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No987『最強のふたり』~ぶつかりあい、ささえあう二人のエネルギーと優しさ…動と静のせめぎあい~

映画は、二人の男が乗った車が、高速で次々と車を追い抜いていく躍動感あふれるシーンから始まる。タイトルが入った後、過去へとさかのぼり、二人の男の出会いから、絆が生まれていく過程を描いていく。そうして再び、冒頭のシーンに戻ってきた時、明るくて楽しそうに見える二人が今まで、大変で、重い困難をいくつも乗り越えてきたのかに思いを寄せると、二人の前向きに生きようとする姿が感慨深く迫ってきて思わず涙があふれた。 . . . 本文を読む
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初音ミク「Tell Your World」~つながる可能性~

いまさらながらですが、去年12月にGoogle社の「Google Chrome」のCMに起用された曲。数日前、友達のブログで初めて聴いて、はまった…。(普段テレビを観ないので、CM も知りませんでした)CMの動画http://www.youtube.com/watch?v=MGt25mv4-2Q カチャカチャというパソコンのキーボードを叩く音で始まり、ピアノの繊細な響きで始まり、た . . . 本文を読む
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No986『婦系図』~悲恋に散る山田五十鈴の美しさ~

カラカラカラ、と音をたてて頭の中の映写機が回りだす。頭の中のスクリーンに映し出されるのは、戦前の白黒の世界。きれいな山田五十鈴さん。 芸を極める二人の男女の切ない恋路が描かれる『鶴八鶴次郎』。愛する人が芸の道を極めるためなら、離れる辛さをこらえて、そっと身を引く姿にただ涙が流れる。 そんな五十鈴さんの心中を思えば、己の血迷った恋路なんざあ、潔く切ってみせやしょうと思い切りたいところだが、そうは . . . 本文を読む
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No985『ミヒャエル』~許しがたい人物~

「三大映画祭週間2012」の作品のひとつ。カンヌ国際映画祭で2011年にコンペティション選出されたオーストリア映画。表向きは、普通の平凡な勤め人の35歳の男が、地下室に10歳の少年を監禁していたという話を、淡々とした演出で、加害者の側から撮った作品。ドラマチックな事件も、犯罪者の側からみれば、あたりさわりのない日々の連続。さりげない日常を描いたドラマが、挑戦的な作品として評価されたのだろう。よくぞ . . . 本文を読む
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No984『猶予期間』~映像を読み解くことの奥深さ~

映画館のはしごの第2弾は、神戸新長田の神戸映画資料館。難しそうな映画と講義に思えて、敬遠気味でしたが、友達のお話を聞いて、おそるおそる行ってみた。とても興味深いもので、今日一番の収穫。 ちょうど、最近、『サラの鍵』(ジル・パケ=ブレネール監督2010年)『ある秘密』(クロード・ミレール監督2007年)『黄色い星のこどもたち』(ローズ・ボッシュ監督2010年)『ソハの地下水道』(アニエスカ・ホラン . . . 本文を読む
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No983『アニメ師 杉井ギサブロー』~決して安住しない、どこまでも挑戦的な人生~

杉井ギザブロー氏が、雨の中、お気に入りの公園を、傘をさして歩きながら石岡正人監督のインタビューに答えていく。冬の雨。冷たそうに思えるが、この雨の音がなんともいい感じ。自分が生まれたところから語りだし、11歳で『バンビ』を観て、アニメをやろうと決意。小学校で、漫画は卒業したといいつつ、アメリカの英字新聞の日曜版の漫画を読むために新聞配達をして、18歳で東映動画に入り、やがて虫プロへ。 東映動画の頃 . . . 本文を読む
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No982『疑惑の影』~好きから疑いへと、スリリングに変わっていく思い~

新作が次々公開されているものの、なぜか敷居が高く感じるのはなぜだろう。人混みを避けたいのかもしれない。仕事の帰り、疲れていたし、ちょうど来た地下鉄に乗って、家に帰りかけたが、乗換駅で、ふと気が変わり、踵を返して映画館プラネットへ。おもしろかった。まるで眠くならなかったのは、映画がおもしろいからか、映画を近頃あまり観ていない緊張感のせいかあるいは、ノードカフェのコーヒーが効いたのか。 冒頭、ベッド . . . 本文を読む
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No981-2『蜂の旅人』~語られることのない、深い孤独~

二晩経って、ふと思い返す。映画の断片の記憶が、ふとした拍子によみがえってくる。それは、感触に近いもの…。本当に何も語らないし、説明しない映画であったことに驚く。マストロヤンニ演じるスピロが旅に出る。旅先の町で、若い十代の少女に出会う。彼女は、恋人に置き去りにされて、やむなくスピロのトラックに勝手に乗っていたのがきっかけ。次の街では、スピロの部屋に来て、一緒に泊めてくれと頼み、夜には、 . . . 本文を読む
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No981『蜂の旅人』~旧友たちと再会する喜び~

元町映画館のアンゲロプロス監督特集。マストロヤンニは、小学校の教師を辞め、代々養蜂家として、春の訪れとともに、旅に出る。旅先で、ある店を訪ねる。 よく知っている感じで暗い店内をつっきり、奥の事務所を開けると初老の男がいて、久しぶりという感じの挨拶。男は、机の下から、お酒の瓶を取り出し、極上を用意して待ってたよ、とにっこり笑う。旧友ニコスを演じるのはニコス・クーロス。二人が訪ねたのは、寝静まった病 . . . 本文を読む
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No980『白い恐怖』~恋する女性の直観~

半年ぶりくらいに訪ねたプラネットプラスワン。昨日は飲みすぎで昼まで寝倒し、夕方からは、結婚して引っ越した友達から連絡があって久々に沖縄料理で一杯と、映画から縁遠く、日曜の晩、せめて1本は映画を観ようと手ごろな時間で選んだヒッチコック作品。プラネットのある通りに立つと、なんだかとっても懐かしい気がして自分の庭、テリトリーに帰ってきたような気がして、うれしかった。いつのまにか、この通りに相当なじんでい . . . 本文を読む
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なかもずのビールバー、オイリュトミーのことなど~夏の終わりに~

なかもずにある「エニブリュ」というビールバーに連れて行ってもらった。日本全国の醸造所の地ビールが樽生で20種以上飲めるというお店。ホームページの黒っぽいデザインとは違って、店内は明るく、カウンターのほか、テーブル席も多く、いろんな年代の人たちで混みあっていた。カウンターの壁には、たくさん蛇口が並んでいて、客の注文に応じていろんなビールが次々と注がれていく。昔の日本映画の時代劇のように、日本酒の樽が . . . 本文を読む
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No979『カルロス』第1部、第2部~テロリストの姿に二律背反する心~

観ていて胃が痛くなりそうだった。と書くと誤解を招くだろうか。登場人物の中に、ひとりも好きになれそうな人がいない。あえて言うなら、途中で一味を抜け出したアンジーくらいだろうか。テロリストは嫌いだし、人殺しも武器も嫌いだ~と思いながらも、(こういった感情は、本来、映画とは別物で、現にやくざ映画も、任侠ものも好きなのですが)2部、4時間を一気に観て、暑さで疲労困憊していても、まったく眠気を感じることなく . . . 本文を読む
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No978『凍える牙』~女性新米刑事と狼犬と中年刑事を結ぶみえない絆~

巷の評価は低いようだが、意外に、わりと楽しめたのは決して映画館に行くのが久しぶりだからではないと思う。でも、なんとなく、女性の方が共感する作品のような気がする。 連続殺人の犯人を逮捕するため昇進が遅れがちな中年刑事と新米女性刑事がコンビを組むというお話。ただ、サスペンスとしては、いまひとつ。むしろ、みどころは、捜査の中で浮上した、殺人をすべくトレーニングされた狼犬の悲哀と女刑事の孤独な心がシンク . . . 本文を読む
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No977『あなたへ』~海、そして海…~

健さんは主人公だけれど、旅の道中で出会ういろんな人たちの聞き手であり、その人たちの人生模様を浮き上がらせる媒介のような存在に思えた。 余白がたっぷりの映画。どの人物も細かく描ききることなく、人生の断片を描き、あとは観客の想像にゆだねる。健さんと田中裕子の夫婦にしても、田中裕子の過去については、その夫の存在がほのめかされるだけだ。 確かなのは、健さんの今であり、あちこちを旅していくうしろ姿、野球 . . . 本文を読む
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No976『ストーカー』~長く深い夢をみたような~

アンドレイ・タルコフスキー監督1979年の作品。観終わって感じるのは、深い夢をみおわったような気分。哲学のような思索的な旅。作家と教授と名乗る中年男2人を、ストーカー(密猟者)と呼ばれる男が、人間の一番切実な願いをかなえる「部屋」に連れて行くため危険区域(ゾーン)に案内する。 冒頭のストーカーの部屋をはじめ、待ち合わせのバーも、ずっと白黒の画面だったのが警備を振り切って、緑あふれるゾーン内部に入 . . . 本文を読む
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