温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

十和田市(市街) みちのく温泉

2012年04月07日 | 青森県
 
先日(2012年3月末)にあっけなく廃止されてしまった十和田観光電鉄。その終着点である十和田市駅から徒歩圏内に或る市街地の温泉銭湯「みちのく温泉」を今回取り上げてみます。みちのくというあまりに広範囲を示す地名を冠した温泉は、ここを含めて青森県内だけでも(少なくとも)2軒ありますが、東北全体では何軒になるのでしょうか。開拓地らしい整然ととした区画が美しい三本木市街地の、(北里)大学通りに面したわかりやすい場所に位置しており、建物はカラオケスナックでも入っていそうな雑居ビル風(あるいは地方の小規模ビジネス旅館風)です。



玄関ホールの正面に番台があり、その左が女湯、右が男湯のそれぞれ入口、そして道路側の窓に面したエリアが休憩スペースとなっています。館内では明るく元気なおばちゃんが、掃除用具を持ちながら忙しそうに動き回っていました。券売機で料金を支払います。



更衣室はいかにも銭湯らしいごく普通のつくりで、浴室とはガラスで仕切られています。おばちゃんがこまめに出入りしてお掃除しているお蔭で、室内は綺麗で明るく、気持ち良く利用することができました。



曇った画像でごめんなさい。浴室も銭湯によくあるスタイルで、中央には大きな浴槽が据えられ、その左右を洗い場のカランの列が挟んでいます。また浴室の奥にはサウナや水風呂が設けられています。カランは青森県の銭湯ではおなじみの古典的な押しバネ式水栓と壁直付けの固定式の組み合わせが31セットで、お湯は源泉が出てきます。
浴槽は3つに分割されています。一番手前(更衣室側)はちょうど良い湯加減のお湯が張られており、強力なバイブラバスが作動していました。真ん中は手前側とさほど変わらない湯加減で、こちらはソフトなジャグジーが作動。最も奥の浴槽はやや熱いお湯が張られ、浴槽自体も前2者より若干高く位置しており、槽内も深く作られています。

浴室内で最も目立つのが、肩にバラのレイをかけながらお風呂のセンターに聳え立つ女神像。左腕を後ろに回してバストを強調する艶めかしいスタイルなのですが、お顔立ちが…(以下自粛)。なお女神像の下には湯口が開いており、ここからお湯は全て奥側の槽へと流れ、更には真ん中の槽へ溢れてゆく仕組みになっていました。



ブスな女神像を背後から。この画像で浴室の全容がおわかりいただけるかと思います。



上述の女神像下の他、もうひとつの仕切りの上に突き出たドーム状の湯口からも大量の源泉がドバドバと浴槽へと供給されていました。お湯はごく僅かに黄色を帯びているように見えますが、ほとんど無色透明。弱い塩味が感じられ、また室内には温泉由来と思しき磯の香りのような有機的な匂いが充満していました。分析表の数値によればNa+とCl-が共に90mval%以上を占める典型的な食塩泉であり、溶存物質の数値も3.444g/kgとなかなかの濃さを有しているのですが、にもかかわらずお湯を口に含んだ時に舌へ伝わる塩味がちょっと薄いように感じられるのは、気のせいでしょうか、あるいは若干の加水が行われているのかしら。
お湯からはツルスベ浴感がよく伝わり、入浴中も湯上り後もお肌スベスベ、とっても気持ち良いお湯です。



浴槽の両側の縁から惜しげも無くザブザブとオーバーフロー。湧出量が豊富な温泉ならではの豪快な光景ですね。見ているだけで清々しいものです。



浴槽の一番手前には円筒形の掛け湯槽もあり、もちろんこれも源泉使用。
浴槽は3つもあるし、サウナも利用でき、しかも源泉掛け流し。訪問時は昼間だというのに常時15人近い客が出入りしていましたが、その人気の高さに十分納得できる実に利用価値の高い温泉銭湯でした。


太素湯源泉
ナトリウム-塩化物温泉 44.9℃ pH不明 溶存物質3.444g/kg 成分総計3.452g/kg
Na+:1155.0mg(91.51mval%),
Cl-:1724mg(90.88mval%),
H2SiO3:172.0mg,

青森県十和田市東三番町21-5 地図
0176-22-3087

6:00~22:00
350円
ロッカー(100円リターン式が5台)・ドライヤー(有料10円)あり、他は販売

私の好み:★★
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする