goo

No579木村威夫美術監督追悼上映~色、形の変化を楽しむ~

神戸映画資料館での 敬愛する映画評論家、山根貞男さんによる映画連続講座〈新編:活劇の行方〉3回目。 今年3月21日に91歳で逝去された木村威夫美術監督の特集。 鈴木清順監督を中心に 木村威夫さんの作品の一場面を上映。 実際の美術がどうなのかを画面で観ながらの講座で とてもおもしろかった。 今まで清順監督の映画のおもしろさがわかるようで、 いま一つわからなかったのが なんとなくヒントをもらったよう . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No566-2『座頭市 THE LAST』~全感覚を研ぎ澄ませて~

あの感動をもう一度と、確かめに行ってきました。 音だけでなく、雪もすばらしかった。 冒頭、市の激しい息遣いが聞こえる。 追手と激しく斬りあう市は、 夫婦約束をした女の命を奪われてしまう。 水が流れる音が聞こえる。 このせせらぎの音は、倍賞千恵子との別れの場面や 要所要所で聞こえてくるのに、再見して気がついた。 愛する女をなくし、行き場のない市を 激しい雨が襲う。 そして雪。 寺島進が斬られ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No578『怒りの荒野』~早撃ちリー・ヴァン・クリーフのかっこよさ~

週末の猛暑の中、新作はほとんど観てないが 今朝観たマカロニ・ウエスタンが意外におもしろかった。 いわゆる師匠と若者の成長もの。 西部一の早撃ちリー・ヴァン・クリーフがやってきて 町の人々から、売春婦の息子と虐げられていた青年 ジュリアーノ・ジェンマを相棒として育てていく。 他人を信用するな、危険は時ほどよく狙え、など ガンマンの10か条を指南。 中年ガンマンのリー・ヴァンが渋くてかっこいい。 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No577『アウトレイジ』~出口のない権力闘争…裏切りとだましあいの果てに~

笑いが巻き起こるバイオレンス・エンタテインメントなんて宣伝文句を 目にしていたので、どんな作品か、少し心配だった。 でも、観てみたら、やっぱりいつもの北野武の映画だった。 ストーリー自体はわかりやすくなっているが、 どこか観客をつき放している映像。 無言で映像を差し出していく感じは変わっておらず 説明過剰でもなく、安心した。 果てしなく繰り返される裏切りは、 私には、とてもゲームとか、エンター . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No576『ミスター・ノーボディ』~老ガンマン、ヘンリー・フォンダへのあこがれ~

恥ずかしながらマカロニ・ウエスタン映画を観たのは初めて。 同じ登場人物が出るたびに、派手な音楽が流れ 最初、少ししつこくも感じたが、 観ているうちに段々慣れて、後半は麻薬のように、心地よくもなった。 考えたら、東映のやくざ映画の任侠の主題歌のようなものかもしれない。 冒頭、鶏が行きかい、犬が寝ている。 その奥、向こうの方から3人の馬に乗ったガンマンが近づいてきて、 ピントは鶏から3人へと移る・・ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No575『昼下がりの情事』~恋する女の子の精一杯の背伸びが切ない~

午前10時からの映画祭といいつつ、午後9時からの上映に挑戦。 オードリー・ヘップバーンが ゲーリー・クーパー演じる、 アメリカの富豪で、プレイボーイのおじさんに 恋をする。 二人の年齢差は相当離れているようにみえ、 あの可愛いオードリーが!?と思わなくもなかったが、 映画館を出たとたんに、 オードリーと同じく「魅惑のワルツ」を歌いながら スキップするように走っている私がいた。 『フォロー・ミー』 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No574『ローラーガールズ・ダイアリー』~自分をぶつけられる世界を見つけた少女の喜びと不安~

少女が、自分を信じ、全力でぶつかることのできる世界を見つけ、極めてゆく。 ブリスにとって、それがローラースケートだった。 ローラースケートゲームなんて全く知らなかったが チームプレー、作戦プレーのおもしろみと スピード、迫力ともすごくて、おもしろかった。 楕円形のトラックで 敵味方とも一緒に 各4人の仲間(ブロッカー)がスタートラインに並ぶ。 その少し後方に 各チーム1名の得点プレーヤー(ジャ . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No573『怪猫呪いの沼』~撮影と美術の腕のみせどころ~

家臣の謀反により城主が殺され、奥方と愛猫も自害。 十数年後、奥方は愛猫とともに恨みを果たそうと 猫の怨霊となって、復讐していく。 タイトルの呪いの沼は、小さなお堂がたち、 まわりに蘆やら鬱蒼と生えていて 白黒画面に、不気味な空気が漂う。 怪談映画だし、 びっくりして声を出したらどうしようと不安だったが そんなに驚いたり、怖がったりすることもなく、 ほどほどに首がとんだり、 狂った暴君(謀反を起 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No571-2『股旅 三人やくざ』~切っても切れない親子の情~

あらためて観直してみて、 第2話の冬編について、もう少し紹介したい。 松方弘樹が演じる若いやくざ。 13歳の時、父親が借金で賭け事に手を出し死んでしまう。 幼いゆえに、田畑は村の人に任せ、 庄屋と、18歳になったら再び田畑を貸すと約束し、 諸国を旅しながら、 墓守からにしん漁まで何でもやって生き抜いてきた。 18歳になり、喜び勇んで村に帰ると 博打狂いだの、あることないこと告げ口され、 庄屋には . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No572『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』~凄いエネルギー。でもガラスのようにもろい三人の旅~

観終わって、思わず、カヨちゃんじゃないけれど、 ううぅぅぅっと唸りたくなるような パワフルでエネルギーにあふれているけれど 救われようのなさと絶望感に絶句してしまう。 でも、真っ暗というわけではなく、 たくましく生き抜こうとする図太い力も、伝わってくる。 「命」という字を、小さな2センチくらいの円の中に 何十個も書いたら、何重にも重なり合って、ひしめきあって 読めなくなってしまう。 そんな窒息し . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No571『股旅 三人やくざ』~人情あふれる男気を、さりげなく最後にみせる男たち~

これだけ傑作続きの上映だと、 とりあえずコンビニおにぎりで空腹を満たし、 軽い疲労感を覚えながらも、スクリーンに釘付け。 終わってもなお余韻が残り、頭の中では、 男たちが斬りあう喚声が聞こえてくるようだ。 沢島忠監督の詩心が結晶した、 やくざ家業の男たちの 弱きを助け、強気をくじく、 仁義を守り、人情を大切にする姿が なんともいとおしくて、やりきれねえ物語が3つ。 仲代達矢の秋の章では 冒頭、 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No570『影の軍団 服部半蔵』~きれいなきれいな女優さん~

服部半蔵率いる伊賀忍者と甲賀忍者が 夜半、林の中で闘うシーンでは まるでアメフトのように 一列に並んで、GOの合図とともに走り出し タックルするかのような殺陣を展開。 一段落斬り合うと また元の陣地に戻り、 残った人数で、再び並んで走り出す。 忍者スーツが、いかめしい肩がはったシルエットであることも手伝い まさにアメフトのようで、美しくもおもしろかった。 場内には、こっそり吹き出す人もいたが、 気 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No569『十三人の刺客』~まるでドキュメンタリーのような~

クライマックスの53人の藩主の軍勢と 13人の刺客との対決シーンは まるでドキュメンタリーのように凄かった。 街道筋の小さな宿場町をまるごと罠に仕立て 丸太を組んで道を行き止まりにしたり、 道の上に、屋根のように丸太を組んで、上から槍で突けるようにしたり、 そんな現場で、まさに13人と53人とが死闘を繰り広げる。 細い路地を、手持ちカメラが、肉薄するかのような近さで、 侍たちを追いかけていく迫力 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No568井川徳道美術監督のトーク

先週の日曜日に大阪シネヌーヴォで行われた井川美術監督のトークのご紹介。 まず、井川さんが勲章を受賞された際の祝賀会場で、 上映された映像作品(20分ほど)を上映。 これが、 井川さんが過去に手がけた作品をつなげた名場面集で、 すごくおもしろかった。 きっと、めちゃくちゃ映画好きの人が編集したにちがいなく、 映画の歌、音楽をバックに、 美しいセットの中で、たたずんだり、笑ったり、 役者さんたちが躍 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

No567能『仲光』~遠くをみつめる目~

今回のシテ(主役)は、面もなく、素顔で登場し、亡霊でもない。 でも、心は死んでいるのかもしれない。 平安時代、多田満仲は 勉強するため寺に預けた息子、美女丸を呼び戻すと、 字も読めず、歌も詠めないので、非常に怒って 家臣の藤原仲光に、美女丸を討つよう命じる。 (とんでもない親です) 陰でその話を聞いていた美女丸は、自ら首をとってくれと言い、 仲光の息子、幸寿が身代わりにと申し出る。 結局、仲光 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ