが失敗のもと。『物語る私たち』が、映画ファンという感じのひとり客で、ほぼ客席が埋められていたのに対し、『ぼんとリンちゃん』は、20代前半位の若いカップル、20代仲良しギャル2人、ちょっ . . . 本文を読む
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No1218『物語る私たち』~あたたかい記憶~

妻が早くに亡くなり、幼い娘サラといっしょに過ごした数年間、本当に楽しかったと、父マイケル・ポーリーが語る。その声のあたたかさ、優しさが心に残る。 監督・女優のサラ・ポーリーは11歳で母ダイアンを亡くす。母の人生を探っていくうちに、いつしか、サラ自身の出生に秘密があることを知る…。母の秘密の恋物語も出てくる。でも、それを受け止める一人ひとりの家族のありようがとてもあたたかくて、その度 . . . 本文を読む
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金井美恵子さんのこと。

金井美恵子さんが来られた時、サインがほしくて講談社の文芸文庫の短篇集を買った。巻末の「著者から読者へ」という文章を読んでいると、美恵子さんの落ち着いた、あったかくて少し華やいだ声が聞こえてくるようで、なんだかわくわくする。 姉妹で来られていたので、お二人が互いの話につっこみを入れたり、言葉を交わしている感じが、きっと、普段、お家で、お話をしている時と同じ感じなんだろうなあと思うぐらいにざっくばら . . . 本文を読む
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金井美恵子、金井久美子姉妹、神戸に来られる。

作家の金井美恵子さんと画家の金井久美子さんが、神戸映画資料館にいらっしゃった。 「KOBEデザインの日」記念イベント。金井美恵子さんは、小説のほかに、映画の本もたくさん書かれていて、本の装丁をお姉さんの久美子さんがされている。 お二人とも、ざっくばらんで、とてもオープンな感じ。辛口だったりするけど、さばさばして気持ち良い。 こんなふうに年をとれたらいいなあとあこがれた。以下、覚えているお話を . . . 本文を読む
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No1215-2『ジャージー・ボーイズ』~歌に人生がにじみだす~

「貧しくて若かったあの頃。街灯の下で、仲間といっしょに歌い、僕らの音楽を追い求めた。ほかのすべてが消え失せ、音楽だけがあった。最高の瞬間だった」ロック殿堂入りのコンサートで、アメリカのポップスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」のリード・ボーカルのフランキーが、25年ぶりくらいにメンバーに再会し、歌う時、自らの人生を振り返って語った言葉。「あの頃に帰りたい」とも熱く語る。最初、観た時、フランキーの声 . . . 本文を読む
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No1217『ミニスキュル~森の小さな仲間たち~』~てんとう虫と蟻んこの壮大な冒険と友情物語~

実写の風景をバックに、アニメの虫たちの物語。子ども向けの3Dアニメと思いきや、アクションあり、友情あり、主人公のてんとう虫の成長物語。前半はロード・ムービー、後半は、戦いもの、となかなか楽しいフランス映画。小道具とかも細部まで丁寧につくられていて、みごたえがある。(蟻の城の図書館?とか、クモの屋敷などなど) 家族とはぐれ、羽根を傷つけてしまったてんとう虫が、雨宿りしたのは、人間がハイキングで残し . . . 本文を読む
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