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名古屋場所を振り返って(上)~幕内~

2010-07-31 08:50:50 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 今場所の「場所を振り返って」は、力士数も増加して記事の分量が多くなってしまったので、分割して掲載します。きょうはは幕内篇です。

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【幕内】
 場所前の野球賭博問題で、一時は開催も危ぶまれていた名古屋場所だったが、去る7月25日、無事千秋楽を迎えることができた。今場所幕内の目玉は東西の両関脇・雲虎、玉椿の大関挑戦、これに実力者毛呂乃、新人関ヶ根がどう絡むかが注目されていた。両関脇の大関獲りは初日から明暗。玉椿は序盤5日を終えて3勝2敗と平凡な成績で、大関への期待は玉椿自身のまら同様、あっさりとしぼんでしまった。これに対して雲虎は初日から10連勝、ちょうど昇進ラインの11勝目をかけた十一日目こそつまずいたが、あとはきれいに白星を並べて14勝1敗。大相撲・白鵬が今場所も全勝のため優勝は成らなかったが、見事まらずもう史上初の大関という栄冠を勝ち取った。1場所15日制で直前3場所40勝5敗は大相撲を含めても最高成績。横綱昇進直前3場所の記録と比較しても遜色ない成績である(大相撲横綱直前3場所の最高は貴乃花の41勝4敗)。大関獲りは早くも望み薄になった玉椿だったが、終わってみれば10勝の2ケタ。これで来場所も大関挑戦が継続できる。玉椿にとって名古屋は鬼門の場所であり、昨年の14連敗と比べれば健闘と言っていいだろう。正直5勝すれば御の字、と目されていた状況で勝ち越し、さらには来場所につなげた意義は大きい。まらは相変わらず小さいが。
 新人の関ヶ根は場所前からあまりやる気が感じられず、関係者もほぼノーマークだったが、初日から勝ち進み、三日目に敗れた後は9日目まで勝ち続けあっさり勝ち越し。今場所3敗しかしなかったが、うち1つは取組を忘れの不戦敗。実際に負けたのは2番だけである。そんな関ヶ根、優勝争いにも食い込んでいたものの、終盤にきて気まぐれを起こし、十一日目から「負けたい病」を発症。十一日目の相撲で「負けてうれしい」と発言すると翌日勝った相撲でも「連敗するつもりだったのに」と言い出し、ついには十四日目の相撲で11勝すると「勝ちすぎた」と千秋楽を休場してしまった。本気になったら怖い存在だが、本気になることはなさそうな存在だ。
 今場所の軸は大関獲りの大本命・雲虎ではあったが、それでも注目を集めてしまうのが毛呂乃。四尺(剣道の竹刀ぐらい)という規格外のまらから繰り出すコークスクリュー勃起はもはや毛呂乃の代名詞だが、これで満足せず、ひたすら道を究めんとするその姿勢が恐ろしい。毛呂乃は場所中であっても毎晩ひとりずもうの猛稽古を欠かさない。その成果か今場所は、勢いよく立ち合ってその風圧で衣服を切り裂きまらが顔を出す、という「かまいたち勃起」を披露、かと思うとその3日後にはあえて力を抜き、ふらふらと布地にまらをこすりつけることでわずかな血流の時でも確実に勝利に結びつけるという「酔拳勃起」も決めて見せる。「剛」のかまいたち勃起に「柔」の酔拳勃起というほぼ対極の技を見せつけられては、並みのまらではおよそ太刀打ちできない。しかも酔拳勃起を決めた翌日には、黒星になることも厭わず、「朝勃ちの意識的抑制」に挑戦、見事まらをコントロールして見せた。これには大関を決めた雲虎も驚きを隠せなかった。
 いよいよ来場所からは大関・雲虎が誕生。雲虎時代到来かと期待が集まる。だが、それを阻む者がいるとしたら、やはりそれは毛呂乃をおいてほかにあるまい。雲虎より入門が遅れ、まだ幕内2場所ということで、番付上は新大関と平幕という差があるものの、酔拳勃起・かまいたち勃起にみられるように柔・剛いずれにも通じ、しかもまらをコントロールできる毛呂乃に対し、今後も雲虎は大関の座を守れるのか。だが、雲虎とて伊達に大関を勝ち取ったのではない。その相撲には明らかな変化の兆しが見てとれる。雲虎の取組では、今場所終盤から、まらが自律的な動きを見せるようになっているのだ。具体的には、目覚めた瞬間には無反応のまらが、雲虎の目覚めとともに、待っていたかのように立ち合いを開始する、というのだ。力士たちは普通、勝ちたければ目覚めたときにまらを確認、「勝てる」と思える状態ならもう少し寝ていられる時間でも立ち合ったり、あるいは毛呂乃のように一晩中立ち合い続けたり、という相撲が多い。このような相撲は体力の消耗が激しく、寝不足に陥りかねないこともあるため、15日を乗り切ることは難しい。だが、雲虎のような立ち合いであれば、雲虎自身も語っているように、ゆっくり寝ていられるし、取組を忘れる心配もない。とある評論家は、「まらが立ってから本人が目覚めるのではなく、本人の目覚めを待って、その瞬間にまらが立つ。これこそが大相撲の大横綱・双葉山が会得したという『後の先』の立ち合いと言えるのではないか」と語る。
 大関の地位を手にし、さらなる高みを目指す雲虎と、猛烈な勢いで進化を突き進む毛呂乃。新たな時代の幕が開きそうだ。
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