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軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

震災復興支援「集まれ!星たち」キャンペーン

2014-01-18 19:00:45 | ニュース
 天文を通じて被災地復興に貢献しよう――全国の天文学者や愛好家、団体などが協力し、パソコンやスマートフォンの壁紙などに使える、美しい星空の画像を提供して東日本大震災の支援募金を募る「集まれ!星たち」キャンペーンを展開している。事務局は募金を呼びかけるとともに、画像提供も広く求めている。
 キャンペーンは震災のあった2011年5月にスタート。国立天文台の普及室長の縣秀彦さんは「私たち天文関係者にできることはないか」と呼びかけ、賛同した関係者らが参加。実行委員には同天文台や日本航空宇宙研究開発機構(JAXA)の職員などが名を連ね、ホームページに星空コラムを掲載して盛り上げる実行委員もいる。
 写真家のほかイラストレーター、漫画家なども幅広く画像を提供しており、現在、約120点がアップされている。公式ホームページには彗星や流星、2012年の金環日食といった様々な天文現象をはじめ、小惑星探査機「はやぶさ」やSF作品に登場するような宇宙船のイラストなどが並ぶ。中には、月食の夜の星空を背景に、被災地の象徴にもなった岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を写した作品(高田裕行さん撮影)も。
 ホームページ上で申し込み、募金を振り込めば、すべての画像が30日間ダウンロードできる。このほか、天文教室などのイベントも開催しており、会場に募金箱を置いて協力を求めている。1月18日までに、1266人から計約135万円が集まっており、募金はあしなが育英会の津波遺児基金などに寄付される。
 縣さんは「天文らしい長いスケールで活動を続け、細く長くキャンペーンをやっていくつもり。プロ、アマチュア問わず画像を募っている。ぜひ協力して欲しい」と話している。
 「集まれ!星たち」キャンペーンのURLは http://atsuboshi.nao.jpn.com/

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金子隆一氏逝く -『軌道エレベーター』の著者-

2013-09-03 20:55:23 | ニュース
 『軌道エレベーター -宇宙へ架ける橋-』(早川書房)の著者の1人で、宇宙エレベーター協会名誉会員でもあるサイエンスライターの金子隆一氏が、8月30日死去した。57歳。
 金子氏は1956年兵庫県生まれ、中央大学商学部卒。97年に同書を石原藤夫氏との共著で発刊(初刊時のタイトルは『軌道エレベータ』)。一般に普及した世界初の専門書だった。このほかにも、自然科学全般の分野で著作や科学番組の監修、SF作品の科学考証などで幅広く活躍した。1979年放映の『宇宙空母ブルーノア』では、映像作品としては初めて軌道エレベーターを設定に取り入れた。特に恐竜をはじめとする古生物に関する研究に精通し、NHK教育テレビの番組内で放送された『恐竜惑星』(93年)や『ジーンダイバー』(94年)の監修などを手がけた。
 2008年に設立された、日本宇宙エレベーター協会(現・一般社団法人宇宙エレベーター協会)の名誉会員に就任。『軌道エレベーター』は翌09年に復刊され、今も軌道エレベーター史に欠かせない必読書として高い評価を受けている。このほかの著書に『新世紀未来科学』(八幡書店)、『新恐竜伝説』(早川書房)、『アナザー人類興亡史』(技術評論社)など。(軌道エレベーター派 2013/9/3)

(以下は軌道エレベーター派の雑記です)
 ご存じの方もおられると思いますが『軌道エレベーター』で知られる金子隆一先生がお亡くなりになりました。金子先生と最初にお会いしたのは2004年の秋、『まっすぐ天へ』をきっかけに、当時の最新の研究成果について伺った時でした。取材よりもお話の面白さに夢中になってしまい、軌道エレベーターに関してそれまで疑問に思っていた点を、これを好機とばかりにぶつけまくりました。結局原稿は没になり、申し訳ないやら情けないやらでしたが、あの出会いがなければ"軌道エレベーター道"に邁進する今の自分はなかったし、このサイトもなかったことでしょう。復刊した『軌道エレベーター』の巻末対談で、この軌道エレベーター派に(大野会長がほんのちょっと触れただけですが)言及があったのは一生ものの誉れと言いますか。。。私にとっては目標でもある方でした。

 実は、次回更新予定の「豆知識」では、軌道エレベーター史において殿堂入りに値する人物を紹介する予定で、すでに選出済みの7人には当然金子先生を含めており、原稿を書きかけていたところでした。軌道エレベーターを広く知らしめたという点において、その貢献度はアーサー・C・クラーク卿に比肩するものだと私は確信しています。本当に惜しまれてなりません。
 まだまだ書くことがあるような気もしますが、言葉にするほど思っていることから離れていくみたいです。心より、心よりお悔やみ申し上げるとともに、深く感謝の念を捧げます。

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SPEC最終日、高度1200mを達成

2013-08-10 18:46:32 | ニュース
 静岡県富士宮市で、一般社団法人宇宙エレベーター協会(JSEA)が開催している「第5回宇宙エレベーターチャレンジ」(SPEC2013)で10日、大会初となる高度約1200mの競技環境が実現し、クライマーの昇降性能も1000m超えの新記録が生まれた。
 実行委は大会最終日のこの日、ケーブル(テザー)を吊り下げるバルーンを、高度約200mの競技と並行して1200mでも掲揚して実施。大小計6個をまとめたバルーンは高度1200mまで上がると、薄い雲を透かしてわずかに視認できる点になった。この日は暑さは厳しかったが晴天に恵まれて風も穏やかで、例年強風にあおられて大きく湾曲したり、ねじれたりしたテザーは過去にないほど垂直に屹立した。

 競技のGOサインが出ると、年々多機能化していく昇降機械(クライマー)でエントリーしている常連チーム「チーム奥澤」が先陣を切ってトライ。テザーに取り付けられたクライマーは、スタート当初わずかに空転した後、勢いをつけて甲高い駆動音とともに急上昇し、設定高度の1100mに難なく到達した。復路もスピードが出すぎることなく無事にゴールすると、拍手の中でメンバーたちが抱き合ってガッツポーズを決め(=写真=)、「1200mでも良かったかも」と余裕を見せた。続く日本大学のチームも約1200mを達成するなどして次々と記録を塗り替え、3日間の大会が終了した。

 軌道エレベーターの基本原理は、高度約3万6000kmの静止軌道を、地球の自転と同期して周回する静止衛星と地上をエレベーターで結び、宇宙へのアクセスに用いるもの(全長は静止軌道よりも長くなる)。本大会はバルーンから釣り下ろしたテザーをエレベーターのピラーに見立てて昇降性能を競う。JSEAは「高度1kmという一つのハードルを越えた」と自信を深め、今後さらに規模拡大を目指すとしている。(軌道エレベーター派 2013/8/10)

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第5回宇宙エレベーターチャレンジ(SPEC2013)開催中

2013-08-09 22:16:59 | ニュース

 一般社団法人「宇宙エレベーター協会(JSEA)」(大野修一会長)が主催する、軌道エレベーターの技術競技大会「宇宙エレベーターチャレンジ」(SPEC2013)が、7日から静岡県富士宮市で始まった。
 5回目となる今年は欧州で開かれている同様の競技大会 "EUSPEC" にあわせ、大会名を昨年までの「宇宙エレベーター技術競技会」(JSETEC)から、SPEC(Space Elevator Challenge)に変更。競技形式は従来と同様、ロープ式とベルト式の2種類のテザーをバルーンから垂下し、参加チームが自作したクライマーを昇降させて性能を競う。
 今年は17チームが参加を予定しており、9日は10チーム以上が高度約200mの競技にトライ。中には機体が発火するなどのトラブルもあったが、風の影響やバルーンの破裂などでたびたび中断して競技内容の未消化が目立った昨年に比べ、おおむね順調に推移しているという。
 最終日の10日は、200m級とは別の大型バルーンを使用し、高度600m以上の競技環境をつくる予定で、条件が良ければキロメートル単位の高度を目指すとしている。また今年は高度・速度などを記録する検出装置を協会側で新たに製作して各機共通で搭載し、記録を詳細に検証する。結果がまとまるのは大会終了後になる見通し。このほか、一般でも参加可能な見学会も開かれ、会場を訪れた多数の参加者たちがクライマーを観察したり、軌道エレベーターの原理などについて興味深そうに質問したりする姿が見られた。
 同大会はJSEA設立翌年の2009年から開催しており、年々バルーンの高度を上げて行くことを目指している。(軌道エレベーター派 2013/8/9)

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軌道エレベータ検討委員会始動

2013-04-23 17:02:37 | ニュース
 日本航空宇宙学会(JSASS)の定期年会講演会が18、19日の2日間、東京大学で開かれ、軌道エレベーターの実現可能性について調査検討する「軌道エレベータ検討委員会」のプレ委員会が開かれた。
 2日目のJSASS理事らによるパネルディスカッションにおいて、学会活動の概要報告の中で述べられたもので、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川口淳一郎氏は「(軌道エレベーターについて)専門家の間では、ある人は怪しい、ある人は有望なものと見ている。本当にきちんとした客観的な評価をすることが学会の役割でもある」と述べ、学会初日の18日にプレ委員会が開かれたことを明らかにした。
 今後委員の間で情報を持ち寄りながら方向性を見出し、これまでの研究動向や成果の調査、課題などについて話し合い、最終報告をまとめていくという。このほか初日の学会では、宇宙エレベーター協会(JSEA)の大野秀一会長が、JSEAの活動や昨年の技術競技会などについて講演を行うなどした。(軌道エレベーター派 2013/4/23)

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