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No171「東京ゾンビ」 佐藤佐吉監督

~「冷めた男」浅野忠信と「熱い男」哀川翔の組み合わせの妙~ よろよろ、ふらふらした日本人のゾンビ。 「東京は死んだ」って?? ゾンビファイトって、なんでおばさんだけなの?おじさんは? 漫画もゾンビ映画も知らない私は、こんなん、あり?!と思った。 フジオ役の浅野忠信とミツオ役の哀川翔のかけあいは見事だが、 予想よりも、笑えるツボは少なかった。 ただもう、あっけにとられる。 原作ファンだけが楽しめる、うちわ受け映画だ、と思いつつも、 なぜか決して眠くない、目は画面に釘付けだった。 . . . 本文を読む
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No170「歓びを歌にのせて」ケイ・ポラック監督

~それぞれの声、それぞれの夢~ 歌や音楽好きな方はもちろん、新年を前に、人生について、ちょっと立ち止まって考えてみたい人、みごたえのある人間ドラマをみたい人、久しぶりに正月、なにか映画を観たい人に、ぜひともお薦めしたい1本。主題曲となる「歓びを歌にのせて」という歌の歌詞、メロディがすばらしい。挫折と葛藤の中から、自分の人生を見つけ、踏み出すことをうたいあげた歌詞が、歌い手ガブリエルの、夫のDVに苦しむ人生と重なり、力強く響き渡る。映画をみおわってからも、ずっと何度も頭の中でこだましている。 . . . 本文を読む
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No169「アメノナカノ青空」イ・オニ監督

~こころの中の青空~ 主人公の女子高生ミナ役のイム・スジョンのすきとおるような存在感に、すっかりひきこまれた。 小さな頃から病院での闘病生活が続き、閉じこもりがちなミナが 階下に引っ越してきたカメラマンのヨンジェに出会い、明るさを取り戻していく。 ものうげなまなざし、アンニュイな表情、微笑んだ顔と 愛らしいこと、このうえない。 ヨンジェを演じるキム・レウォンの屈託のなさとユーモア、 母子家庭で、ミナを暖かく見守り、寂しがりのミナの友達でもある母を、 イ・ミスクが、好演。 . . . 本文を読む
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No168「燈台守の恋」フィリップ・リオレ監督

舞台は、1960年代、フランス北西部ブルターニュのウエッサン島。 島の燈台守の一人イヴォンと妻マベ、 新しく燈台守としてやってきた戦争帰還兵のアントワーヌ、三人の物語。 ストーリーは、至って簡単。 イヴォンの妻マベとアントワーヌが恋に落ちる話。 このつかの間の恋路が、 三人の名優の寡黙な演技と、哀愁のこもった美しい音楽を得て、 みごとな味わい深い名画となった。 . . . 本文を読む
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No167「大停電の夜に」源孝志監督

「昔の恋」「今の恋」が織り成す心模様が、 ろうそくの光に照らされて、色とりどりに輝きだす。 心の奥底にひっそりとしまっている思い出の小箱。 大停電の夜、今だからこそ、そっとふたを開けてみよう。 クリスマスにお手ごろな恋愛映画、という先入観とは裏腹に、 失われたものへの愛、哀しみ、痛みがテーマの、みごたえある人間ドラマ。 20歳代の若いカップルよりは、もっと上、年齢がいくほど、感じるものは多いはず。 失った体験が多いほど、心に静かに響いてくる。 . . . 本文を読む
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No166「イン・ハー・シューズ」 カーティス・ハンソン監督

セクシーで、ルックスは抜群だが、男癖が悪く、仕事は長続きしないし、 欠点だらけの妹マギー(キャメロン・ディアス)。 弁護士として仕事に追われる毎日だけど、 太めの容姿にコンプレックスを持っており、 履いたことのないゴージャスな靴を何十足と買い集め、クローゼットに飾っている姉ローズ(トニー・コレット)。 全く対照的な姉妹が、大喧嘩をきっかけに、離れ離れになり、それぞれが自分探しを始める。 つまり、自分にぴったりの靴を見つける物語。 . . . 本文を読む
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No165「ALWAYS三丁目の夕日」山崎貴監督

私事だが、一番落ち込んでいた時に観て、 予想に反し、思い切り泣いて、元気をもらった作品。 現実からしばし逃避して、暗闇の中でスクリーンを見つめる。 映画の世界にどっぷりと浸り、 映画館を出る時には、 現実と向かい合う元気を取り戻し、エネルギーをもらっている。 いい意味でも悪い意味でも つくり手の思いがあふれる作品。 いい意味というのは、 テーマになっている「まごころ」や「人情」の尊さと暖かみが切々と伝わってくる。 昭和33年。物のない時代だからこそ、物にあこがれ、大切にした。 そして、物がなくても、優しさと人情があった。 . . . 本文を読む
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No164「エリザベスタウン」キャメロン・クロウ監督

音楽映画と思って観ると、一番この映画に近づける。 もちろん、ストーリーはある。 大失敗で会社を解雇され、失意のどん底のドリュー(オーランド・グルーム)に、父の訃報が届く。 葬儀のため、ケンタッキー州エリザベスタウンを訪ねる途中、 機内でスチュワーデスのクレア(キルスティン・ダンスト)に出会う。 エリザベスタウンに滞在する間、従兄や親戚、クレア、街の人々との交流が描かれる。 亡き父との対話、新しい恋人との出会いがテーマ。 といいつつ、描写は至ってさりげない。 わずかなショットで、ドリューが父とのつながり、絆を取り戻したことは感じられるし、 クレアの魅力を存分に見せておいて、これから、というところで終わるのがいい。 見どころは、ラスト。 . . . 本文を読む
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No163「同じ月を見ている」深作健太監督

「月刊シナリオ」12月号に掲載されている脚本(森淳一)を読んで、映画とかなり違うことに驚いた。 ポイントとなる部分はそのままに、 ドンが刑務所にいたという設定をはじめ、深作監督は、かなり変更している。 映画的なリズムが生まれ、ずっとよくなったと思う。 パンフレットに書かれていた深作監督の言葉がとてもいい。 「月が太陽の光を反射して夜空で光っているように、  映画もまた映写機の光を映してスクリーンにその生命を宿している。」 「月の光もスクリーンの光も、それを積極的に見ようとしない限り、人の心には届かない。  でも、意識的に見つめた時、はじめてそれは人の心を癒す光になってくれます。」 . . . 本文を読む
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