※河川工事のため、この野湯は消失してしまいました(2017年3月に現地で確認)。
金崙温泉を流れる川(金崙渓)の河原では温泉が湧いており、野渓温泉(日本でいう野湯)が楽しめるらしい…
台湾の熱心な温泉ファンのサイトを見ていたら、そんな情報を入手しました(リンク先のサイトは繁体字中文です)。でもそのサイトの記事は2009年11月時点の様子を記録したものなんです。3年前かぁ。野湯が存在するような場所は、大雨などによる地形の変化をたやすく受けるので、ちょっとしたことで忽然と姿を消えてしまうことがあります。このため3年前の情報をそのまま鵜呑みにすることはできませんが、現地に行って探してみる価値はありそうなので、朝6時に宿泊先の「美の濱温泉渡暇村」で自転車を借り、宿の前の一本道を西へ進んで、野湯探しへと出かけてみました。
途中「米之谷温泉民宿」という民宿を通過。敷地内からは朦々とすごい湯けむりが立ち上っています。ここに泊まっても良かったなぁ。
やがて赤い鉄橋にさしかかりました。この鉄橋は金崙温泉を紹介する書籍やサイトでは必ずといってよいほど紹介され、そうした書籍には「鉄橋の傍に鄙びた民宿が2軒ほど存在している」とも述べられていますが、2009年8月に台湾南部を襲った所謂「88水害」によって金崙渓流域も深刻な被害を受け、鉄橋付近の民宿は流失してしまい、現在は跡形も残っていません。
鉄橋の上から川の上流を眺めます。ネット上の情報によれば、この画像の右側の河原、つまり鉄橋より上流側の左岸に温泉が湧きだしているらしいのです。
鉄橋付近は洪水の被害が甚大だったようで、民宿流出の他、道路は一部崩壊し、河岸もえぐれて土砂崩れが発生したようです。復旧工事はかなり進捗しているものの、左岸の道路はいまだに仮設状態で、朝早くから重機が唸りを上げていました。
仮設道路から礫が広がる河原へと下りてゆくと、重機が入って作業できるよう、河原の形状が人工的になっており、ネットで見た3年前の画像とは全く異なる状況に変貌していました。
礫からは伏流していた川の水が沁み出ているものの、あくまで川水であって、温泉らしい気配はなし。温泉湧出ポイントは河川工事で埋められちゃったみたいです。
はぁ、無駄足だったかぁ、そう落胆しながら、来た道を戻り、川下へ向かってトボトボと自転車を押していると…
鉄橋の下流側の左岸、賓茂3号橋(鉄橋ではない)付近の河原から白い湯気が上がっているのを発見。しかもシューシューという蒸気が噴出していると思しき音も聞こえてくるではありませんか。
(この画像は鉄橋の川下左岸から川上に向かって撮っています)
堤防から河原へ下りてみると、河原に突き出た金属の配管らしき物体から、湯気とともに熱湯が勢いよく噴出していました。おそらく元々はどこかの温泉施設の源泉井だったのでしょうが、施設は水害で悉く流出し、源泉井だけが損壊しながらも辛うじて残ったものと思われます。
シューシューと音を立てて噴出している様子を動画で記録しました。
噴き出るお湯に温度計を突っ込んでみると、なんと87.5℃という数値が計測されました。直接触れたら大火傷ですね。
源泉井のみならず、河原の砂利の下からもお湯が湧出しており、湯中の石には硫黄が付着して白いものがユラユラしていました。この辺りの河原は源泉地帯なんですね。
源泉井や湧出地帯の近くはお湯がかなり高温なのですが、ちょっと下流へ行けば直接触れるくらいに冷めていました。入浴できそうな湯溜りを見つけました。ちょっと浅いのですが、寝そべれば肩まで浸かれそうです。
温度をチェック。湯加減は最高ですね。
というわけで、水着に着替えて入浴だ!
うひゃーー! 最高に気持ちいいぞ!
お湯は無色透明。焼けた石膏の匂いに加え、硫黄の匂いが少々混ざりながらあたりに漂っています。特筆すべきはその浴感でして、アルカリ性に傾いているのか、ヌルヌル感がとても強いのです。いわゆる美肌の湯によくある浴感ですね。野湯なのにこんな素敵な浴感に出会えるなんて、とっても感動。私が入った湯溜まりは少々浅かったのですが、周囲は砂利ですから、手掘りで湯溜りを大きくすることだって可能です。
土手に上がって川下を臨めば、河口の向こうに太平洋の大海原。
野湯は現地へ到達するまでに困難を伴う場所がほとんどですが、この野湯でしたら容易に発見できて手軽にアクセスできちゃいます。ワイルドで、お湯の質も良好です。
はじめは挫折しかけましたが、幸運にもこの野湯を発見できて、本当に嬉しかった!
南廻線・金崙駅より徒歩40分(約3km)もしくは台東市街より鼎東客運山線(バス)の歴丘(いずれの字にも土偏がつく)行で金崙温泉バス停下車
台東県太麻里郷金崙村温泉 地図
24時間入浴可能
野湯につき無料
私の好み:★★★
金崙温泉を流れる川(金崙渓)の河原では温泉が湧いており、野渓温泉(日本でいう野湯)が楽しめるらしい…
台湾の熱心な温泉ファンのサイトを見ていたら、そんな情報を入手しました(リンク先のサイトは繁体字中文です)。でもそのサイトの記事は2009年11月時点の様子を記録したものなんです。3年前かぁ。野湯が存在するような場所は、大雨などによる地形の変化をたやすく受けるので、ちょっとしたことで忽然と姿を消えてしまうことがあります。このため3年前の情報をそのまま鵜呑みにすることはできませんが、現地に行って探してみる価値はありそうなので、朝6時に宿泊先の「美の濱温泉渡暇村」で自転車を借り、宿の前の一本道を西へ進んで、野湯探しへと出かけてみました。
途中「米之谷温泉民宿」という民宿を通過。敷地内からは朦々とすごい湯けむりが立ち上っています。ここに泊まっても良かったなぁ。
やがて赤い鉄橋にさしかかりました。この鉄橋は金崙温泉を紹介する書籍やサイトでは必ずといってよいほど紹介され、そうした書籍には「鉄橋の傍に鄙びた民宿が2軒ほど存在している」とも述べられていますが、2009年8月に台湾南部を襲った所謂「88水害」によって金崙渓流域も深刻な被害を受け、鉄橋付近の民宿は流失してしまい、現在は跡形も残っていません。
鉄橋の上から川の上流を眺めます。ネット上の情報によれば、この画像の右側の河原、つまり鉄橋より上流側の左岸に温泉が湧きだしているらしいのです。
鉄橋付近は洪水の被害が甚大だったようで、民宿流出の他、道路は一部崩壊し、河岸もえぐれて土砂崩れが発生したようです。復旧工事はかなり進捗しているものの、左岸の道路はいまだに仮設状態で、朝早くから重機が唸りを上げていました。
仮設道路から礫が広がる河原へと下りてゆくと、重機が入って作業できるよう、河原の形状が人工的になっており、ネットで見た3年前の画像とは全く異なる状況に変貌していました。
礫からは伏流していた川の水が沁み出ているものの、あくまで川水であって、温泉らしい気配はなし。温泉湧出ポイントは河川工事で埋められちゃったみたいです。
はぁ、無駄足だったかぁ、そう落胆しながら、来た道を戻り、川下へ向かってトボトボと自転車を押していると…
鉄橋の下流側の左岸、賓茂3号橋(鉄橋ではない)付近の河原から白い湯気が上がっているのを発見。しかもシューシューという蒸気が噴出していると思しき音も聞こえてくるではありませんか。
(この画像は鉄橋の川下左岸から川上に向かって撮っています)
堤防から河原へ下りてみると、河原に突き出た金属の配管らしき物体から、湯気とともに熱湯が勢いよく噴出していました。おそらく元々はどこかの温泉施設の源泉井だったのでしょうが、施設は水害で悉く流出し、源泉井だけが損壊しながらも辛うじて残ったものと思われます。
シューシューと音を立てて噴出している様子を動画で記録しました。
噴き出るお湯に温度計を突っ込んでみると、なんと87.5℃という数値が計測されました。直接触れたら大火傷ですね。
源泉井のみならず、河原の砂利の下からもお湯が湧出しており、湯中の石には硫黄が付着して白いものがユラユラしていました。この辺りの河原は源泉地帯なんですね。
源泉井や湧出地帯の近くはお湯がかなり高温なのですが、ちょっと下流へ行けば直接触れるくらいに冷めていました。入浴できそうな湯溜りを見つけました。ちょっと浅いのですが、寝そべれば肩まで浸かれそうです。
温度をチェック。湯加減は最高ですね。
というわけで、水着に着替えて入浴だ!
うひゃーー! 最高に気持ちいいぞ!
お湯は無色透明。焼けた石膏の匂いに加え、硫黄の匂いが少々混ざりながらあたりに漂っています。特筆すべきはその浴感でして、アルカリ性に傾いているのか、ヌルヌル感がとても強いのです。いわゆる美肌の湯によくある浴感ですね。野湯なのにこんな素敵な浴感に出会えるなんて、とっても感動。私が入った湯溜まりは少々浅かったのですが、周囲は砂利ですから、手掘りで湯溜りを大きくすることだって可能です。
土手に上がって川下を臨めば、河口の向こうに太平洋の大海原。
野湯は現地へ到達するまでに困難を伴う場所がほとんどですが、この野湯でしたら容易に発見できて手軽にアクセスできちゃいます。ワイルドで、お湯の質も良好です。
はじめは挫折しかけましたが、幸運にもこの野湯を発見できて、本当に嬉しかった!
南廻線・金崙駅より徒歩40分(約3km)もしくは台東市街より鼎東客運山線(バス)の歴丘(いずれの字にも土偏がつく)行で金崙温泉バス停下車
台東県太麻里郷金崙村温泉 地図
24時間入浴可能
野湯につき無料
私の好み:★★★