2024年のヤナバの滞在開始に当たり、 大町市内での囲碁仲間、S氏のお宅に挨拶に訪れた。 ご本人はすでに何年か前、東京の大会社での勤務を終えて、 大町の実家に戻られ、 実家の所有する農地を使って軽い晴耕雨読の生活をなさっている。 そんなS氏宅の玄関先の軒先に今はまだ葉っぱだけの菊栽培の鉢が多数並び、 軒下には白いふわふわ雪が枝先に付着したような飾り物が置かれていた。
玄関先での挨拶のあとで、 丸太に差し込まれた状態の白い飾り物について聞いてみた
「あれは綿の花ですか?」
「そうだよ綿だよ、 家の畑で育てたんだよ」
「綺麗だろう」
「あの白い綿の中には種子があってね、
それを植えたらあんな風な木みたいに成長するんだよ」
「種を蒔いた時期って、いつ頃なんですか?」
「あの飾ってある奴は去年の5月に蒔いたのさ」
「今年も5月に畑に蒔いたけど、 どうも駄目
遅霜にやられちゃったみたいでね」
「種を蒔いて4日ほどで芽が出てきて成長が始まるよ」
そんな話の後で・・・
「田中さん、 欲しければあげるよ」
なんて話しになって、 家の中の奥さんに声を掛け、二枝持ってこさせ、
僕に手渡して呉れました。
東京の我が家での栽培はちょいと無理と想うけれど、 見るだけでも珍しいし、 ショージさんに見せたら「おらん所の畑に種子を蒔いてみたい」と言いそうな気がしたから差し出された二枝を有り難く戴き、 山荘に持ち帰りました。