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半透明記録

もやもや日記

小鳥

2007年07月21日 | 夢の記録
がらんとした土曜の午後の教室に、私は友人とふたりでいた。
教室の奥の窓べでぼんやりしていると、手すりのほうへ小さな青い小鳥が二羽飛んできた。水色の羽毛に覆われた鳥の腹は真っ白だった。二羽はせわしなく羽ばたきながら我々のほうへとやってきた。

私は左手の指に彼等を止まらせて、そのさまを友人に写真に撮ってもらおうと思いつき、手すりのうえへ手を差し出すが、二羽はともに見向きもしない。彼等は開かれた窓から我々の頭上をさっと飛び抜けて、教室へとはいりこんだ。私はむきになって彼等を捕まえようと部屋のなかを右往左往するが、彼等の飛ぶのがあまりに速いので追い付けない。

しばらくして、疲れた私が部屋の真ん中でじっと立っていると、真っすぐこちらへ飛んできた一羽をどうにかうまく捕まえることができた。私の手の平に収まった青い小鳥は、柔らかくとても軽かった。そっと手をひらいてみると、小鳥は白目をむいてすこしも動かない。「殺してしまっただろうか」と心配になって、その小さな頭を覗きこむと、ふいにまた猛然と羽ばたいて私から飛び去った。

私はいまの短い観察から、「どうやら彼等は気を失いながら飛ぶことで、あれだけのスピードに耐えているらしい」と結論した。


青くて小さな美しい小鳥が二羽、ずっと窓辺で羽ばたいている。しきりに羽ばたきながら、囀りというには激しい鳴き声を交している。あんな小さな体のどこからあんなに大きな声が出るのだろうと教室の反対側の隅から眺める私は、二度と彼等を捕まえることができなかった。



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悲しい夢だったのかどうかは分かりません。
でも、小鳥は美しかったな。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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へえ! (ntmym)
2007-07-21 21:48:06
そんな早朝から登校して勉強してたなんて、なんとなく葵さんらしいエピソードですね~。

それにしても、スズメというのはわりと家屋の中へはいってきがちな鳥なんですかね。私のいまの住まいであるマンションの渡り廊下にも、雨の日にはスズメが雨宿りにきます。それでものすごい声で鳴くんですよねー。

しかし、あらためて読み返してみると、夢のなかでも私はあまりに性急に論理を飛び越えて結論を出し過ぎですね。われながら驚くほどに大雑把。
なんで気絶しながら飛べるのか、起きてから冷静に考えると全く理解できません。でも、夢の理屈はいつもこんな感じでテキトーなところがあって面白いには面白い。
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すずめといへば ()
2007-07-21 20:52:35
中高時代、考査試験は文字通り一夜漬けで、徹夜明けのまま早朝学校に通っていました。始発で出るから、朝の6時前には教室にいて、一人で勉強するのが好きだったのだけれど、よく雀が教室に入ってきていたのを思い出します。他の生徒が登校しだすと自然といなくなるのですが、早朝は迷い込んできただけなのか、教室からでられずに困っているような雀がいたり、間近で見られて嬉しかったな。雀の子を、飼えるものなら飼ってみたいものですね☆ 況や青い鳥をや。
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群青色! (ntmym)
2007-07-21 19:49:16
そう、そうなんですよ!
群青色なイメージだったんですよ、なんでお分かりになったの?! さすが、こまきさんだわ。

捕まえた小鳥の感触は、昔こどもだったころ、雨の夜に開けっ放しの窓から我が家に迷いこんスズメがそのまま部屋の真ん中でうずくまって寝ていたようで、夜中に用を足すのに起きた母に不幸にも踏まれて死んでしまい、私は朝になってから怯えた母に依頼されてその亡骸を葬ったという切ない記憶があるのですが、そのときのスズメの軽さでした。

小鳥はほんとうに切ない存在ですね。だけど小さくても実はかなり逞しかったりもするところが、美しくて愛すべき存在なんですよね。
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小鳥の夢 (こまき)
2007-07-21 18:49:02
なんとも美しい夢ですね!
澄んだ群青色の空気を感じました。
そして「文鳥」を連想しました。

小鳥というのは、か弱く美しく、なぜだか切ないものですね。
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