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京都映画祭「チャンバラ映画の真髄を探る」シンポジウム

チャンバラにも、2つある。 リアリティを追求したものと 様式美を追求したもの。 リアリティ派は、満身の力で刀を振り、立ち回り、切りかかる側も、痛さ覚悟。 様式美派は、踊るように、刀を振る。 歌舞伎出身で踊りに覚えのある市川歌右衛門、大川橋蔵は、様式美。 大河内伝次郎、片岡千恵蔵らは、リアリティ派。 様式美のみにこだわりすぎたとき、 ちゃんばらは、「見せるために斬る」つまらないものになる。 中島 . . . 本文を読む
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No22 京都映画祭「幕末剣史 長恨」伊藤大輔監督

1926年。サイレント。 現存するのは、全体の6分の1で、最終巻の13分のみ。 しかし、よくぞ、この最終巻だけでも残ってくれたと 感謝したい。 ここに展開するのは、 撮る側、撮られる側の、汗と努力の結晶のような映像。 主人公、大河内伝次郎が、 弟と恋人を逃がし その幸せを祈りつつ、 多勢に無勢の中で、 斬りあい、最期は死んでいく。 画面から、 主人公の思いが、情念がにじみでて 涙なしでは観ら . . . 本文を読む
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No21 京都映画祭「奇傑ゾロ」F・ニブロ監督

1920年の無声映画。 ダグラス・フェア・バンクス主演の剣劇映画。 今年の京都映画祭は 「ちゃんばら」に注目。 無声映画とはいえ、生のピアノの伴奏がついて 迫力満点。 舞台はカリフォルニア。 圧政にあえぐ民衆を助ける 謎の黒マスクの男「ゾロ」が現れる。 マスクといっても、 目と頭だけを布で覆って、 鼻、口は露出したまま。 ゾロが、逃げる。 走って、走って、ひょいと柵をとびこえる。 追っ手は、 . . . 本文を読む
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No20「歌うつぐみがおりました」オタール・イオセリアーニ監督

ソ連グルジア共和国生まれの監督の1970年の作品。 もちろん白黒。 オーケストラの若き奏者ギアは、 職場でも、遅刻の常習犯。 遅刻したけど、間一髪で、演奏に間に合う タイミングが、なんともユニーク。 フィリップ・ジェラールと ヒュー・グラントを足して2で割ったような 男前のギア。 彼は、いつも街をすたすたと歩いている。 街中が彼の知り合いみたいに 彼が歩くそばから、何かが起こる。 ある時は、 . . . 本文を読む
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No19「スウィングガールズ」矢口史靖監督

やっと手に入れた中古のテナーサックスを 鈴木(上野樹里)が川辺で吹いて、練習していると、 風に乗って、どこかから ピアノの同じメロディが聞こえてくる。 サックスを吹きつつ、茂みをかきわけて 音のする方へ進んでいくと、 川岸の向こうで 同じ仲間の男子中村(平岡祐太)が電子ピアノを弾いているのを 発見する。 目があう二人。 川をはさんで、二人のスイングが始まる。 なんと映画的な光景だろう。 スイング . . . 本文を読む
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No18「父と暮らせば」黒木和雄監督

宮沢りえ様 あなたがこんなに演技が上手にならはって 本当に、びっくりしました。 あなたの広島弁は、そりゃあ流暢で、 すっかり見惚れてしまいました。 細腕で、しっかりと つつましく、ひとりで生活されてきた様子が あなたの物腰からうかがわれ、 ほんにすばらしかったです。 井上ひさしさんの戯曲を映画にされたそうで 登場人物は、あなたと原田芳雄さん、浅野忠信さんの3人だけでした。 あなたと原田さんの畳 . . . 本文を読む
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No17「華氏911」マイケル・ムーア監督

小泉首相が「政治的な立場が偏った映画は僕は観ない」とコメントし、 日本でも賛否論を呼んだ「華氏911」は、マイケル・ムーア監督の長編第2作で、 カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品。 監督は、前作「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアメリカの銃社会を鋭く批判し、 アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー作品賞に輝いている。 ドキュメンタリーといいつつも、 反ブッシュ、反イラク戦争という強烈なメッセ . . . 本文を読む
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No16「小早川家の秋」小津安二郎監督

小津といえば、 家族を静かに描いた、淡々とした作品、という イメージがあるが、 本作品は、小津監督が宝塚映画に出向して撮ったせいか、 どことなく、おおらかな作品に仕上がっている。 番頭2人の会話の妙や、 父、中村雁治郎と長女、新珠三千代の口けんかなど 何度も場内から笑いが起こった。 昔の女とばったり会って、足繁く通う中村がかわいらしい。 新珠が、あてつけに、箪笥から父の外出用の着物を出すシーンや . . . 本文を読む
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No15「誰も知らない」是枝裕和監督

前評判が高いのと、 事前に物語の大筋を知ってしまったこともあって、 観ている間は、その淡々とした語り口に 物語を綴っている、という印象を受けた。 しかし、 ラスト近く、 太陽の光をあびて、 きらきら光る柳楽優弥くんのうなじのショットに どきりとした。ハートをぐいと摑まれたような気がした。 つんざくような飛行機の轟音。 柳楽くんの袖をひっぱる手。 はっと目を落とすと弟の顔。 このシー . . . 本文を読む
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No14「16歳の合衆国」マシュー・ライアン・ホーグ監督

16歳の少年リーランドが恋人ベッキーの弟の知的障害者を殺してしまう。 「なぜ?」 少年院で彼の担任となった教師パールとリーランドとの交流を主軸に、 彼を取り囲む家族らの姿を、 事件の前と後と、時間軸を交差させながら描く。 少年の心の奥底はわからない。 しかし、家族をはじめ、 誰もが事件の理由を知ろうとする。 作家をめざしているパールも、事件のことを作品にしたいと リーランドと面接を始める。 パ . . . 本文を読む
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No13「シュレック2」

映画の魅力満載。歌、踊り、アクション。 アニメでありながら、いつのまにか、実写映画以上に、登場人物たちの心に寄り添っている。 クライマックスは見事 お姫様は、「かっこいい」王子様と「キスをして」、「美しく」幸せになりました、という おとぎ話を、痛快に裏切る。 その裏切り方が、見事で、 人間、自分らしく、自分自身であれば、それでいいのだ、という ごく当たり前のことだが、なかなか思い続けることが大変な . . . 本文を読む
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No12 「茶の味」石井克人監督

春野家の人々の風景。 好きな子ができた高校生のハジメ もう一人の自分が、自分を見ているのがみえる小学生のサチコ 何かいつもしきりに書いている母 あんまりしゃべらない父 かなり「とんでる」はちゃめちゃな存在の祖父。 あまり会話のない食卓。 いつもの風景が淡々と綴られていく。 ばらばらのようで、そうでもないらしい。 なにかのんびりした空気が流れていて その感じがすばらしい。 たとえば、 サチコが縁側 . . . 本文を読む
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№11「秋日和」小津安二郎監督

嫁に行く娘アヤの女友達百合子(岡田満莉子)の茶目っ気が魅力いっぱい。 佐分利信、中村伸郎、北竜二といった、老年にさしかかった男たちを相手に、思ったことをずばずば言い、ドライで、やさしい性格が楽しい。ウイットに富んだ会話は、思い出してみても、笑いがこみあげてくる。 小津さんはよく人間を観ていたのだろう。 家族をめぐる感情というのは、人間にとって 共通のものだ。 小津さんが、父と子、母と子など、 . . . 本文を読む
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