フレデリック・ワイズマン映画祭2009の1本。
軍事演習といえば、岡本喜八監督の『殺人狂時代』の
自衛隊の実弾演習場のトーチカを思い出す。
こちらは、1979年の旧東ドイツとの国境近くでのNATOの
秋季大演習の密着取材。
よくここまで撮影の許可がおりたとびっくりするほど
演習の部隊の中に入り込んでいる。
ワイズマンの作品は、どれもなんの説明もないから、
誰が何なのか、服装や表情や状況から読み取 . . . 本文を読む
野球の「楽天」が強い。
月見草が好きな野村監督の隠れファンなので、私もうれしい。
大黒柱の山崎選手も鉄平も元中日の選手で
新天地で巻きなおしをはかり、活躍している姿は
頼もしいばかり。
1年では成果は出ない、2年、3年と我慢、我慢で
やっと芽が出ると野村監督が言っていたとおりで
今季限りの監督の引退は本当に残念だ。
残る試合、ぜひともがんばって
いけるところまでいってほしい。
さて、フレデリック . . . 本文を読む
今日で終わったJ・フォード特集で、2回観る幸せに恵まれた。
主人公のスケフィントン市長が、常に冷静で、ユーモアを忘れず
いきりたつ部下を、なだめ、暖かさで包む。
この人間味がすばらしい。
選挙戦を描き、政治劇(富裕層との戦い)も描きつつ
家族や部下たちとの関わりの中でみえてくる、
市長の人間像に圧倒される。
映画が始まり、冒頭のクレジットタイトルが流れる間、
市長の再選を応援するパレードがずっ . . . 本文を読む
ジョン・フォード監督の傑作西部劇。
発展途上の西部における民主主義のありようを描きつつ
愛する女性の幸せを祈り、
自分は身を引き、影の存在に徹するジョン・ウェインの男らしさに
ただひたすら凄い、というしかない。
リバティ・バランスというのは、なんと悪党の名前!
東部から「若者よ西部を目指せ!」のスローガンに感化され
西部にやってきた弁護士のランス。
正義心ばかりが先走り、リバティと対決することに . . . 本文を読む
1878年、シャイアン族が、インディアン居留区での
病気と飢えに苦しむ生活に耐えかね、
2400キロ北の故郷に戻ろうと、一族従えての旅立ちを決意。
たくさんの女や子供とともに、ただ故郷に帰りたい一心で
歩き、馬車をひき、移動していくシャイアンの人々、およそ300人。
インディアン=悪、という公式しかない一部のアメリカ人の偏見の中で
彼らの命を守ろうとする追跡警備隊の大尉の苦悩を中心に描く。
追 . . . 本文を読む
プラネットプラスワンでのジョン・フォード特集の一本。
冒頭、やっぱり駅で始まる。
汽車が到着し、駅からみえる小高い教会に
日曜の礼拝のために雪道を歩いていく人々をとらえた
ロングショットが美しい。
『周遊する蒸気船』のウィリアム・ロジャースが
小さな町の気のよい老医者ブル先生を演じ、いい味を出している。
淀川長治さんの信条とする
「私は嫌いな人とまだ会ったことがない」という名言は
ロジャースさん . . . 本文を読む
大型台風襲来ということで、風がすごい。
東向きの窓のせいか、かなり強い風が吹きつけ、
アルミサッシの窓とはいえ、がたがた鳴って
すきま風が入ってくる。
といって、心細さに震えるなんてことはないが
思い出したのは成瀬巳喜男監督の『浮雲』。
日曜に宝塚のシネピピアで観たばかり。
ラスト、屋久島に赴任した森雅之と一緒に
島に住み始めた高峰秀子が
病の床で、一人、待っている。
珍しい晴天が、いつしかす . . . 本文を読む
銃弾が尽き、あわやというところで
騎兵隊に救われた駅馬車。
ジョン・ウェイン演じるリンゴは
敵討ちの3兄弟のいる街に着く。
本来なら、即、刑務所行きのリンゴに
保安官は、しばしの時間と自由を与え、
おまけにライフルを投げ渡す。
「銃弾は入ってないけどな」と言えば
リンゴ「3発だけ残しておいたんだ」と
ポケットから銃弾を出す。
短いセリフで粋な人間味が伝わる。
数年前、作家を目指しているという女友 . . . 本文を読む
再選をかけて立候補した現市長の選挙戦前後のわずか数十日を描いて、
たっぷり何十年もの人生の重みを感じさせる傑作。
J・フォード監督って凄い、とあらためて圧倒された。
再選を重ね、5期目ならではの強引な政治力に、
銀行や一部の新聞社からは煙たがられているが、
庶民の支持を受け続けている市長。
この市長が、かなり脅しに近いようなこともやっていながら、
他人への礼儀、敬意を失わず、
ウイットとユーモ . . . 本文を読む