満月Pubというおもしろいイベントに参加してきた。といっても、要は、飲むだけ。場所は、今、一番お気に入りの谷町四丁目と六丁目の間にあるおそばやさん「蔦屋」。「カフェネスト」、居酒屋割烹の「味処かむなび」と、ほとんど並びあうようにして建っている3軒での合同開催。お店の料理をあてに、お酒を扱っている業者さんが、一杯300円から、と格安で、日本酒やらワインを提供、いろいろ飲めるというイベント。
開催の . . . 本文を読む
最初のうち、こんなわかりやすい映画は私は好きじゃないと思いながら観ていた。誰もが共感しやすいお話。物語のあちこちに、ふと入っていけそうな扉がいっぱいで、あまりにわかりやすく、いかにも、「がんばってる女性に贈る」映画といった、よそゆきの顔に、ちょっと反感を持った。しかし、本当に最後の最後のシーンになって、ほろりと涙が出た。
がんばりすぎなくていい、ちょっと休憩していい、疲れたら、少し休んで、ぼーっ . . . 本文を読む
音楽の使い方が見事で、まさに映画に彩りを添えるどころか、体中がわくわくして、物語がなだれ込んでくる。
「世界は楽しさであふれている、もっとこの世界から楽しさをみつけなさい」といわんばかりに、登場人物たちが生き生きと奔走していく姿に大いに勇気づけられた。
舞台は小さな島、年代は1965年。スージーの家で、弟たちが、ポータブルステレオでB・ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のLPレコードをかけ . . . 本文を読む
ふいに心によみがえったフレーズ、メロディが目前の現実からひきはがして、別世界に連れて行ってくれることがある。
感情の浮き沈みが激しく職場でも思わず、感情を出してしまって、ひどく後悔することがある。荒波でおさまらず、悲しくなって仕方がない。お昼休み、外に出て、空を眺め、冷たい空気に触れて、気分を変えようと思った。思い切り深呼吸して、新しい空気を吸い込む。変わりそうで変わらない心。部屋に戻って、同僚 . . . 本文を読む
『阿賀に生きる』に続いて、シンポジウムが行われました。私が映画への関心から参加したということで、ここでは、新潟水俣病の患者支援に携わってこられた旗野秀人さんのお話を中心にご紹介したいと思います。◇旗野さんは、28歳頃から『阿賀に生きる』の撮影にかかわり30歳になった頃、餅屋の加藤のじいちゃんから、「30こえて、まだひとりものなんて。嫁さんもらって、所帯もってから、また来い」と言われる。餅屋の職人の . . . 本文を読む
京都のシンポジウムで『阿賀に生きる』の上映後の旗野秀人さん(『阿賀に生きる』製作発起人)のお話の続きを紹介します。
1950年生まれの旗野さんは、阿賀野川中流域の安田町の大工の8人兄弟の真ん中に生まれた。貧乏だったから家を出たかった。20歳の時、家出のような感じで、三里塚に行こうと思って東京に出て、チッソの本社のところで、川本輝夫さん(熊本の水俣病患者、自主交渉派)と会う。新潟水俣病のことを尋ね . . . 本文を読む
京都駅南のアバンティの上に大きなホールがあり、『阿賀に生きる』(1992年)の上映(DVD)とシンポジウムがあった。
先週末京都みなみ会館で、『阿賀の記憶』(2004年)を観たばかり。あらためて『阿賀に生きる』を観て、幾つか発見したことを書きたい。舟大工の遠藤さんが、最初に登場したシーン。急須に湯を入れ、お茶を出して、話をはじめる。部屋の中、ストーブの前での話に続いて、ふっと、カメラが外に出て、 . . . 本文を読む
この映画、やっぱり、吉高由里子の天真爛漫さと高良健吾の、まっすぐぶりがなんとも魅力。世之介の故郷、長崎の感じがいいし、とにかくラストが大好き。余之介の母を演じた余貴美子は、本当にすてきな役者さんで、存在感たっぷり。どこまでも愛おしく、何度も懐かしく思い返したいような映画。若いゆえの、純粋で、無邪気で、無鉄砲だったりもするエネルギーにあふれている。
なんといっても長尺なので、前半の大学内ので描写と . . . 本文を読む
『舟を編む』を観て、私も辞書編集部に行きたいと思った。言葉と向き合う仕事。私は、オダギリージョーが演じた社交的な社員というよりは、完全に、松田龍平が演じた馬締くんタイプ。馬締くんほど、口下手ではないが、ユーモアもなく、チャーミングでもない。自分にこもる方で、自己主張が苦手。自分の意見が言えない。高校の頃から、グループの中にいても、自分の行きたい方向を主張できないから一番後ろで、ひとり、好きに道草く . . . 本文を読む
言葉を整理し、意味を示して、もっともふさわしい形で使えるようにするのが辞書。この「辞書」という“舟”を編集する、つまり“編む”ところから、このタイトルがきているそうだ。三浦しおんの小説の映画化。ある出版社の辞書編集部の物語。人づきあいが苦手で、不器用な新人編集者の馬締光也(まじめみつや)を主人公に、1995年に始まり、辞書「大渡海」が完成するまでの1 . . . 本文を読む
今から20年以上前、7人の若いスタッフたちが、新潟県阿賀野川の川筋に家を借り、共同生活を続けながら、川筋に暮らす三組の老夫婦の姿をとらえようと、16ミリフィルムをまわし始めた。
阿賀野川は、尾瀬を源流として日本海に流れており、親しみをこめて「阿賀」と呼ばれている。山間の点在する段々田んぼを守り続ける長谷川さん、ミヤエさん夫婦、二百隻以上の川舟を造ってきた船大工の遠藤さん、ミキさん夫婦、小さな田畑 . . . 本文を読む
京都みなみ会館で、『阿賀に生きる』と『阿賀の記憶』が上映中だ。どちらも16ミリのニュープリントによる上映でフィルムの美しさに目をみはるばかり。
『阿賀の記憶』は今回初めて観た。1992年に『阿賀に生きる』が公開されてその約10年後、2004年の作品。
いきなり草ぼうぼうのところから始まり、そこが、『阿賀に生きる』の冒頭、長谷川さん夫婦が耕していた田んぼの今の姿とわかる。スクリーンに映し出されて . . . 本文を読む
神戸映画資料館で、詩人で映画監督の福間健二さんの特集上映と詩の朗読があるということで、行ってみた。ちょうど歌詞の言葉について考えていたところで、神戸までの道中、手帳で歌詞づくりに挑戦したりしながら、意気込んでみた。
朗読を聞いて感じたのは、詩は、おもしろいけれど、思った以上に難解だということ。歌詞の世界と、詩の世界は、近いようで遠い。歌詞が、世界に向かって、人の心という、広い空に向けて放たれた色 . . . 本文を読む
一青窈のコンサートの感想を、薦めてくれた知人に報告したところ、コンサートの締めで歌う曲は「うんと幸せ」のほかに、「さよならありがと」があって、この二曲がイチオシとのこと。
歌詞の世界は深い。早速「さよならありがと」を聴いて、歌詞を読んでみた。(作詞:一青窈 作曲:武部聡志)(youtube)(歌詞)「さよならありがと」というタイトル自体別れの意思と感謝の気持ちとが混在し、味わい深い。「また少しだ . . . 本文を読む
高良健吾と吉高由里子の二人の役者の個性が見事に活写され、極上のラブ・ストーリー、青春群像劇ができあがった。世之助の生き様を思う時、彼の生き生きとした姿が、私たちを励まし、勇気づけてくれる。
1987年、一人の若者、純粋で率直でお人よしの世之介が、長崎の田舎から東京の大学に出てくる。彼は、人とどう関わり、どんなふうに成長していったのか…。
映画は、彼が東京に出てきた最初の1年を追う . . . 本文を読む