
「宇宙エレベーター協会(JSEA)」の主催で、ヘリウムガスを入れたバルーンから吊り下げたひも(ロープ状とベルト状の2種類を交互に使用)を宇宙に届くエレベーターに見立て、「クライマー」と呼ばれる機械が昇降する速さや安定性などの性能を競う。3回目の今年は、昨年の倍の高度約600mまでバルーンを揚げた。
静岡大や日本大など、全国から6校、3個人による16チームが参加し、遠隔操作式の箱のようなものや、細長い自律制御のものなど、クライマーの仕様やデザインも多種多彩。参加者たちが自作のクライマーをベルトなどに取り付け、プログラムの調整などを終えてスタートさせると、クライマーは甲高い音を上げて上昇。「おし、行け」「いいぞ」などと声が飛び交う中、あっという間に点のように小さくなった。

軌道エレベーターは、地上から宇宙へと伸びる塔のような構造物。高度約3万6000kmの軌道を地球の自転と同じ速さで回る「静止衛星」からケーブルなどを吊り下げて地上と宇宙をつなぎ、これに昇降機を備えて人や物資を輸送するシステムで、訓練を受けた宇宙飛行士でなくとも、安価で安全に宇宙へ行けると期待されている。JSEAはこのテーマに関心を持つ有志が集まり2008年に発足、技術競技会や学術会議の開催などの活動を続けている。
(軌道エレベーター派 2011/08/21)