まらずもうブログ

日本まらずもう協会公式ブログ

夏場所のみどころ

2014-05-10 10:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 鶴竜の横綱昇進で2人横綱から3横綱に拡張した大相撲に対し、家満の引退で2人横綱から1人横綱に縮小したまらずもう。平成24年7月以来の1人横綱場所となり、第一人者汚痔に重圧ののしかかる場所となった。死に場所を探しつつも無人の野を進み続ける侍・汚痔。初めは当時の横綱・雲虎に見いだされ、雲虎に引導を渡すことを目標にまらずもうの門を叩いた新弟子時代。駆け出しの序ノ口力士が横綱に引導を渡すなどと吠えたところで、周囲はイロモノ扱いしかしていなかった。しかし土俵に上がった汚痔は連戦連勝、あれよあれよという間に横綱・雲虎との番付差を縮め、なんと2年足らずで大関に昇進、当時1人横綱だった雲虎といよいよ勝負と思っていたその矢先、翌場所に雲虎は勝ち逃げするように引退してしまう。目標を失いかけた汚痔だったがその大関時代は伝説の名大関・毛呂乃の晩年とも重なっており、引退して久しい先日にも都内で地震を起こすなど規格外・恐怖の怪物力士の現役時代に真っ向から立ち向かうこと4場所。最初の2場所の成績は毛呂乃が上回るも、続く2場所は汚痔が上回り、いよいよ毛呂乃超えかというその時、今度は毛呂乃が引退、大関としての対戦成績は2勝2敗と決着つかぬまま。その後幾多の試練・逆境を跳ね返し横綱に上り詰めたのは周知の通り。対する横綱は奇しくも同期生・摩羅の川。横綱在位11場所・優勝7回と歴代最高の横綱と毎場所のように優勝を争うも、摩羅の川は史上初の連覇を達成すると家庭の事情もあり突然の引退。ここでも汚痔にリベンジのの機会は与えられず勝ち逃げされてしまう。そして後から横綱に昇進した勃起サイボーグ・家満も、先場所の全勝優勝を節目に引退。まらずもうの歴史を彩ってきた数々の力士と手合わせをし、互角の戦いを繰り広げては勝ち逃げをされ続けてきた汚痔。員数外の古参無気力大関がまだ一人いるものの横綱の心情としては「そして誰もいなくなった」といったところだろう。それでもこの男は、まらから赤い玉が出ようと、場所中に手術入院しようと、ひたすら己の道を求め土俵に上がり続ける。初めて土俵に上がってから休むことなく土俵に上がり、連続出場回数は歴代1位、通算勝利数でも前人未到の300勝を先場所達成したばかり。横綱在位は今場所で歴代1位タイの11場所を数え、優勝は5回、歴代最高の7回が現実味を帯びてきた。だが鉄人横綱・生ける伝説といえど、あとどれほど相撲に耐えられるかはわからない。常識ではすでに限界はとうに超えているだろう。それでもサイクリングで足腰を鍛え抜き、酒も控えてウェイト調整にもいそしみ、今場所も綱の務めを全うすべく、粛々と土俵に向かう。特に5月の相性はよく、入門3場所にして序二段で初めての優勝を手にしたのもこの5月、長い現役生活の中、5月の黒星はわずか2つのみ。対抗力士と競い合う、という段階から己の道の身を進む段階に入った汚痔。生ける伝説の最終章も近いかもしれない、との声も聴かれている。今場所優勝候補の筆頭だが、対抗馬が見当たらない点、モチベーションが気になるところ。

 横綱の対抗馬としてはあまりにも期待できない感のある大関・玉椿。場所前に38歳の誕生日を迎えたが、ここ半年で14勝→10勝→8勝と着実に星を落としてきており、衰えを見せつけている。しかし加齢による衰えをさすがに実感してか、このところ運動にも励んでおり、減量も順調。気候のよい5月は玉椿にとっても好調を維持しやすく、5月に限ると過去4年間は11勝、全勝優勝、11勝、12勝と玉椿らしからぬ好成績を維持している。時折狂ったように好成績を収める力士だけに、運動効果による体調管理と5月の陽気は、玉椿を横綱の対抗馬に押し上げかねない。序盤勝ちこめば波に乗る可能性もあり、まずは初日、2日目と白星を重ねることが大切。序盤で躓けば即無気力化するのは明らかだが、序盤で波に乗れば、今場所の流れは大きく変わるはず。場所が盛り上がるかはこの大関しだいだろう。

 優勝争い以上に深刻なのが三賞。今年に入ってから三賞受賞力士が一切出ていない。それもそのはず、三賞受賞対象となる関脇以下の幕内力士が皆無だったのだから。だが今場所は7場所ぶりに蒼狼が幕内復帰。「モンゴルの暴れ馬」と恐れられ、入門3場所という、大相撲の遠藤と同じペースで幕内に駆け上がったものの、さすがに30代後半ともなれば力も衰え、ここのところ十両で低迷していた。だがここへきてもう一花咲かせそうな勢いに復調。37歳を超えての高齢再入幕は、大相撲の土佐ノ海、寺尾に次ぐ歴代3位の記録。大相撲では同じくモンゴル出身の旭天鵬が37歳で初優勝したこともあり、モンゴル力士の旬はこれからかもしれない。いずれにしても久々の三賞が出るとしたら蒼狼しかありえないわけで、久々の幕内とあって苦戦予想が順当ではあるが、なんとか勝ち越してほしいところ。ベテラン力士の奮戦とあれば勝ち越しだけでも敢闘賞対象にはなりうる。過去に2度受賞経験のある敢闘賞。3度目の受賞となれば歴代1位タイとなる。長く続ければベテランにも記録のチャンスが巡ってくるのがまらずもう。ここはぜひとも狙ってほしい。

 優勝の責任を負う汚痔。興行上、優勝争いを形成する責任を負う玉椿。そして久々の三賞力士を出す責任を負う蒼狼。今場所も少数精鋭につき、場所を場所として成立させるためにも、横綱一人だけでなく各自の自覚と奮起が求められる夏場所。力士にとっては厳しい場所だが、まらずもうの灯を消さぬため、精鋭3名を中心に、全力の土俵が期待される。まらずもう夏場所はあす、初日。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 毛呂乃親方「けさの地震は自... | トップ | 初日協会御挨拶 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

まらずもう新聞編集部のまらずもう分析」カテゴリの最新記事