温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

礁渓温泉 玉清浴池 (台湾北東部)

2012年04月11日 | 台湾
 
台湾北東部最大の温泉街である礁渓温泉には大規模旅館から小規模な安宿まで数多の宿泊施設が林立しており、また入浴のみ営業している施設もいくつかあって、当ブログでも数年前に「湯囲溝公園」の檜風呂を取り上げたことがありますが、今回はその湯囲溝公園に隣接し、仁愛路に面した場所にある鄙びた入浴専門施設「玉清浴池」へ行ってみることにしました。といっても、初めからここを目指していたわけではなく、夕飯を食べた後に腹ごなしのために礁渓の街をウロウロしていたとき、たまたま目に入ってきた看板の「浴池」という文字に導かれただけです。このため「玉清浴池」に関する予備知識は皆無だったのですが、紫色の地に温泉マークが描かれている怪しげな看板を見た時には「これって温泉マークじゃなくて逆さクラゲなんじゃねぇのか?」と不安を抱き、訪問を躊躇してしまいました。



看板下に括りつけてあったこの料金表を確認して、ここが温泉浴場であることを再認識。大衆池(大浴場)のみならず個人池(貸切風呂)もあるんですね。貸切風呂ならば他の客を気にせず入れるぞ。


 
ネオンサインが煌めく周囲の旅館ビル群とは対照的に、ここだけブラックホールに吸い込まれているかのように、暗くて地味でとっても鄙びた空気が漂っています。あたかも民家のような建物を入ると、祭壇と扁額がいかにも中華圏らしい玄関ホールには壁に沿って長椅子が置かれ、ドライヤーが無造作に椅子の上に放られていました。

その椅子には背中を丸めてグッタリとしているおじさんが一人腰かけており、このおじさんが施設の人なのかと思って入浴をお願いしたところ、小さくかぶりを振って更にグッタリと項垂れてしまいました。よく見ればタオルで頻りに汗を拭っており、どうやら湯上り直後のお客さんだったようです。おじさんにお詫びしてから、受付カウンターの奥へ向かって声をかけると、間もなくいそいそと番台のおばちゃんが登場。大衆池にするか個人池にするか迷っていたところ、とりあえず中を見せてくれるというので、帳場脇でスリッパに履き替えて奥へ進んでみることにしました。ちなみにその下足場にはビショビショの足拭きタオルがぶら下げてあったのですが、風呂から上がって靴を履く際にあのタオルで足を拭くのかと思うと、衛生的観念から軽い戦慄を覚えました。



廊下の両側に個室風呂が並んでいます。



↑画像の左側ドアの向こうは男性用大浴場があり、室内には4~5人が同時に入れそうな湯船が据えられているのですが、室内は湯気が朦々と籠っており、先客が既に2~3人はいる模様。しかも台湾のお風呂ですから、洗い場と土足エリアの区別が無い上に荷物の棚も不十分で着替えに不自由しそうだったので、いろんな意味で気楽に入浴できる個人池を使わせてもらうことにしました。



こちらが個人池の室内。台湾の貸切風呂で一般的に見られるレイアウトですね。2人サイズの浴槽や洗面台が設置されている他、壁には荷物をかけるフックや小さな棚が取り付けられています。利用の制限時間は40分ですから、入室したらすぐに浴槽内をゴシゴシと洗い、ササッ濯いでから、お湯を溜めましょう。



バルブを開くと勢いよくお湯が出てきましたが、おそらく50℃以上はあってそのままでは熱いため、水を若干加えることにしました。バルブから吐き出されるお湯の量は多いので、あっという間にお湯が溜まります。

お湯は無色透明無味無臭、癖の無い優しいお湯で、弱いながらもスベスベとした肌触りが特徴的(逆に言うと、その弱い肌触り以外は特徴が無い、捉えどころのないお湯)。
知覚面ではこれといった特徴のないお湯でありながら、さすがに本物の温泉だからか、お湯の持つパワーは意外にも強力でして、わずか30~40分の入浴にもかからわず、全身はしっかりと茹ってしまい、湯上り後はしばらく汗が止まらなかったほどです。先程のおじさんがグッタリしていたのも頷けました。


礁渓駅から徒歩10分
宜蘭縣礁溪郷仁愛路15-2  地図
電話(03)9882147

個人池100元/1人(2人の場合は110元) 時間制限40分
ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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