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No728『M★A★S★H』~笑いあふれるアメフト試合~

TOHOシネマズなんばでのレイトショー。休日の前日とあって、まあまあの入りだった。 冒頭の歌の歌詞に驚きつつも、前半、手術のシーンなど、血で真っ赤だったり疲れもたまっていて、少し寝てしまった。 後半、アメフトの試合のおもしろいこと。ぱっちり目が冴えた。選手たちが、逆転して勝利するために必死となり、注射まで持ち出したり、もうめちゃくちゃ。サイドから応援している監督らの熱い姿も、ユーモアあふれてい . . . 本文を読む
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No727『流れる』~女同士の会話の妙~

終わって思わず、拍手したくなった。1956年の成瀬監督作品。山田五十鈴、高峰秀子、田中絹代、杉村春子、岡田茉莉子、粟島すみ子、中北千枝子、賀原夏子と、存在感たっぷりで魅力的な名女優たちの立ち居ふるまいをみているだけで、うっとり。癖はあるけど、一人の女性として、懸命に生き抜こうとする姿が柳橋界隈の芸者の置き屋を舞台に展開。みごとな世界をつくりあげた。 田中絹代は、山田五十鈴が営む、傾きかけた置屋に . . . 本文を読む
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No726『妻の心』~人物の配置の妙~

昨日観た成瀬監督の『乱れる』の電車のシーンについて考えるにつけ、互いに思いあう男女を、的確な構図、位置関係でカメラにおさめ、その変化を切り取る、すごい監督だなあと思った。成瀬監督の凄さを、なかなか発見できないでいる未熟者としては、その魅力に少しずつ近づいていく感じだ。 地方都市で、小さな薬屋を営む次男夫婦の高峰秀子と小林桂樹。横の空き地に喫茶店を建てようという計画をたてる。高峰は、姑の三好栄子と . . . 本文を読む
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No725『乱れる』~なぜかあふれる涙~

終盤の電車のシーンが、やっぱりすばらしい。成瀬巳喜男監督の1964年の作品(白黒)。高峰秀子さん特集の1本。静岡県清水の酒屋に嫁に行くものの、半年ほどで夫は戦死。当時まだ子どもだった義弟も20年近くもの歳月を経て、いまや立派な青年(加山雄三)となる。店を切り盛りする高峰秀子を手伝うようになり、やがて、10歳近くも年上の高峰に好きだと打ち明ける。いたたまれなくなった高峰は店を出て、故郷の東北へ帰るこ . . . 本文を読む
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No724『永遠の人』~愛のない結婚がもたらす悲劇~

木下恵介監督、高峰秀子主演の1961年の作品。出征中の恋人がいるというのに、大地主の息子の仲代達矢に、無理やり手篭めにされての結婚、出産という小作農に生まれた娘の悲劇を高峰秀子が主演。 しじゅう鳴り続けるフラメンコ風のギターはうるさいぐらい。でも、描かれているテーマは、なんとも凄い。、数十年にわたり、繰り返される夫婦の愛憎劇に、圧倒された。愛のない結婚に始まり、愛のない夫婦生活を何十年も続けた夫 . . . 本文を読む
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No723『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』~歌は世につれ…の現代版~

「サイタマのラッパー」シリーズが好きで、土曜日、新作の初日で、入江悠監督の舞台挨拶があると教えてもらい勇んで駆けつけた。 会場の、シネリーブル梅田に着いて、驚いた。なんと、レイトショーだというのに、満席立ち見。挨拶は監督だけだから、大丈夫と思いきや、若者達が居並ぶ熱気に気圧された。とはいえ、ここまで来たからと、立ち見の人数自体がまだ10数人と聞き、座席横に体育座りはできそうだったので、迷いながら . . . 本文を読む
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No722『有難や節 ああ有難や有難や』~歌は世につれ世は歌につれ~

高槻セレクトシネマでの西河克己監督特集の1本。 和田浩治主演のナンセンスアクションもので、1961年のヒット曲のオンパレード。守屋浩の「有難や節」を初めて聴いて“寿命尽きれば あの世いき”とか、“恋というから いきたくなって 愛というから あいたがる”みたいなハマクラこと浜口庫之助作詞によるとことん、楽天的な歌詞のおもしろさに、当時の時代も思われる . . . 本文を読む
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No721『山の焚火』~スイスの山の生活を丁寧に描写~

フレディ・M・ムーラー監督の1985年、スイス映画を遂に京都近代美術館で観ることができた。その昔、京都の祇園会館で、ギュネイ監督の『群れ』か『路』との2本立てがあり、学生時代、映画にほとんど興味はなかったけれど、なぜか観たいと思って、タイトルだけは覚えていた。 映画らしい映画ですばらしい。余計な説明がほとんどなく、スイスの山岳地帯で牧畜を営む家族の日常を淡々と描いている。セリフもちゃんとあるし、 . . . 本文を読む
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No720『果てなき船路』~海の男たちの友情と熱き魂に涙~

いい映画は、私の体の中に入り込み、脈々と流れる血液となり、エネルギーを注ぎ込む。映画のシーンの力、役者の力、カメラの力が重なり合って、すばらしい作品となった時、仕事やあれこれ抱えた悩ましい現在地点から精神的にも、心理的にも一気に何万光年も離れた地点へと私は運ばれる。 この映画を思い出す時、一体どんなシーンが浮かぶだろう。挙げると限りないほどの名シーンにあふれている。 冒頭、看板に並んで、憮然と . . . 本文を読む
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No719『私を離さないで』~限られた生の中で~

原題は『NEVER LET ME GO』でジャズの歌のタイトル。深く愛し合う二人の男女が引き離されてしまう悲痛な思いが伝わってくる。 ある特殊な事情から、若くして死を余儀なくされう宿命にある3人の若者たち。20歳代で、生を終了させられる彼らの状況はこの特殊な事情の真相を知ると、少し非現実的でSFのようにも思える。 でも、舞台となるイギリスの田園地帯の自然、光と影を豊かに映像化し、繊細な演技力の . . . 本文を読む
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No718『ミスタア・ロバーツ』~背筋を正して…上官に反旗を翻す爽快さ~

いい映画をみると、てきめんに元気が出る。前半、少し眠かったのだけれど(すみません)後半の盛り上がりに、一気に心を持っていかれた。舞台は、第二次大戦中の太平洋上の米国海軍貨物輸送船。ヘンリー・フォンダ扮するロバーツ中尉は、朝夕自分の部屋の前に置いた鉢植えの椰子の木に水をやるばかりで、やたら締め付けの厳しい艦長(ジェームズ・ギャグニー)に辟易し、退屈な任務に耐えられず、戦闘部隊への転属希望を出す。しか . . . 本文を読む
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No717『ファンタスティックMr.FOX』~狐のキャラと動きのおもしろさ!!~

こんな楽しい映画は久しぶり。音楽もすてきだし、パペットアニメで、この人形たちが実によく動く。予告編にもあった、狐のミスターMr.Fox一家(夫と妻と息子)と仲間のモグラが、猛スピードで地中にトンネルを掘っていくのを絵で示すシーンのおもしろさ。冒頭のタイトルが出る前、Mr.FOX夫婦が大脱走をするシーンも、カメラは横移動で二人が数々の障害物を越えてひた走り、敵の人間たちから逃れ出るおもしろさ。純粋に . . . 本文を読む
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No716『鳥』~不特定多数の鳥たちの不気味さ~

ついにスクリーンで観ることができた。TOHOシネマズなんばでの、午前10時からの映画祭のレイトショーでの上映。晩の9時過ぎからの上映と、あまりに遅いせいか300人以上入るスクリーンという劇場の太っ腹にもかかわらず観客は20人くらいでかなり寂しい。 しかし、映画は圧巻。冒頭のタイトルロールから一気に引き込まれる。キャスト名の字体が、あちこち鳥でつつかれたように穴があいていて向きもめちゃくちゃで、壊 . . . 本文を読む
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No715『イリュージョニスト』~街の息遣いの中から、寂寞たる思いがわきあがる~

エンディングロールが終わり、数十秒のおまけのシーンがあった。これに続いてすぐ、もう一度、はじめから、映画が始まったとしてもきっと、誰も文句なしに、ごく当然のようにして、座席に座ったままもう一度、うっとりと観惚れてしまうだろうなと思うくらい、至福に満ちあふれていた。 イギリス、エジンバラの街やスコットランドの自然の風景がとにかくすてきだ。ショーウインドー、路面電車と、繊細に描きこまれていて細かな色 . . . 本文を読む
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No714『ザ・ファイター』~壮絶なる家族のぶつかりあい~

高校生の時、「あしたのジョー」が大好きで、勉強の合間に主題歌をテープで聴いたり、歌いながら、庭に、父親がしつらえた物置きのような勉強部屋で、一人、腕立てやら腹筋やらをやっていた記憶がある。ボクシング映画は、夢やロマンやストイックな情熱にあふれていて大好きだ。 この映画をみて、思ったのは、ボクシング映画という以上に、家族の映画だということ。主人公の、ボクサーである兄弟には、姉妹が7人もいる。父が違 . . . 本文を読む
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