家庭内映画館

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「悪の教典」・・・(815)

2013-12-24 10:07:02 | Weblog
「悪の教典」悪の教典
監督・脚本:三池崇史
原作:貴志祐介
出演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、浅香航大、水野絵梨奈、KENTA、山田孝之、他
2012年・日本・129分<レンタル>

<STORY>
頭脳明晰なうえ爽やかなルックスで生徒はもちろん、同僚やPTAからも信頼の厚い高校教師、蓮実聖司。しかし彼の正体は、自分にとって邪魔な人間と思えば、平気で殺すことができるサイコパスだった。蓮実はそうやって絶えず障害を取り除き、学校を思い通りに支配してきたのだ。ところがある日、ついに完璧だった手際にほころびが生じ、自らの正体が露呈する危機に。蓮実はその窮地を脱する最後の手段として、生徒全員の殺害を実行に移すのだった...

「黒い家」「新世界より」の貴志祐介の同名小説の映画化作品。
原作は以前読みました。ハードカバー上下巻の長い作品ですが、2時間強の尺に収めたことでかなりスピード感のある作品に仕上がってます。
原作を読んだ時から何と言うか殺し過ぎというか(笑)まぁいわゆる”荒唐無稽な”作品だと思ってましたが
映像化するとさらに際立つ感じで、サイコサスペンス、サイコホラー、というよりはサイコファンタジーって感じがしましたね。
まぁ三池作品はいつもどこかファンタジー感が漂ってるのですが...(笑)
元々結構長い原作を2時間ほどの映画にするためにかなりテンポアップさせてまして、その分スピード感があって飽きずに観れるのは良いのですが
緩急の緩の部分が無いので、ただひたすら人を殺しまくるだけの作品になってしまってますね~

日本映画は予算の都合もあるのでしょうが、動物・子供・老人・難病・夫婦愛...といった「低予算で泣ける」作品がとにかく多くて
こういう作品はなかなか撮られることはありません。
映画なんて”嘘の世界”を見て楽しむものなんですから、まぁ不謹慎な内容だとは思いますが、こういう作品をもっと撮ってもらいたいです。
そうしていく中でいつかこういうジャンルからも後世に残る名作も生まれてくることでしょう。

2時間の尺ではツラいけど、これ以上の長さなら観るのが疲れるという意味では「悪の教典」の映画化自体が元々無理があったんじゃないかな~と思います。
同じ貴志祐介なら「クリムゾンの迷宮」という名作があるので、こちらを映画化して欲しかったですね。
まぁこの映画自体は可もなく不可もなくレベルでしたが、どうしても許せない点を挙げときます。
まず1点目。原作者の貴志祐介がカメオ出演してるのですが、いかにも”原作者出しましたで!”みたいな(笑)不自然さで、しかも無意味に長い。
出すなら出すで出し方ってもんがあったのではないでしょうか?
2点目はエンディング曲がEXILE一派の曲で、作品の内容から考えてもあまりにも”タイアップくさい”選曲で萎えました。
せっかく途中で「マック・ザ・ナイフ」が出てくるんだから、ラストも「マック・ザ・ナイフ」か原曲の「モリタート」あたりを流すべきでしょう。
変なこだわりが無いとこが三池の良さではありますが、こだわるべきところにはこだわって欲しいな~