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No1039『フラッシュバックメモリーズ3D』~過去と現在。音楽、そして“生きる”こと~

おもしろかった。大きな事故と障害とを乗り越えて、前向きに生きようとする、奏者GOMAのパワーが音楽のエネルギーと重なって、観客の心に迫ってくる。音楽と、生きることそのものが、つながっているかのような充実感。ディジュリドゥという楽器を初めて知った。オーストラリアのアボリジニの楽器(ユーカリからつくられ木製だけど、発音原理で金管楽器に分類)。千年以上前、世界で最古の管楽器といわれるだけあって、音自体は . . . 本文を読む
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No1038『さよならドビュッシー』~音楽をめぐる師弟の物語~

意外によかった。本物のピアニストが、音大生のピアノ教師として出演している。その演奏の腕は、もちろんすばらしいが、演技においては、妙に素人くさい感じが、逆に、好感が持てた。かっこよく見える時と、普通のお兄ちゃんに見える時とがあって、そのギャップがいい。火事で重傷を負いながらも、リハビリに耐え、コンテストに出場しようとする、ピアニスト志望の少女を慰め、教えさとす役としては、こんな感じの、少しとぼけて、 . . . 本文を読む
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No1037『EDEN』~悲しみを越えて祝祭へと誘う“彼ら”~

こんなに泣くとは思わなかった。原田芳雄さんが温めていた小説の映画化というから、どんな作品なのか、楽しみに思いつつも、果たして…どうなのかしらと、おそるおそる観ているうちにどんどん引き込まれて、最後は、大泣きに泣いた。「必ずウォータープルーフ・マスカラをして観にいらっしゃいよ!」という宣伝文句どおりだった。映画の最後、彼らがくりひろげるダンス、音楽、笑顔に涙をこらえずにはいられない。笑 . . . 本文を読む
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“言葉のきらめき”“みずみずしい存在感”をつかまえる人~瀬田なつき監督~

瀬田なつき監督。1979年大阪生まれ。土曜から十三の第七芸術劇場で最新作『5 windows』が1週間の限定上映中です。ぜひ行ってみてください。予告編 私はこの監督の感性がとっても好きです。言葉のきらめきを、生き生きしたその場の空気を、しっかりとつかまえて、観客に伝えてくれる。『5 windows』は、予告編を観ただけですが、「今何時?」「2時40分」、この言葉がなぜか、とってもすてきに聞こえる . . . 本文を読む
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No1036『ラルジャン』~哲学書のような…映画の神秘~

千里中央のセルシーの地下、飲食店にまぎれて、パチンコ屋の向かいに、ひっそりと映画館がある。大阪のミニシアターで上映された名作映画が、かなり遅れてではあるが、フィルムで上映されるという、貴重な存在。 『白夜』の公開を記念して、ロベール・ブレッソン監督の『スリ』('59)『ラルジャン』('83)が1週間限定で上映されているというので、久し振りに行ってみた。 『ラルジャン』を観て、哲学書のような映画 . . . 本文を読む
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2012年外国映画マイ・ベストテン

1月も半ばを過ぎました。次々と出ている各紙のベストテン情報には目をつぶって、やっと昨年のマイ・ベストテンが書けましたので、紹介させていただきます。 今週残業続きで時間を奪われ、暗くなりがちですが、好きな映画を思い出して、優しさとあたたかさを忘れないでいたい。 今年の私が、十年後、未来の私に、観てほしいと薦めたい、そんな作品を選びました。甲乙つけがたい中、気に入った順に並べてみると、 1『ル・ . . . 本文を読む
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No1035-2『真昼の暴動』~権力に決して屈しない男たちの熱い闘い~

脱獄ものの映画には、はずれがないという。監視、管理する所長や看守といった権力者を相手に、知恵と経験と、不屈の根性、仲間同士の信頼を武器に、圧倒的に不利な戦に、あえて挑戦する。そんな囚人たちの勇気と闘志に、限りなく共感する。脱獄も、成功することもあれば、失敗することだってある。逃げのびた仲間の中にも、とらえられたり、だましうちにあう者もいる。映画はいろいろな結末を用意する。たとえ失敗したとしても、脱 . . . 本文を読む
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No1018-2『白夜』~恋する者の切なさが夜の街をさまよう~

「誰よりも自分よりも愛しているんだね」 1年前に再会する約束をした恋人を忘れられないでいるマルトにジャックが言うセリフ。 日曜日の最終回、ガーデンで2回目の鑑賞。マルトとジャックが二人で並んで歩いていくと、音楽が聴こえてくる。セーヌ川をゆっくりと進んでくる夜の遊覧船が映り、その上で、演奏している若者たち。ラテン調の哀しげな調べ。ライトアップした美しい船が進んでいく。音楽のテンポと、船がゆっくりと . . . 本文を読む
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No1035-1『真昼の暴動』~映画は魔法をかけてくれる…~

映画でも音楽でも、好きなもの、すごいと思うものに出会えたら、それは魔法にかかったようなもの。ああ、生きててよかったと単純に思うし、出会いに感謝しつつ、元気がでてきたり、励まされたり、心ももちろん、体中が反応する。これは、私にとって、そんな映画だった。プラネットで観た帰り道、連休の中日とあって、カップルやら、バーゲンの袋を抱えた女の子たちや街は、人であふれていたけれど、最近、ちょっぴりカップルをみた . . . 本文を読む
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No1034『夜までドライブ』~アイダ・ルピノの狂いぶり~

タイトルがすてきで、ちょっと観てみたいなと中崎町のプラネットに足を向けた。ラオール・ウォルシュ監督、1940年の作品。前半は、長距離トラックの運転をするちょっとばかり荒くれの兄弟のお話。ジョージ・ラフトとハンフリー・ボガート。運転の休憩で酔ったドライブインで、働き始めたばかりのアン・シェリダンに出会う。あんたの口に合うおいしいものが、この店にあると思う?とか、辛口のジョークで、いきなりぽんぽんと早 . . . 本文を読む
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No1033『最初の人間』~見つめる顔と顔があるだけでいい~

映画は顔だなあと思った。少年と母親とが、ドアごしに見つめあう。少年は部屋で本を読んでいて、目をあげる、母は、台所から少年の方を見つめる、目と目があう、微笑みがうまれる、それだけでいい。言葉は要らない。現代、中年になった作家が、母親と食卓を囲む。たわいない会話。母親が、今年の夏も停電するかしらと言う。二人が見つめあうのを交互にうつす。母親の顔をずっと長回しをしてから、ふっとカメラがロングにひくと、作 . . . 本文を読む
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No1032『キャリー』~おびえる少女~

映画の帰り道、ビルの谷間で、冷たい雨だけでなく、いきなり強い風が吹きつけてきて、自転車に乗りながら傘をさしていて、あやうく、傘も帽子とも飛ばされそうになり、焦った。キャリーの念力も、きっとこんなふうにあらがいようのない力として、襲ってきてたのかしら、なんて考えた。 冒頭の、女子更衣室のシーンから、女の子たちの身体がまぶしかったが、キャリーのシャワーのシーンに少しびっくり。というのも、1977年の . . . 本文を読む
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連休の合間のよしなしごと~いろんなキモチ~

休日明けの7日、職場で七草がゆの話が出て、私も初挑戦しようと、帰りがけスーパーに寄ったら、もう七草は売っていませんとのこと。仕方がないので、三つ葉を買って、おかゆを炊いてみようと思った矢先、お寿司半額セールが目にとまり、ふらふら立ち寄ってしまった。あえなくおかゆプランは挫折。今日届いた実家からの荷物の中に、母の得意な特価シールつきの「乾燥七草がゆの素」が入っていたので、ちょうどよいと、おかゆに挑戦 . . . 本文を読む
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キエフバレエ「白鳥の湖」~生まれて初めてバレエを観た~

先週の土曜、朝10時からの映画を観に行くつもりが、しっかり寝過ごして、家でのんびりしていたら、学生時代の友人から連絡が入った。一緒にバレエを観に行く友だちが親類のご不幸で急に行けなくなったので代わりに行かないか、とのお誘い。生まれて初めて、ロシアのバレエ団の、本格的なバレエ公演を観にいった。本当にきれい。びっくりした。間近で観たせいもあるが、白鳥、黒鳥を演じるきゃしゃなプリマのバレリーナはもちろん . . . 本文を読む
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No1031『ロスト・イン・北京』~居場所を見つけられない若者たち~

『東京物語』が、地方から東京に子どもたちを訪ねてきて、行き場を失い、さまよう老夫婦の物語とすれば、これは、地方から北京に、働きに出てきて、行き場を失う若者たちの姿を描いている。 北京のマッサージ・パーラーで働く主人公を演じるのがファン・ビンビンと同じ店で働く女友だちに、こんな感じのセリフ。「北京は、こんなに広い大都会なのに、ちっぽけな私の居場所さえない。北京なんて嫌い」シネ・ヌーヴォに行くため、 . . . 本文を読む
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