1974年2月22日、ニクソン大統領を暗殺しようと
民間航空機をハイジャックし、
ホワイトハウスを襲撃しようとした男がいた。
サム・ビック。45歳。
アメリカの平凡なセールスマン。
妻や子供たちと別居していたが、
家具の営業の仕事を得て、
家族一緒の生活をやりなおそうとしていた。
しかし、運命の女神は彼に冷たい。
仕事はうまくいかずに、解雇され、
妻には疎ましがられ、
商売を起こそうと申し込んだ . . . 本文を読む
電車男とかけて、靴ととく。
その心は、オシャレは足元から・???。
電車男の足元は、
スニーカーから革靴へと変わる。
エルメス嬢は、いつもおしゃれなパンプス。
そして、応援するサイトの人間たちが
最後にはくのは・・
予想外に楽しめた。
電車男を応援する外野の人物像が
うまく映像化されていたからだろう。
実際には、不特定多数なのだろうが、
何人かにしぼり、
設定を曖昧にして、説明しすぎず、という . . . 本文を読む
「夫婦善哉」で有名な豊田四郎監督特集の1本。
京マチ子がなまめかしく、色っぽい。
弟たちを食わせていくために
水商売を転々とし
今は、高校生の娘を
一人で育てるために、酒をあおりながら
お金を稼ぐ手立てに苦心を重ねる。
水商売の女として、打算的ないやらしさと、
初恋の人に出会ったときのいじらしさ
母親としての強がりと強さ
女の怖さ、弱さ、
人間のいろんな内面を
見せてくれて、魅力的だ。
今年 . . . 本文を読む
今年70歳を迎えるギリシャの巨匠、アンゲロプロス監督の最新作。
「旅芸人の記録」「こうのとり、たちずさんで」と
この監督さんの作品は長くて、眠い。
しかし、美しい。
映像による叙事詩。
独特の美学と静謐な映像が心に残る。
本作も、実は、前半、眠たくなる。
ほとんど動きのない場面が多い。
ファーストシーンも
黒い服を着た数十人の難民がこちらに向かって
歩いてくるのを、静かに写し続ける。
その立ち姿 . . . 本文を読む
1974年公開版のデジタルリマスター版。
10年近く前、映画好きが薦めてくれ、
ビデオで観たものの、そんなにいいと思わなかった。
今回、スクリーンで味わってみようと足を運んだ。
水曜レディースデーで、大阪の繁華街、梅田というのに
ほぼ半分の入り。
熟年層が多く、
74年当時の感動を再び、という客が多そう。
観終わって、スクリーンで観てこその作品と感じた。
ラスト20分ほどは、涙が止まらず
まさ . . . 本文を読む
「ハサミ男」という題名といい
美人女子高校生の惨殺なんてあらすじにあるので
どんな怖い作品かと思いきや
これは、話の導入であり、
ほとんど犯人と警察との捜査の中での
心理ドラマです。
(ミステリーとホラーの違いですね)
しかし、ある意味、心理的には
ものすごく怖いドラマです。
犯人の人間像がすごい。
もうラストは驚きでした。
ミステリーの凄さは
こういう人間の心の闇があるのだと
観客に同感させ . . . 本文を読む
去る日曜、
京都みなみ会館に活動弁士の澤登翠さんがお越しになり
活弁映画大会が開催されました。
上映映画は、
清水宏監督「森の鍛冶屋」(1929年)
小津安二郎監督「東京の合唱(コーラス)」(1931年)。
清水監督は、「東京物語」で有名な小津監督とも親交が深く、
1930年代の日本映画の黄金期を支えた監督の一人。
あまり知られていませんが、
子どもを主人公にした作品や(「蜂の巣の子供たち」ほか . . . 本文を読む
イラク戦争勃発の数日前から
1年半かけて取材したドキュメンタリー。
空爆前の平穏な商店街が
一夜明ければ、人々が泣きまどう惨禍へと変わる。
子供たちの遺体を前に泣き叫ぶ家族。
ここまで写していいのだろうか、と思うほど
カメラは、凄絶な病院の光景や
崩れた家々を
うつしとっていく。
死んでゆく者、死んだ者、見守る家族、
傷に苦しむ者たち。
世の中で一番不孝なのは
幼き子供を亡くした親だ。
ただ . . . 本文を読む
重い。
思い返すたびに、重さで苦しくなる。
でも、観終わって時間が経つにつれ
重さよりも、暖かみが増してくる。
映画の作り手が
伝えたかったことが
じわじわとにじんできて
胸が熱くなる。
やたら人に薦めたくなるけど
むやみには薦められないとも思う。
ストーリーラインだけ言えば、
きわめてシンプル。
「え、そんな話?」で終わってしまうかもしれない。
「でも、そうじゃないよ」と言いたい。
派手 . . . 本文を読む
鈴木清純監督の名前につられて観にいった。
「ええっ、なんなんだ!!??」
というのが最初の正直な感想。
「でも、結構、おもしろかったような・・」
というのが2番目の感想。
にしても、清順監督、
一体、何を考えて、こんな
映画をつくったのだろうと考えてしまった。
実は、狸御殿ものは、邦画史上でも何度も映画化されており
清順監督がずっと暖めていた企画だそうだ。
今、じっくり思い出してみると
それ . . . 本文を読む
媚薬のような(?)映画。
強烈な個性があって、妙にはまってしまう。
話に勢いがあって、テンポがいいから
乗ってしまえば、あっという間に見せられてしまう。
というのも、役者たちのパワーが驚くばかり。
主演の長瀬智也と中村七之助が凄い。
弥次さん演じる長瀬のふっきれたような演技があるからこそ
みごたえのある作品になったといえよう。
なよっとした中村が、気の弱い喜多さんにぴったり。
研ナオコはじめ、 . . . 本文を読む