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No896『ヤング≒アダルト』~あまりに痛々しく、救いようがないのだけれど…~

主人公は37歳の自信過剰な美人女性。冒頭、コーラをペットボトルからがぶ飲みしたりベランダには、犬のえさの市販のポリ容器が空になったまま幾つも放りっぱなし。がさつで、生活が荒れている感じが言葉なく、淡々と描かれる。既に他の女性と結婚して子どもができたばかりの十代の頃の恋人を奪い返そうと勇んで故郷に帰るが、なんとも切ないし、痛々しい。シャーリーズ・セロンだからみていられるけれどまわりからすれば、ただの . . . 本文を読む
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No895『騎手物語』~バルネット、万歳!ただもう拍手喝采~

土曜日から十三の七芸で始まった旧ソビエトのボリス・バルネット監督特集!昨日は、不覚にも一日寝倒してしまったが、今日はやっとかろうじて昼過ぎからの上映の2本目に滑り込むことができた。キャラのおもしろさからいってもダントツ。省略の具合といい、話術といい、ニワトリの鳴き声からして楽しいし、音の使い方もみごと。競馬シーンでの音楽の盛り上げ方もうまく、わくわくしてくる。スクリーンの中だけでなく、スクリーンに . . . 本文を読む
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No894『月光の女』~ただどうしようもなく…~

♪「なんとか生きてる~」という歌詞が、ちょうど今の自分の状況にぴったりな気がして追われるような毎日。そんな中で、昨日、仕事帰りに久しぶりに映画を見に行くことができた。ルンルン気分で向かったのはプラネット。ウィリアム・ワイラー監督の『月光の女』(1940年)。はりきって行ったわりに、疲れがでて前半少し眠かったがフィルムトラブルで、映写機の交換の間にすっかり元気を取り戻した。(デジタル上映では、途中で . . . 本文を読む
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No890-2『J・エドガー』~信頼の絆あればこそ…~

初めての塚口サンサン劇場。急に思いついて行ったので、ちょっと迷った。あの近さでと笑われそうだが、駅南口の改札から、適当に山勘で右手に行ってしまい、サンサン三番館と名前は似ていても、ダイエーとかあるだけ。駅まで戻って、今度は左手正面のツタヤの方に行ってしまったが、これも間違いで、要は、駅からまっすぐ左に向いて進めば、ほんの1、2分程。とてもきれいな映画館で、梅田からだと、なんと西宮よりも近いとは知ら . . . 本文を読む
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No893『ブリューゲルの動く絵』~一枚の絵から、世界をつくりだす試み~

書くというのは、自分が見たこと、聞いたこと、感じたことを全部、総動員して、自分なりの思い、考えでもって、再構成し、言葉でもって示すことなのかなと、最近、考えたりしていた。そんなとき絵が好きな学生時代の友人に誘われ、シネ・ヌーヴォのレイトを観に行った。今までブリューゲルの絵を観たことはあっても、人や動物やいろんなものが細かく、無数に書き込まれているという印象しかない。ブリューゲルを知らずして、どれだ . . . 本文を読む
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週末。

土曜日の朝、窓をあけてベランダに出ると、11月終わりに植えたチューリップの球根の芽が、先週末よりも少しだけ大きくなっているような気がした。 5つ植えたうち、芽が出たのは4つ。厳しい冬のせいか、まだ3センチ位で、なかなか大きくならないが、なんとか咲いてほしい。今日、水をやっていると、土の間から、枯れたと諦めていた球根の鮮やかな黄緑色が見えて、びっくりした。今までずっと地中でひっそりと生きていたのだ . . . 本文を読む
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海底トンネル事故~『どたんば』という映画のこと~

そのとき、「水が出た、逃げろ」という声が坑道の中から聞こえ、海水がどっと後ろから押し寄せてきたそうだ。立て坑にいた61歳の角井さんは、らせん階段を駆け上り、途中からは水圧ではね上げられて、助かったと新聞にある。どんなに怖かったことかと思う。地下34メートルに潜っての海底での仕事の危険と不安。2月7日に起きた岡山倉敷での海底トンネル事故。地下深くに潜っていく仕事の怖さは、さまざまな映画で描かれてきた . . . 本文を読む
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No891-2『サラの鍵』~サラを見守る大人たちの哀しく温かな眼差し~

朝の光が差し込む中、ベッドのシーツの中で弟と戯れるサラ。無邪気に笑うサラをとらえ続けるカメラ。突然、ドアを乱暴に叩くノックの音で悲劇が始まった…。 冒頭、フランス警察のあまりの乱暴で、非人道的なふるまいが描かれる。パリのユタヤ人を理由もなく家族皆、逮捕し、ヴェル・ディブ競技場に閉じ込め、パリ郊外の収容所へと移送する。収容所で、夫婦を離し、母親と子供を引き離す。泣き叫ぶ子どもたちと母 . . . 本文を読む
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No892『ピアノマニア』~理想とする音を求めて~

調律師のドラマといえば、『四季・ユートピアノ』(1980年)。 J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」のメロディが忘れられずタイトルがわかったのは、数年後で、今でもこの曲を聴くと、胸が熱くなる。本作の主人公は、スタインウェイ社のピアノ調律師シュテファン・クニュップファー。仕事がまさに天命のように、労を全くいとわない姿がすてきだ。最初、少しカメラ目線を意識しているようにもみえたが、段々気にならな . . . 本文を読む
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No891『サラの鍵』~今を生きる者達へと受け継がれる過去の重み、哀しみ~

現在と過去の交錯の仕方がうまい。ジャーナリストのジュリアはふとしたきっかけで、パリの引越し先のアパートの歴史を紐解いていくうち今まで隠されてきた真実を知る。と同時に、秘密を隠さざるを得なかった人たちの切実な思いも知らされていく。痛ましい悲劇にあったユダヤ人の少女サラに、あたたかい援助を惜しまなかった人々…。その思いやりの深さが、観る者の胸を打つ。1942年、ナチスの占領下のパリで起こ . . . 本文を読む
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