脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

See you later hamburger

2013-01-14 | Weblog
よくアマチュアボクシングのことをバカにしているが、しかし決して私はボクシングが嫌いではない。
失態をさらすバカさ加減をバカにしているだけで、決してボクシングがだめだと言っているわけではない。
ただ最近のボクシングがおもしろくなくなってきただけのことで、昔はファンまではいかないが、タイトルマッチなどをよく見たものである。
その中でも辰吉の試合はおもしろかったと言える。私自身は彼をかなり評価しているが、彼こそ観客を楽しませるプロボクサーだと思うからだ。残念なことに今では少し後遺症がのこっているような感じがするが、しかしどこかのちんぴらボクサーのように豪快なことを言っておきながら、手堅い試合をするようなタイプではなく、まさに体を張ってうちあいに挑む勇敢な姿は見ている我々を釘付けにしたものである。

ボクシングは危険なスポーツである。アマチュアでも試合が終わると体に茶色いあざができるぐらいで、ヘッドギアをしていても顔がはれるぐらいであったのだが、笑い話だが私は試合で顔がはれた時、ほりが深くなってプエルトリカン系の人間に間違えられて、売人らしき奴にスペイン語で話しかけられたと言う経験もある。
当時8オンスのグローヴでうける衝撃は予想以上にハードなもので、あごが痛くてかたいものが食べれないと言うことがあった。
試合後「see you later hamburger」とマクドナルドに行ってハンバーガーを食べに行くのが試合後の恒例だったのも、試合に来てくれた友達に試合後食事に誘われて、あごがいたいからかたいものが食べれないと言った時からそうなったわけで、試合をするたびにこりゃあやばいこんなことをやってたら体がもたんと思ったものである。

前にも書いたが外国人のパンチは半端じゃない。私は一度ヒスパニック系の選手と試合をしたことがあるが、その選手は半端じゃなくパンチが強くて、特にすごかったのはスイッチする時にうってくるフックで、絶対に日本人じゃこんなパンチはうてない。
何回かそのフックをくらった後は漫画ではないが、平衡感覚をうしなって半ば千鳥足のような感じでコーナーにかえって来たことをよく覚えている。
まあその試合はずっと前から相手ののヴィデオをみていたので、なんとか判定勝ちできたが(パンチに自信のある奴はたいてい単純で同じ動きしかしない)たぶん同じ階級であれだけのパンチをくらったのは彼が最初で最後の選手で、私が千鳥足気味で帰ってきた時はセコンドのアレンがタオルを投げようかとも思っていたらしい。
余談であるが試合の後のハンバーガーは本当においしい。
ピーターのおんぼろ車で夜海岸沿いをここちよい風にあたって走りながら、3人でほうばったハンバーガーは格別で、韓国人の女の子が後ろの席から覗き込んで、私のうっ血した目じりを見て「あっフレンチフライのケチャップをとってくるのわすれた」とよく言っていたのを思い出すが、それは今では本当にいい思い出で、こういう体験があったからこそ、ボクシングは楽しかったということができるのだと思う。

しかしボクシングは危険なスポーツである。
危険だからおもしろいというのもあるが、しかし経験上ああいうパンチをうけつづけると間違いなく脳にダメージがのこる。
私自身も鼻の穴の位置がかなり大きくずれていて中でまがっているのがよくわかる。
たぶんそれだけしかとりえのないサルのような奴はどうだと武勇伝のような感じで見せるのであろうが、しかしあぶない奴と思われたらいやなので見せてはいないが、見たらはっきりとわかるぐらい鼻の穴の位置がずれていて中で曲がっているのがわかる。
ボクシングは危険なスポーツだ。
これは実際に競技していた人間が言うのだから間違いないが、させる側もある程度何が危険かと言うことをよく理解し、特に成長期の人間には脳に対する後遺症を与えないためにも適切な指導と言うものが求められるのではないかと思うのだが、これからの指導者はボクシングの技術だけではなく、何が危険で、特にパンチが与える脳のダメージなどについてある程度勉強して理解する必要はある。

たぶんケガをなくすなんて不可能なことだと思うが、しかし大事なのはそのケガや特に後遺症に対してどのように考えていくかである。
なぜならボクシングの場合はその時に起こるアクシデントよりも、競技を引退してからの後遺症のほうが問題であるからだ。
最近のアマチュアボクシングはケガや問題をおそれて大きな大会にはCTなどを義務付けて過敏になっているが、本当にアスリートのことを考えているのかどうか疑わしい。
現に子供に平気で殴り合いをさせるわ、成長期に無理な減量はさせるなど、大きな大会では人目を気にして必要以上に厳しくとりしまってはいるものの、しかし、本当に配慮しなくてはいけないところに配慮しないからだ。
ある程度技術があってしっかりした成人がするような大会だけに厳しくとりしまるというのは、科学技術庁や世論の目を気にしている態度がみえみえだが、こういう態度はまさしく暴力団が新法をおそれている態度とかわりない、代紋をつかって独占販売させたと言うことも大いにうなづけることであろう。
こういう体裁だけしか考えていないようなバカを相手にしていても楽しく競技などできるはずはないと思う。
おそらく体裁だけのルールでしばるよりも、自分たちがケガのことや脳のことをある程度知ることが事故防止につながることだ。試合の出場資格も医学的に基づいて何歳からというルールを定めること、一般の成人には、ある程度のことを話した上で、自己責任とか自己管理を促すことも必要なことではないだろうか?















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