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軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

空中に立体映像を投影 未来館で公開実験

2014-10-22 17:49:15 | ニュース
空中に立体映像を投影 未来館で公開実験

 何もない空中に立体的な映像を映し出す装置が開発され、このほど日本科学未来館(東京都江東区)で実験の様子が公開された。
 開発したのは、同館研究棟で「空中3Dディスプレイプロジェクト」を進めている株式会社「エリオ」。レーザーで空気をプラズマ化して発光させ、上下左右どこからも認識できる映像を空中に浮かび上がらせる。レンズのピントと同じ原理でレーザーの焦点を合わせることで、任意の位置にピンポイントで瞬間的にプラズマの光点を出現させ、これを1秒間に約500個点滅させて様々な形を描いたり、動くように見せたりすることが可能だという。
 レーザーで瞬間的に発光点をつくる技術は以前から知られていたが、1995年の阪神大震災で、道路が寸断された場所の災害情報などを空中に投影し、遠くへ伝えられないかと考えたのを機に、連続的な映像を投影可能な小型装置を開発したという。

 実験会場には、興味を示した来館者や多くの取材陣が集まった。装置が乗用車に積まれ、開放したサンルーフからレーザーを発振・照射するバチバチという音がすると、車の屋根から2~3mほど上空の、何もない空間に青白い光の点が出現。最初は雲のように無秩序に明滅して見えた光点は、やがて螺旋模様やリンゴ、人の形などに像を結び、蝶の像は羽根を羽ばたかせる姿を見せた。

 将来は10m先に6m四方の映像を描き出すことを目指しているといい、エリオの木村秀尉・3Dディスプレイ研究室長は「全方向に告知ができる情報媒体として、災害以外にも広告や交通標識など、用途は幅広いはず」と話した。(軌道エレベーター派 2014/10/22)

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2014 Sapce Elevator Conference 開催

2014-08-24 14:48:37 | ニュース

 軌道エレベーターの研究者が集まり発表や討論を行う"2014 Space Elevator Conference"(SEC)が、米ワシントン州シアトルの Museum of Flight(航空博物館)で22日から始まった。
 SECは2002年から開催され、一時中断していたが2008年に再開、毎年1回のペースで開かれている。2日目には宇宙エレベーター協会(JSEA)の大野修一会長、Davin Jacobson氏 らが登壇し、JSEAの活動内容や日本での動向を伝えた。大野会長は今年の「宇宙エレベーターチャレンジ」の結果などを伝え、「学術会議だけではなく、アクティビティが大事」と訴えた。米国の軌道エレベーター研究をリードしてきた Pete Swan 博士は「日本は活動が最も盛ん」と話した。

 また、Bryan Laubscher博士は機動エレベーターの素材の有力候補であるカーボンナノチューブ(CNT)の開発現状を発表。巨大なCNTの模型を手に、化学気相成長(CVD)法の問題点などを指摘した。このほか、国際宇宙航行アカデミー (IAA)部会での検討内容や、軌道エレベーターの構造や運用への大気中の様々な気象の影響などが報告された。SECは24日まで開かれ、各分野の専門家が最新の成果の発表などを行う。
 主催の International Space Elevator Consortium は、軌道エレベーターに関心を持つ有志の個人や組織でつくる団体。軌道エレベーターを視野に入れた宇宙開発構想の普及や、将来の実現を目指して活動を行っている。
(軌道エレベーター派 2014/8/23)

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第6回「宇宙エレベーターチャレンジ」(SPEC014)始まる

2014-08-07 07:15:02 | ニュース
 軌道エレベーターの昇降機「クライマー」の技術開発に挑む「宇宙エレベーターチャレンジ」が6日から、静岡県富士宮市で始まった。今年は大学の研究室や高校生などのチームのほか、国外からドイツのミュンヘン工科大など計19チームがエントリーしている。
 初日は高度約150~200mまでバルーンを掲揚し、ベルト状とロープ状のテザーを吊り下げて、参加チームがクライマーの性能を競った。6回目を迎える今年は熟練したチームも多く、「安定した昇降」「軽量化」などそれぞれが性能面での重点課題を抱えるなど、多様化を見せている。
 また、今回は2012年に「宇宙エレベーター建設構想」を発表した建設大手・大林組が、湘南工科大との合同チームで初参加。同構想を主導した石川洋二氏は「一昨年の構想では、クライマーの考察は建設会社の仕事ではないため除外したが、このような形でクライマー研究にもかかわっていきたい」と話した。
 競技は9日までで、期間中に昨年と同じ1200mへの掲揚を予定している。(軌道エレベーター派 2014/8/7)

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宇宙での軌道エレベーター実験計画採択

2014-05-08 20:07:58 | ニュース
宇宙での軌道エレベーター実験計画採択
日本学術会議「マスタープラン」

 地球低軌道上で行う軌道エレベーター実験が、政府の諮問機関・日本学術会議の「学術の大型研究計画に関するマスタープラン(マスタープラン2014)」に採択された。正式に予算化され実施されることになれば、宇宙空間における初の軌道エレベーターの実証実験となる。
 実験計画は、香川大、静岡大、日本大のほか宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが取り組むもので、軌道上でテザーをキロメートル単位で展開し、これに沿った昇降機を移動させるための実験を実施。得られたデータを元に「軌道エレベータ(軌道ELV)」の開発を目指す。
 ほぼ完全な真空の低軌道上では、放熱(熱伝導媒体がないため輻射が主になる)やモーターの潤滑維持など、地上ではあまり考慮しなくても済むような課題が深刻化する。また、潮汐力が十分に働かない短いテザーでは、昇降機の駆動による反作用や角運動量の変化で、軌道上の位置が安定しないため、新たな工夫が求められることになり、真空・自由落下状態に対応した昇降システムの開発が課題だ。
 軌道ELV実験は「学術コミュニティの多様なニーズの実現へ向けた超小型衛星の研究開発と軌道上実証」と名付けられた今回の計画で、デブリの観測や挙動の把握、衛星コンステレーションによる大気圏と電離層の間の観測、地震研究のための地上観測網構築などと一緒にまとめられた。こうした各種実験用のペイロードを、内閣府で進める「ほどよしプロジェクト」で開発が進んだ超小型衛星に搭載、実験を行う。予想される事業費は、年間8~18億円(運用する衛星数によって異なる)。関係者は「いよいよ宇宙での軌道エレベーター基礎実験に向けての第一歩。規定のペイロードやカーゴスペースを意識した設計に取り組みたい」と話している。
 日本科学学術会議は1949年設立。国内研究者の連携を図り、代表機関として意見をまとめ、内外に発信を行っている。マスタープランは、公募した研究・実験プランの中から重要性のあるものを選び、国への提言としてまとめるもので、今回は約200の計画が選ばれた。(軌道エレベーター派 2014/5/8)

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宇宙エレベーター学会(JpSEC2013)開催

2014-02-24 03:06:41 | ニュース
 軌道エレベーターの研究者や、関心を持つ人たちが集まり、最新研究の発表や意見交換を行う「宇宙エレベーター学会(JpSEC2013)」が、22、23日の両日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれた。
 主催は、一般社団法人宇宙エレベーター協会(JSEA)。6回目となる今年は5年ぶりに未来館での開催となり、この分野に興味を持つ人や技術者、SFファンら数百人が参加した。
 初日はエレベーターを昇降するクライマーの技術を中心に、昨年開かれた「宇宙エレベーターチャレンジ」参加者の報告や、静止軌道からのケーブル展開の計算結果が披露され、続く2日目では、宇宙旅行産業の動向や宇宙太陽光発電の研究などの発表が行われた。
 2日目の後半には、ジャーナリストの田原総一朗氏やJSEAの大野修一会長、大学教授らが出席し、「何のための宇宙エレベーター?」をテーマにパネルディスカッションを行った。田原氏が「宇宙エレベーターは、ロマンとしては素晴らしいけれど、どうしてロマンから先へ進まないのか」と問うと、大野会長が「それは日本人のいけない所。アメリカなどでは、資源やエネルギー、権利などという話。政策的な話につながっている」と指摘。また「昔は冷戦のせいで競争していたが、その後先へ進むモチベーションがなくなってきた」と述べる科学ジャーナリストの松浦晋也氏に対し、田原氏が「戦争でなければ技術は発達しないのか」と質問。松浦氏が「戦争でなくてもいいが、競争が必要」と応じるなど、宇宙進出と軌道エレベーターの目的意識を巡り、意見を交わした。
 この様子は「ニコニコ生放送」でも中継され、約2万人が視聴。「金の問題だろ」「萌え要素がないからじゃないかな」「お互いの意見に同意する人が誰もいない」など、時には鋭く、時には笑いを誘う書き込みがあふれた。
 学会終盤では、昨年8月に死去した、JSEA名誉会員でサイエンスライターの金子隆一氏の追悼講演が行われ、この分野における先駆者の業績を振り返るとともに、会場で氏の冥福を祈った。(軌道エレベーター派 2014/2/20)

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