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名古屋場所のみどころ

2014-07-12 10:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

 無人の野をゆく孤高の横綱・汚痔。つかの間の休息を終え、ふたたび土俵に上がる日が迫ってきた。今場所で横綱在位は史上1位の12場所を数える。文字通り命を削って勝負に身を投じなけらばいけない横綱の地位にあって、この男は常に結果を出し続けてきた。優勝回数も6回を数え、史上最多・摩羅の川の7回に今場所で手が届く。常識で考えうる肉体的限界はとうに超えているはずだが、ここへきての充実ぶりは目覚ましく、この4場所で優勝3回。長い土俵生活の中、常に勝ち逃げされ続けてきた男が先場所は玉椿に決定戦でリベンジを果たして勢いに乗る。力士としての宿命・高血圧で投薬を進められるも、節制・減量によって投薬なしで体質改善に努めるあたり、まさに力士の鏡。場所前も自転車でみっちり足腰を鍛え、本土俵に向かう。長い梅雨空だった今年も、場所にむけて急激に暑さが増してきた。全ての力士にとってこの7月は鬼門。昨年は大活躍、年6場所のうち5場所で全勝と驚異的な成績を収めた横綱だったが、唯一黒星を喫したのがこの7月。今年もこの急激な気温上昇、土日に忙しくなる横綱の生活スタイルからしても、序盤、終盤それぞれに気の抜けない戦いとなろう。とはいえ、大相撲でもここのところ全勝優勝は減っているため、仮にどこかで星を落とすことがあっても、丁寧に土俵を務めていけば7度目の栄冠を勝ち取ることは不可能ではない。時節柄多少荒れる展開が予想されるが、汚痔の優位は動くまい。先場所優勝者が連覇で歴代最多優勝記録に並ぶ姿を、千秋楽に期待したい。
 地味に対抗するのがおなじみ無気力大関玉椿。誰もがもう忘れているが、先場所全勝しており、成績次第では横綱昇進もない話ではない。今までの成績から横綱への期待は薄いが、その分プレッシャーもなくのびのび相撲が取れるはず。大相撲でも鶴竜が優勝同点の成績の後、翌場所盛り上がらないまま優勝し地味に横綱昇進したのも記憶に新しい。この例に倣って最高位を狙いたいところ。実は現在、現役で最も連勝を伸ばしているのは玉椿で、目下17連勝中。汚痔の63連勝には遠く及ばないが、自身も23連勝まではしたことがあり、実力は侮れない。こちらも減量に成功し先場所から好調。毎年この7月は仕事の都合で苦手にしており、過去3年間、7勝、8勝、3勝と見事なまでの不振。しかし先場所から早朝に起きれば負けないという型を完成させており、減量で体調も悪くない。「例年通り無理」「横綱にはなりたくない」と語るのもきっと注目を逸らすためのはず。内心最高位を目指している、そう信じたいし、そうでなければならない。観戦するファンの皆さんも、玉椿が無気力を起こさないよう、しっかりと監視してほしい。そうすることが、優勝争いにも緊張感をもたらしてくれるはずだ。
 そしてもう一人、先場所敢闘賞受賞のモンゴルの暴れ馬、蒼狼。久々の入幕で終盤追い上げて注目されたが、ここのところ先場所に限らず終盤の追い上げは見事。捲り型の馬として充実期にある。優勝争いの体勢が決しかけ、興味が薄れてくる終盤に首の皮一枚でつながった蒼狼が勝ち越しを目指し新たな興味を提供してくれる展開が期待される。モンゴル出身の大相撲・旭天鵬の1つ下というと大ベテランに聞こえるが、まらずもうでは幕内最年少力士。三役経験がまだないだけに、まずは三役を目指す足掛かりにしたいところ。
ここのところ話題の少ない下位力士だが、今場所は三段目・金精山に注目。先場所久々の各段優勝で三段目中位に番付を戻した金精山は今場所自己最高位。やはり7月は厳しく入門以来勝ち越したことがないが、今場所を乗り切ればあとは過しやすくなる。飛躍のきっかけか、下位に逆戻りか、今場所が重大な分かれ道となる。
 汚痔、玉椿、蒼狼の三つ巴となる名古屋場所。序盤、玉椿の連勝がどこまで続くか(7日目で自己新)、そして中盤の優勝争い、終盤、汚痔が抜け出すか、あるいは玉椿が食らいついて奇跡の横綱昇進を果たすのか。その頃には蒼狼も存在感をましてきているはず。三者三様の熱い戦いが、明日から始まる。

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