ついに観ました。『日本侠花伝』1973年。真木洋子さん、めちゃいいです。
冒頭、列車の中で、乗客相手に本を売るところから始まる。そういえば、渥美清さん演じる寅さんが縁日で売ってる口上に似ている。真木さんが、声に張りがあって、懸命に売る姿を長回しでとらえ、すばらしいファーストシーン。実は宇和島の問屋の息子と駆け落ちしていて、真木演じるミネは生活費を稼ごうとしている。
その列車で渡哲也演じる清次郎 . . . 本文を読む
10月末までにfacebookに感想を書くと、抽選でプレスレク資料等が当たるということを覚えていて、今日、帰ってあわててブログに書いたものを推敲して、短くまとめ直して、掲載しようとしたら、すでに、10月初めに書いたものがあって(すっかり忘れていた、、)、その文章の差し替えで終わってしまった。せっかく書き直したので、こちらのブログでも短縮版ご紹介させてください。
死をこんなに美しく描いたアニメはな . . . 本文を読む
この邦題は、ちょっといまいちの印象なのですが、シーモア・バーンスタインという89歳のピアノの先生のドキュメンタリーです。ちなみに英題は『Seymour: An Introduction』すばらしい音楽映画でもあり、人生映画にもなっています。シーモアさんが奏でるピアノの一音一音が、夜空にきらめく星のように心にしみこみ、胸を打ち、音と音の間の余韻が、漆黒の夜空のように静かにしみわたります。自分の音を求 . . . 本文を読む
加藤泰特集。『みな殺しの霊歌』は、初めて観た時、私は佐藤充が好きなので、期待して観たものの、殺しのシーンが残忍でもり、なんともいたたまれなかった。と同時に、下町の食堂の店主のじいさんと、ロック好きの息子の微笑ましいやりとりや、店員として懸命に働く倍賞千恵子がすてきだった。
今回、久しぶりに観て、倍賞千恵子のラストシーンがなんとも心に残った。土砂降りの雨の中、水門の土手の道。手前の、草花が一輪咲い . . . 本文を読む
お竜さんを演じる藤純子の、落ち着きがあって、りんとした響きの、よく通る声を聞いているだけで、とても気持ちがよい。「どげんすっと」とか、熊本弁の優しい響き。そして、藤純子の立ち姿、歩く姿、仁義の挨拶で、少しかがんだ姿といい、とても美しく、気品があって、様になっている。ぴんと背筋が張った立ち居振る舞いが、絵になる。
お竜さんは、若い男女が添い遂げるのにそっと手を貸し、自分は、任侠の世界で . . . 本文を読む
「緋牡丹博徒」シリーズ8作品の中の第3作で、加藤泰監督の1969年の作品。
西之丸一家の親分を演じたアラカンこと嵐寛寿郎と、その子分役の山本麟一のやりとりに泣けた。
最初、有名な線路を穴掘ってカメラを地面スレスレで撮ったようなショットから、電車にひかれそうになった目の見えない少女をお竜さんが助けるシーンで始まる。タイトルロールに続き、お竜さんの、仁義の挨拶のシーン。このときの、ハキハキした、藤 . . . 本文を読む
遅くなりましたが、10月9日の加藤泰監督特集での映画評論家山根貞男さんのトークから印象に残ったことを少しだけご紹介します。といっても、楽しすぎて、肝心なことをあまり覚えてないかもしれず、すみません。
トークの前に上映された『車夫遊侠伝 喧嘩辰』を山根さんも客席で一緒に観られていて、上映後、司会の方が呼んでもすぐには登壇されず、お手洗いで、少し気持ちを落ち着けてきたと言われた笑顔に、とてもステキだ . . . 本文を読む
男と女のぶつかりあいの中で、女が思いの丈を、はっきりと口にして、ぶつける姿がいい。女も、負けじと、男の頬をひっぱ叩く。意地と意地のぶつかりあい。どちらも気風がよくて、たんかが気持ちよい。それでいて、それとなく互いの気を察する心遣いもあり、情と情とが交錯するさまの、ロマンチックなこと。泣かせます。
本当にすばらしい映画(1964年)です。大阪駅前で、人力車一台で、商売を始めようとする辰五郎は、偶然 . . . 本文を読む
ポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督追悼特集「永遠のオリヴェイラ」が神戸KAVCで始まりました!初日の今日、最後に観た『アニキ・ボボ』(1942年白黒)子ども映画の傑作です!子ども達が本当に生き生きとしていて、石畳のポルトの街に溶け込んでいて、泣いたり、笑ったり、表情豊かで、清水宏監督の子ども映画を思い出しました。主人公の少年が、大好きになった女の子に贈り物を渡しに、夜中家々の屋根を伝っ . . . 本文を読む
どういうわけか、ラスト、公聴会が終わったあたりから、涙が止まらんくて、自分でも困った。
とても地味な映画。だけど、普通の人が普通に、丁寧に、仕事を重ね、40年の経験に裏打ちされ、非常時に、数十秒で、冷静に、的確な判断をして、それが、結果的に、155人の乗客の命を救うという奇跡につながった。。。そのことに、とてつもなく感動した。。。
自分も乗客全員とも、墜落して死んでしまうかもしれない絶体絶命の . . . 本文を読む
シネ・ヌーヴォで、加藤泰監督生誕100年記念特集が始まりました。初日の今日は、美術監督の井川徳道さんのトークもあり、お客さんもいっぱい。勢いで5本も観てしまいました!お腹じゃなくて、心がいっぱいですが、重い作品と、軽めの明るい作品が入り混じっていたおかげで、楽しく観れて、あっという間の一日でした。『逆襲大蛇丸(おろちまる)』(1955年)初見。特撮忍術映画で、お家再興のために争う主人公と敵とが、忍 . . . 本文を読む
死をこんなに美しく描いたアニメはないと思った。水平線を飛んでいく鳥たち。真っ赤に染まった浜辺で、手をとりあい、ゆっくりと踊る老いた男女。深夜。ロングショットで、愛する人の死にはっと気付いた女の息遣いだけで死を伝え、再び満点の星の下、静寂が広がる…。砂浜をのそのそとはって、海へと去ってゆく亀の動きと、波の音、その時間に、涙があふれた。 壮大な叙事詩のよう。生と死。人間と自然。 めぐりゆ . . . 本文を読む
「時空を超えた純愛映画」であり、あざなえる時間と記憶の物語。「結び」について語る、祖母の話がとても興味深かった。恋も、縁のひとつ。紐(髪を結う紐)や糸が、効果的に用いられ、大活躍。
彗星のクライマックス。一瞬、場内が静まりかえり、彗星の輝きが、美しく悲しくもあり、一万秒くらいに思えた。。。ああ、この静けさを今、ここで、300人の見知らぬ人たちと共有しているのだなあと、感慨深く思えた。
男女の入 . . . 本文を読む
少し前になるのですが、9月を順番に振り返って、4日の日曜日、AGGRESSIVE BEAT CIRCLE(A.B.C.)の3rdワンマンに行ってきました!題して、「BE AGGRESSIVE 2016『LAST MISSION』」 ツインボーカルのMITSUNAさん、TAKAさんの安定感は抜群!
A.B.C.の「恋のタービュランス」という曲に、
「Turbu…Turbu&hell . . . 本文を読む
『君の名は。』を見にいこうと毎週末思うのに、あっという間に満席で、なかなか観れない。先に、同じアニメの『聲の形』を観た。想像以上にハードな作品で驚いた。
いじめ、聴覚障害、自殺、死…。閉じこもることは簡単で、つい心を閉ざして、まわりを見ることも、聞くことも拒絶してしまいたくなることがある。でも、心を開くことで、聞こえるものがあるし、見えるものがある、最後は、なんだか、そういわれた気 . . . 本文を読む