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『波のした、土のうえ』巡回展その2

「ここに生きたもの、いまいるもの、これから生まれるもの、全てが同じ場所にいるような気がする。 時間から切り離されて、この場所に重なっている。私の目には、いまあるものしか見えないけれど、ただ見えないだけのような気がする」 「津波で風景が流されてしまって、それはまるで、こころが流されてしまったかのようだった。もしかしたら、こころって自分の身体のなかにだけあるんじゃなくって、風景とか町とかとか、 . . . 本文を読む
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『波のした、土のうえ』巡回展その1

「なんだろう、ここにある、とにかく巨大な体積をもったさみしさは。町が流されて、人が流されて、それと引き換えに置いていかれたさみしさが結合していく」 「巨大な巨大なさみしさ」 このフレーズに釘づけになった。2011年震災が起きた時、小森はるかさんと瀬尾夏美さんは、東京芸大の同級生だった。小森さんが、映像作家、瀬尾さんは、画家で作家。カメラで写すことで、人を傷つけることもあると感じていて、なかなか . . . 本文を読む
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No1314『アクトレス 女たちの舞台』~年を重ね、傷ついてもなお…~

パッヘルベルのカノンが流れる中、スイスの山岳地帯の山あいを、雲がもわあっと動いていく…。その雲のゆっくりとした動きに、ただもうみとれ、吸い込まれた…。自分という存在を丸ごとかっさらっていかれるような感覚。 世界的に活躍する女優マリア(ジュリエット・ビノシュ)がオファーを受けた役柄は、20年前、18歳で自分が演じた若き美女シグリッド役ではなく、その相手方で、シグリッドに . . . 本文を読む
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寒い晩に…

映画の帰り、いつも通る商店街の酒屋の店先に、灘の酒造の酒粕入荷と、手書きで書かれた張り紙があった。思わず、立ち止まり、少し思案して、店の中に入ってみた。まだ酒粕が残っているか聞いてみると、おばちゃんがにこにこと箱から一つ出してくれた。300円くらいだったか。柔らかくて、いい匂いがした。子どもの頃、粕汁なんて食べたことがなく、大学の生協食堂で食べたのが初めてだと記憶している。味噌汁とも豚汁とも違って . . . 本文を読む
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2015年日本映画ベストテン

外では、風がびゅうびゅうと強く吹いていて、街中がざわめいているのが、窓越しに聞こえてくる。こんな晩は、なぜか寝付かれなくて、いつまでも、なにか書いていたいか、音楽を聴いていたいような気持ちになる。 一年が終わって、ベストテンの季節になりました。キネマ旬報はじめ、あちこちで、それぞれの選評が発表されていますが、私自身は、年々鑑賞本数が減っていく中で、昨年は、とりわけ、邦画をあまり観ていません。なの . . . 本文を読む
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「A HAPPY NEW YEAR」

松任谷由美の「A HAPPY NEW YEAR」を、DEPARTURESのボーカルのKEIKOさんのFACEBOOKで見つけて、久しぶりに聴いて以来、何度も繰り返し聴いている。切なくてさびしいメロディが大好きで、バックのピアノの旋律がたまらない。YouTubeのサビの部分。https://www.youtube.com/watch?v=2RZ4KJPFpYk ポケットビスケットとゆーみんとのライ . . . 本文を読む
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No1313『クリード チャンプを継ぐ男』~背中越しにみる風景~

ボクシングといえば、「あしたのジョー」が大好き。孤独な主人公が、がむしゃらに努力を重ね、泥沼から這い上がる姿に、希望を感じ、持てる力をすべて使い果たして、最後の試合で、燃えつきる姿に、とことん心酔した。矢吹丈は、暗黒の高校時代、あこがれであり、心の支えだった。でも、同じボクシングの世界を描いたロッキーの映画は、メジャーな映画に興味がなかったせいで、ほとんど観たことがなく、今回、友達から教えてもらい . . . 本文を読む
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音楽散歩道その31~聴き初め~

連休の中日の日曜日、長堀橋WAXXに、TMNETWORKカバーバンド、FANKS NETWORKのライブに行ってきました。曲目は、Wild HeavenChildren of the new CenturyLoudTelephone LineThe point of lovers' night 本物のTMNETWORKをほとんど知らない私にとって、どの曲も、TK-WAVEというイベントの中で、友 . . . 本文を読む
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No1312『雪の喪章』~雪景色の中で流転する男女の運命を描ききる~

冒頭、喪服を着て座っている若尾文子。隣に座っているのは夫。そこにカットバックで、婚礼の二人の姿が映る。色鮮やかな花嫁衣裳に身を包んだ若尾が、初夜の寝間に通される。外には、しんしんと雪が降り積もっている。雪景色でつないだような、法事と婚礼とのカットバックに息をのんだ。ドラマチックに移り変わる夫婦のさまを予感させる見事な語り口。 このカットバックが、ラスト、天知茂の訃報の知らせに、若尾が花屋に電話で . . . 本文を読む
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No1311短いほうの濱口竜介監督短編特集~『記憶の香り』『はじまり』『Friend of the Night』などなど

おもしろかった!仕事帰り、睡眠不足+疲労+治らない風邪を抱えて、せっかくわざわざ神戸まで行ったのに寝ちゃったらやだなあと心配しつつ、駆けつけたけれど、意識が冴えて、逆に元気が出た。濱口竜介監督の映画の不思議な魅力に迫るいろんな鍵がいっぱい散りばめられているようで、お薦め。初見の『記憶の香り』もよかった。  観たのは、CDEプログラム。描かれているのは、どこにでもある日常の風景。でも、登 . . . 本文を読む
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年のはじめに

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。『マイ・ファニー・レディ』というピーター・ボグダノヴィッチ監督(『ラスト・ショー』(71)『ペーパー・ムーン』(73))の映画が昨年12月に公開されていて、映画自体は、可もなく不可もなくという感じでしたが、この映画を紹介するために調べていて、とてもすてきな言葉に出会ったので、新年の初めにご紹介したいと思います。オードリー・ . . . 本文を読む
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