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帰省第2弾~夏休みの宿題のお手伝い~

1週間前の日曜の夜だったろうか。非通知でかかった電話をおそるおそる取ると、こどもの声で、いきなり「僕たち、今度の土曜日、◇◇(実家のある場所)に行くんだけど、お姉さんも遊びに来れない?」と元気に聞こえてきた。はじめは、面食らったが、すぐ思い当たった。お盆の帰省の時、会うことができなかった名古屋の甥っ子だった。うしろで「ちゃんと名乗らなきゃ、わからないでしょ」と義妹の声が聞こえる。いきなりのお誘いに . . . 本文を読む
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No974『水玉の幻想』~芸術が舞い降りる瞬間~

カレル・ゼマンのチェコアニメ。日曜日に観て、そのよさがわかるのに、一晩かかった。1948年の11分の短編カラー映画。セリフもなく、ガラス細工によるストップ・モーション・アニメーション。本当に繊細できらきら美しい世界。昨晩は、そのきれいさしか、わからなかった。 一晩たって、感じたこと。何よりすばらしいのは、たんぽぽの綿毛がふうわりと飛んで、葉っぱの上の水滴(水玉)の上に舞い降りること。水滴の中には . . . 本文を読む
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No973『クリスマスの夢』~ピアノの上を歩く人形~

なんとなく魅かれて、というか、映像叙事詩とか、詩情いう言葉に弱い私。今日も、神戸の元町映画館に向かった。今回、カレル・ゼマン監督の7作品を全部観て感じたのは、繊細さよりも、ユーモア。『クリスマスの夢』少女は、クリスマスで新しく贈られたお人形に夢中になり、古い手縫いの人形を床に放り投げてしまう。夢の中で、人形が起き上がり、少女の気をひこうと、手の甲をそらせて、しゃきしゃきした感じで踊るように歩き出す . . . 本文を読む
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No972『盗まれた飛行船』~遊び心満載。特撮映画のおもしろさ~

神戸に元町映画館ができて2周年記念とのことでカレル・ゼマン監督のチェコアニメ特集。豪雨で家を出遅れ、ちょうどよい時間と足を運んでみた。1周年のエリセ監督特集より、客数が少なくさびしい。 いきなり冒頭からびっくりした。古代、中世と、切り絵のような絵と動きのわずかなシーンがいくつか並べられて、一気に時代が進み、19世紀末。気球や人力飛行船が並ぶ博覧会のような会場。5人の少年たちが、ちょっとしたハプニ . . . 本文を読む
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No971『記者それぞれの夏~紙面に映す日米戦争~』~戦争の中で、記者として、人間として~

木村栄文特集の最終日。金曜の晩、梅田駅の、待ち合わせに集うにぎやかな人々を横目でみながら、やっぱり、映画を観るってのは、孤独な試みだなあとなんとなく寂しい気分で、十三へ向かう。 ドキュメンタリーはやっぱりおもしろい。太平洋戦争時の、日本とアメリカの新聞が戦争をどんなふうに伝えようとしたのかを追っていく。 日本軍による真珠湾の奇襲攻撃に激怒したアメリカ。ルーズベルト大統領が、日系人をすべて強制収 . . . 本文を読む
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夏の風物詩~青春の地 京都にて~

京都の五山送り火をみにいった。10年ぶりぐらいだろうか。 京都のお祭りの中でも、五山の送り火は、京都の街のどこからでも見ることができ、人ごみにもまれることもなく、風情もあって大好きだ。学生の頃、京都で下宿していたので、帰省していても、送り火がみたくて早めに戻ったり、みれないと、泣きべそかきながら、実家の愛知でテレビをみて我慢したのを思い出す。仕事で大阪に移ってからも、しばらくは友達を誘ったりして . . . 本文を読む
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No970『むかし男ありけり』~海を見つめる男の寂しい背中が重なり合い…~

公開講座木村栄文レトロスペクティブリターンズの1本。木村さんは、福岡市生まれでRKB毎日放送に入社し、数々のドキュメンタリー作品を残した。本作は、高倉健さんが、「火宅の人」の作家檀一雄が晩年を過ごした土地を訪ねていく。1984年の作品。ポルトガルの西海岸、大西洋に面したサンタクルスがすばらしい。檀一雄といえば、最後の無頼派作家と呼ばれ、妻子がありながら愛人がいて、世界をひとり放浪する流浪の作家でも . . . 本文を読む
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帰省雑感。~昔と変わらぬ「人生ゲーム」に悲喜こもごも~

今年のお盆は、小学5年生の甥っ子とずっと一緒に遊んで終わってしまった。といっても3日間。バドミントンをやって、卓球やって、UNOをやってといつもと同じ調子。 今回は、父が何かおもちゃをプレゼントしたいと近くのイオンに行ったが、めぼしいものがなく、皆で遊べるようにと、甥っ子が選んだのは「人生ゲーム」。友達の家で遊んで、とてもおもしろかったそうだ。そういえば、私が小さい時も友達の家で遊んで、えらく楽 . . . 本文を読む
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No969『ぼくたちのムッシュ・ラザール』~ラストの寓話に託した万感の思い~

地味だけれど、心に残るいい映画だ。公開すぐに観て、いの一番にご紹介したいと思いながら、ゆっくり紹介する余裕がなく、やっと書くことができる。 カナダの冬の朝。若い女性担任教師のマルティーヌ先生が教室で自殺を図る。動揺する学校に、後任としてやってきたのが、アルジェリアで教えていたというムッシュ・ラザール。ラザール先生と子どもたちの関係がとてもいい。子どもたちの声を聞き逃さないよう、丁寧で親切ででも、 . . . 本文を読む
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No968『あの日 あの時 愛の記憶』~封印された記憶に向き合う~

ポーランドのアウシュヴィッツ収容所での死亡者数には諸説あり、何十万人どころか何百万人にものぼるらしい。その中で600件の脱出があり、その3分の1が成功したという。本作は、1944年に収容所で出会い、恋に落ち、一緒に脱出したものの、途中で別れ別れになり、39年後に再会を果たしたという実在のカップルをモデルにしている。ナチスの収容所での生活ぶりを描いた映画は多いが、本作での描写も凄惨だ。ユダヤ人のハン . . . 本文を読む
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No967「生きつづけるロマンポルノ」②小沼勝監督と谷ナオミ

日曜日、花火が終わって観た、テアトル梅田でのレイト上映。ポルノもやっぱり脚本だ、女性の心理をきちんと描きこんだ情感豊かな作品がいいとか思ったりしながら、とりあえず、小沼勝監督作品『花芯の刺青 熟れた壷』(1976年)を観に行ってみた。(タイトルを書くのもためらわれますが)驚いた。あまりの狂いように、あっけにとられた。谷ナオミの強さ。徹底した演技ぶり。最後は、彼女のほうが、性を謳歌している。からだ中 . . . 本文を読む
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映画の合間に~夏の夜を彩る花火…~

4日の土曜日、夕刻地下鉄に乗ると、浴衣姿の人が目立ち、今日は淀川花火があると思い出した。スカイビルのリーブルでのワイズマン監督作品は、人の多さが思いやられて延期。テアトル梅田で新作を見て、次のレイトを待つまでの間、花火の音につられて、外に出た。何年か前、プラネットでの映画の合間に、少し北の大通りまで出ると、近所の家族連れとかがいっぱいいて、通りの向こう、ビルの谷間に花火が見えたのを思い出した。 . . . 本文を読む
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No966アンゲロプロス監督特集~神戸元町映画館にて~

神戸の元町映画館にて、毎月数本ずつ、アンゲロプロス監督の全作品上映が始まっている。今週は、『シテール島への船出』『狩人』。どちらも初見で、日曜日、2本続いて観たものの併せると5時間を超える大作で、不覚ながら、若干、睡魔に襲われてしまった。7月の連休に、しっかり睡眠をとって、『旅芸人の記録』をちゃんと観ることができた充実感とはおよそほど遠い。でも、見終わって、なにかしら、日常とはまるで違う独特な時間 . . . 本文を読む
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