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さて先日、長野県での所要の帰りに、同県南牧村にある野辺山電波天文台こと、国立天文台野辺山宇宙電波観測所に寄ってきました。
同天文台は1982年(前身の野辺山太陽電波観測所は1969年)開所の、電波望遠鏡を多数備えた歴史ある天文台です。年末年始を除き通年で無料開放されているので、いつか行きたいと思っていた場所で、この機会にぜひ寄らねば! 足を運びました。
電波望遠鏡は、私たちが直接または間接的に覗いて観測する光学望遠鏡ではなく、可視領域外の電磁波を観測する、ようは巨大なパラボラアンテナです。
私たちに見える光は電磁波の一部の領域であり、その外側に幅広い波長の幅を持っています。天体が発する電磁波ももまた可視領域以外の電磁波を放っており、肉眼では見えないこの領域の波を観測することで色んな天体を観測できるわけです。そして異星文明からのメッセージをキャッチする可能性も有しています。
地球規模で複数の電波望遠鏡を広域連動させて巨大な一つのアンテナとして用い、特定の対象を集中的・継続的に観測する目的にも用いられます。最近だと野辺山電波天文台は、2019年ブラックホールの撮影に成功した、イベントホライズン・テレスコープ・プロジェクトの予備実験にも参加しています。
小難しい話はこの辺にして、現地の紹介や訪れた感想を。野辺山電波天文台は標高1342mの高原にあり、とにかく緑豊かで静か。時間が止まったような場所でした。
施設内には大小色んな種類のアンテナが多数あり、受付を過ぎると目に飛び込んでくるのは、直径10mの「ミリ波干渉計」。星間物質などの電磁波を観測するやつで、6台ありますがすでに引退。
土台のところにレールがあり、ロックを外して台車に載せ、敷地内のあちこちに動かすことができるようになっていたそうです。上下左右にも動くから、軍艦の砲台みたいで、これが6台もあるのはなかなか壮観です。
その奥に鎮座ましますのが、現役かつ最大の「45m電波望遠鏡」。その大きさに比例して幅広い領域の電波を拾う施設であり、まっすぐな通路の一番奥にあって敷地内のどこからでも見えるだけに、このラスボス感はすごい。
この日はかなりの暑さで日なたを歩くのが苦痛だったのですが、やはり高原の風自体は涼しく、望遠鏡の影に入っているととても気持ち良かったです。
45m電波望遠鏡は現在メンテナンス期間であり、「真上を向いている時はお休み中」と書いてありました。なんかそっぽ向かれてるみたいね。
45m電波望遠鏡との間に農場を挟んだ所には、太陽観測に使う「太陽電波強度偏波計」と「電波ヘリオグラフ」が並んでいます。太陽は中心より外側の方が温度が高いなど不思議な特徴を持っており、太陽観測はこうした疑問を解く様々なデータを提供してくれました。
直径80cmの電波ヘリオグラフは何十台もずらりと並んでいます。全部退役してるんで敷地の端に寄せてあるだけなんでしょうが、まるで寺院に並ぶ百万塔のようだと思いました。
このほかには、展示用のアンテナや、1949年に作られた日本初の電波望遠鏡のレプリカなどがありました。可能なら見学だけでなく職員の方に話を聞いたりもしたかったのですが、説明会やイベントの時などでないと無理そう。今回は取材じゃないから仕方ないね。
近年、可視領域の天体観測が都市の光源や人工衛星による「光害」に阻害されていることが問題となっていますが、電波天文学もまた、携帯電話の登場で通信量の増加に拍車がかかり、ノイズが深刻化しています。今回訪れた野辺山電波天文台でも、見学エリアは携帯の電波を止めるよう求められています。これは文明が支払わねばならない代償なのでしょう。
ざっくり見学しながら散歩しただけなんですが、緑に囲まれ、敷地内のあちこちにはきれいな花も植えてあり、天気にも恵まれて、これぞ信州長野の高原という開放的な気分を楽しめました。そして牧歌的な風景と、ハイテク装置の電波望遠鏡の組み合わせは新鮮でした。年1回という、設備内の公開にもいつか行ってみたいものです。
さて先日、長野県での所要の帰りに、同県南牧村にある野辺山電波天文台こと、国立天文台野辺山宇宙電波観測所に寄ってきました。
同天文台は1982年(前身の野辺山太陽電波観測所は1969年)開所の、電波望遠鏡を多数備えた歴史ある天文台です。年末年始を除き通年で無料開放されているので、いつか行きたいと思っていた場所で、この機会にぜひ寄らねば! 足を運びました。
電波望遠鏡は、私たちが直接または間接的に覗いて観測する光学望遠鏡ではなく、可視領域外の電磁波を観測する、ようは巨大なパラボラアンテナです。
私たちに見える光は電磁波の一部の領域であり、その外側に幅広い波長の幅を持っています。天体が発する電磁波ももまた可視領域以外の電磁波を放っており、肉眼では見えないこの領域の波を観測することで色んな天体を観測できるわけです。そして異星文明からのメッセージをキャッチする可能性も有しています。
地球規模で複数の電波望遠鏡を広域連動させて巨大な一つのアンテナとして用い、特定の対象を集中的・継続的に観測する目的にも用いられます。最近だと野辺山電波天文台は、2019年ブラックホールの撮影に成功した、イベントホライズン・テレスコープ・プロジェクトの予備実験にも参加しています。
小難しい話はこの辺にして、現地の紹介や訪れた感想を。野辺山電波天文台は標高1342mの高原にあり、とにかく緑豊かで静か。時間が止まったような場所でした。
施設内には大小色んな種類のアンテナが多数あり、受付を過ぎると目に飛び込んでくるのは、直径10mの「ミリ波干渉計」。星間物質などの電磁波を観測するやつで、6台ありますがすでに引退。
土台のところにレールがあり、ロックを外して台車に載せ、敷地内のあちこちに動かすことができるようになっていたそうです。上下左右にも動くから、軍艦の砲台みたいで、これが6台もあるのはなかなか壮観です。
その奥に鎮座ましますのが、現役かつ最大の「45m電波望遠鏡」。その大きさに比例して幅広い領域の電波を拾う施設であり、まっすぐな通路の一番奥にあって敷地内のどこからでも見えるだけに、このラスボス感はすごい。
この日はかなりの暑さで日なたを歩くのが苦痛だったのですが、やはり高原の風自体は涼しく、望遠鏡の影に入っているととても気持ち良かったです。
45m電波望遠鏡は現在メンテナンス期間であり、「真上を向いている時はお休み中」と書いてありました。なんかそっぽ向かれてるみたいね。
45m電波望遠鏡との間に農場を挟んだ所には、太陽観測に使う「太陽電波強度偏波計」と「電波ヘリオグラフ」が並んでいます。太陽は中心より外側の方が温度が高いなど不思議な特徴を持っており、太陽観測はこうした疑問を解く様々なデータを提供してくれました。
直径80cmの電波ヘリオグラフは何十台もずらりと並んでいます。全部退役してるんで敷地の端に寄せてあるだけなんでしょうが、まるで寺院に並ぶ百万塔のようだと思いました。
このほかには、展示用のアンテナや、1949年に作られた日本初の電波望遠鏡のレプリカなどがありました。可能なら見学だけでなく職員の方に話を聞いたりもしたかったのですが、説明会やイベントの時などでないと無理そう。今回は取材じゃないから仕方ないね。
近年、可視領域の天体観測が都市の光源や人工衛星による「光害」に阻害されていることが問題となっていますが、電波天文学もまた、携帯電話の登場で通信量の増加に拍車がかかり、ノイズが深刻化しています。今回訪れた野辺山電波天文台でも、見学エリアは携帯の電波を止めるよう求められています。これは文明が支払わねばならない代償なのでしょう。
ざっくり見学しながら散歩しただけなんですが、緑に囲まれ、敷地内のあちこちにはきれいな花も植えてあり、天気にも恵まれて、これぞ信州長野の高原という開放的な気分を楽しめました。そして牧歌的な風景と、ハイテク装置の電波望遠鏡の組み合わせは新鮮でした。年1回という、設備内の公開にもいつか行ってみたいものです。