goo

鴨居玲展~私の話を聞いてくれ~

憂きもひととき うれしきも 思い醒ませば 夢候よ 酔い候え 踊り候え    ~「閑吟集」(室町時代)~       鴨居玲が絵のモチーフにつかった一節~ 鴨居玲(1928年~85年)を知ったのは、昨年のこと。 読売新聞夕刊の「芥川記者の展覧会へ行こう」で 没後20年の展覧会が石川県で開かれるとあった。 紹介されていた絵の、どうしようもない暗さにひかれ、 いつか見たいと思っていたら、 神戸六甲アイランドの、小磯記念美術館にきているとのこと。 終了間近とあって、花粉症にめげず、みにいってきました。 . . . 本文を読む
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

No191「クラッシュ」ポール・ハギス監督

~映画の神様が微笑んだ・・・凄い脚本、演出、これぞ“映画”です。~ 最近、これほど深く人間を描いた作品を知らない。 人間の業の深さ。 苛立ち、怒り、恐怖、怖れ・・ アメリカ、ロサンゼルスという人種のるつぼの国で暮らし、日々、差別と向き合っている。 それだけストレスも大きい。 ささいなことで苛立ち、怒り、怖れ、恐怖し、不信にとらわれ・・・ そんなネガティブな感情を抱く人間たちの姿をまっすぐに描きつつ、 それを超える人間の尊さをさりげなく描いている。 人間万事塞翁が馬、と言うは、易し。 いざ自分の身に災難が降りかかった時、人間はどう向き合えるか。 それがこの映画。 数々の衝突(事故、事件、クラッシュ)に巻き込まれた人たちの姿を描いた群像劇。 一人一人の抱えている人生の重さが迫ってきて、涙が止まらない。 映画の神様が微笑んだとしか、いいようのない世界で、 すばらしい脚本、演出。役者たちに感涙。 . . . 本文を読む
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

No190「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」ジェームズ・マンゴールド監督

~ 君がいたから今の僕がいる ~ 1950年代、ロカビリーの黄金時代を築いたジョージ・キャッシュの デビューから人気スターへ、ドラッグで身を持ち崩し、復活するまでを描く。 彼とツアーを共にし、二人目の妻となるジューン・カーターを演じる リーズ・ウィザースプーンは、みごとアカデミー主演女優賞に輝いた。 キャッシュを演じるホアキン・フェニックスが主演男優賞を逃したのは残念だったが、 この二人、 歌、ギターを特訓して、全て自ら演じた苦労が映像に結晶している。 舞台で二人が歌うシーンはリアルで、 映画をみながら、つい歌にあわせて足踏みしたくなった。 監督は、舞台での撮影にこだわり、手持ちカメラで、照明も最小限にしぼり、 マイクも当時のものを使い、歌い手の心の揺れを繊細に描きとった。 . . . 本文を読む
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )