夏の親戚巡り

2011-07-01 06:27:58 | タナカ君的日常
 梅ジャムの小瓶をぶら下げて訪れた親戚の家々、

 まず最初はワラビ採りにも一緒に行った従兄弟のところ、お互いにあの時に採ってきたワラビを近所や友達に配った事などを軽く話題にして、入れてくれたコーヒーを飲んで「はい、さようなら」。

 2軒目は足腰の痛みを訴えて、病院で手術を繰り返して、今は段差をなくす改造を加えた自宅で療養生活に入っている80半ばの叔母さんの家。 外に出歩けなくなって、訪れる人もほとんど無くなっている叔母は、家の玄関から中に足を踏み入れた人間にはべらべらと息つく暇もないほどに、日常生活上の愚痴っぽい事を話し始めて、「じゃあ、さようなら」と言い出すキッカケを与えない。 いつも25分程度を上限の目安にして、強引に玄関から逃げ出すしかないのです。

 3軒目は最初の従兄弟のお母さん、90を過ぎて、老人介護施設に入所中。その施設では玄関扉の呼び鈴のボタンを押すと施錠してある玄関のロックを外しに職員が出て来ます。 中に入ると直ぐのテレビが置かれた広間の大きなテーブル周辺に入所者が何人か集っていました。 叔母は配膳されたテーブルを前にした車椅子に座って眠りこけていました。 朝食の配膳はほんの少しだけ口をつけた跡がありましたが、大半が残っています。 僕達や職員の方が声を掛けても眠りこけているので、生きて呼吸している姿を確認したから充分とばかりに「では、さようなら」

 4軒目は87歳になった叔父さんの家、ボケて寝たきりになってしまった奥さんは病院に社会的入院中。 自身も5年ほど前に肺がんで放射線治療を受けて回復した身です。 ヘルパーさんの力を借りてはいるものの、広い庭先に家庭菜園作ったりして、比較的元気に動いています。 
 このオジサン、戦地から復員後、僕が小学校2年生頃まで、同じ屋根の下で一緒に生活していて、小学生だった頃の僕に囲碁やら、まだ学校の算数の授業には早かった割り算何かを教え込んだりしてくれたのですよ。

 5軒目は80を廻ったばかりの叔母さんの家、チャイムボタンを押しても音がする気配が無い、家の横手に回ってみると、中にオジサンの姿が見えた。でかい声を出して呼びかけると気付いてくれた。 「まあ、上がっていかねーかい?」と声掛けられたけれど、食事中だったらしい気配も感じたので立ち話のまま「さようなら」

 その後は墓参り済ませ、仕事で留守中と判っている弟と妹の家に立ち寄って、メモと一緒に梅ジャムの瓶を置き、夏の親戚巡りはこれでおしまい。
 そうそう、一番肝心の梅の実拾いはこの後の作業です。 草の生えた梅畑、涼しい時間帯なら蚊の襲撃があるのだろうけれど、 死にそうなくらいの炎天下で蚊もお昼寝タイムだったらしく、一箇所も刺されずに梅の実を拾うことが出来ました。
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