続いて外国映画です。
1位 シルビアのいる街で(ホセ・ルイス・ゲリン監督)
2位 クリスマス・ストーリー(アルノー・デプレシャン監督)
3位 あの夏の子供たち(ミア・ハンセン=ラヴ監督)
4位 ブロンド少女は過激に美しく(マノエル・デ・オリヴェイラ監督)
5位 倫敦から来た男(タル・ベーラ監督)
6位 息もできない(ヤン・イクチュン監督)
7位 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(ジョニー・トー監督) . . . 本文を読む
遅くなりましたが、キネマ旬報やら映画芸術で、
ベストテン本が発行される前に、
マイベストテンをご紹介いたします。
まず、日本映画では、
1位 ヘヴンズ ストーリー(瀬々敬久監督)
2位 ゲゲゲの女房(鈴木卓爾監督)
3位 座頭市 THE LAST(阪本順治監督)
4位 ユキとニナ(諏訪敦彦、イポリット・ジラルド監督)
5位 トルソ(山崎裕監督)
以下は、無理して並べることはやめて
順不同で、思い . . . 本文を読む
14歳で恋に落ち、妊娠、出産するカレン。
でも、カレンの母は、産まれたその日に
赤ん坊を養子に出してしまう。
以来、カレンと母との間に生まれた亀裂は、
二人の心を隔てたまま。
行方の知れない娘のことを思い、
毎日、当てのない手紙や日記を書き続けるカレン。
キーワードは「失望」。
カレンの母は「失望を繰り返してきた人生」と言う。
親にそんなふうに言われては、子としては
立つ瀬がないし、救いようがな . . . 本文を読む
タイトルは、死後の世界、あの世、という意味で、
クリント・イーストウッド監督の最新作。
ホール試写で、一足先に見ることができたので
ご紹介したい。
『インビクタス/負けざる者たち』で、
ラグビーチームを率いる主将を華々しく演じたマット・デイモンが
死者と対話できる力、才能ゆえに、暗い過去を持ち、
心を閉ざしてしまったジョージを演じる。
何もかもから逃げて、ロンドンを訪ね、
好きな作家ディケンズの . . . 本文を読む
今年もおおさかシネマフェスティバルが
2011年3月5日(土)6日(日)と
大阪歴史博物館(谷町四丁目)で開催されます。
今日の報道発表によると
3月5日(土)午前には、「追悼 名女優 高峰秀子」ということで
高峰さん主演の
『花つみ日記』1939年、石田民三監督!!!!!が上映されます。
石田監督は、
昨年秋の京都映画祭で『花ちりぬ』を見たばかりで
しっとりした情緒といい、美しさといい、一番の . . . 本文を読む
とうとうシネ・ヌーヴォでの特集上映が終わってしまった。
つつがなく22作品全部をみることができ、感謝感激。
15年以上前、神代を見る機会に確かに恵まれたはずの私には
神代は、わけがわからない世界だった。
今回、ちょっとだけでも近づけたような気がして、うれしい。
『アフリカの光』『宵待草』『青春の蹉跌』と
青春もののアンニュイ感、ひとりごとのぼそぼそ感は、すばらしく
日活ロマンポルノの
『濡れた欲 . . . 本文を読む
プライベートでいろいろあって、
脳腫瘍で入院し、一人息子をこよなく愛するお母ちゃんの表情を
どうしても今、見ておきたくて
急遽、国立民族博物館に駆けつけた。
無料とはいえ、満席に近い観客に驚いた。
映画はやっぱりすばらしかった。
エンディングロールが流れ出したとき、
この映画こそ、
天国に持っていきたい作品だと思った。
大げさでなく、率直にそう思えた。
映画を見ながらこの世を去りたいというのは . . . 本文を読む
神代辰巳監督特集の最終日。
『赫い髪の女』は上映終了時間が11時過ぎというのに
満席に近い入りで、神代監督の人気の高さを感じた。
石橋が本当に切ない。
女の過去、女の夫だった男への嫉妬に
つい石橋は、荒々しく暴力をふるうこともあるが、
女に惚れこんでいる。
つきあい上、仕事の相棒と女を残して
雨降る夜の街へ出て行く。
酔っ払いの男に連れていかれた店で、
女に「今、わいの女が男とやっとるんや、
そ . . . 本文を読む
神代辰巳監督の映画のことについて考えると
どれもが、人間の生命力、エネルギーにあふれ
がむしゃらで、懸命で、
反骨心にあふれ、
ときにアンニュイで、でもどこか毅然としている。
60年代後半のデビュー作から遺作まで
約20年間にわたり、22作品を上映した今回の特集をみて、
青春映画あり、ロマンポルノあり、コメディあり、サスペンスあり、
音楽ならば
演歌あり、ジャズあり、歌謡曲ありと、
いろんな顔を . . . 本文を読む
『櫛の火』75年、草刈正雄主演、桃井かおり
『遠い明日』79年、三浦友和主演、いしだあゆみ、若山富三郎と
正月過ぎに見た、青春映画について
記憶を掘り起こしておきたい。
『櫛の火』は、過去と現在が交錯し、わかりにくいと
事前に教えてもらったので、
事前にパンフであらすじを読んでいたせいか、
すっと入ってきた。
冒頭、草刈がブルドーザーに追いかけられ、
でも、深刻そうでもなく、
彼が横たわった上 . . . 本文を読む
神代監督の74年作品のロードムービー。
挫折した男、玄二を演じる夏八木勲がめっぽういい。
旅を通じて、最後にやっと男になる国彦を高岡健二。
ひたすら美しく、初々しい娘「しの」を高橋洋子。
女1人と男2人の道中が楽しい。
誘拐で手にした大金が、新聞紙でつくった紙幣だったり
逃亡の最中、突如、映画撮の影隊とでくわしたり、
気球に乗って逃げたり、
着地して大きな気球がしぼんでいったり、
軍人になりすま . . . 本文を読む
今日ホール試写で
新作の『ウォール・ストリート』を見て思ったのだが、
どんな映画が好きか、といわれれば、
派手な衣装もセットも何もなくていい、
神代監督の映画の登場人物のように、
世の中の片隅でひっそりと生きているような
そんな感じの人間たちに、心からひかれる。
ふつうに平凡に生きている人たちの
心をちょっと垣間見ることができれば…。
さめたようにみえても、
内に秘めた熱きハートや魂を感じられた . . . 本文を読む
日本映画史上の傑作といわれるゆえんがよくわかった。
というか、もうほんとすばらしいの一言に尽きる。
79年作品。
冒頭のファーストシーンから絶句。
道路の奥にトンネルがあり、
蒲鉾のような半月の上だけがみえ、
車が緩やかに現れ、行き過ぎる。
女が一人現れ、こちらに歩いてくる。
赤茶色の髪で、半纏にブーツをはき、毅然とした表情。
この宮下順子の美しさ。
今まで『四畳半~』とかではアップの日本髪だっ . . . 本文を読む
心斎橋シネマートで始まったアラン・ドロン特集の1本。
冒頭に、日本公開当時の予告編もついていて、
劇中のいいショットを相当に使っていてびっくりした。
でも、ユーモアもきいていたし許容範囲でしょう。
前半、寝坊の割に、今週の疲れが一気に出て
睡魔に襲われつつだったが、
後半の、アラン・ドロンがひとりで、
通気孔を伝って、地下の金庫に至るまでのくだりは、
まるでドキュメンタリーをみているようにリアル . . . 本文を読む
無人暴走貨物機関車に挑む二人の男たちの闘い。
これがもう凄すぎる。
会社の命で、暴走機関車を止めるべく
ベテラン運転手が乗った車両が、正面から挑んだものの
あえなく、脱線して爆発するところから
もう涙が止まらなかった。
そう、もう心も涙も「アンストッパブル」状態で、
プロフェッショナルな男たちの果敢な姿に
すっかり心酔して映画館を出た。
前半、何物をもつきとばし、進んでいく機関車の
大きさ、速さ . . . 本文を読む