半透明記録

もやもや日記

『ムーミン谷の夏まつり』

2005年08月04日 | 読書日記ー北欧
トーベ・ヤンソン 下村隆一訳(「ムーミン童話全集4」 講談社)


《あらすじ》

夏のムーミン谷に大洪水がおしよせてきました。ムーミン一家は大水をのがれて、流れてきた劇場へとうつります。


《この一文》

” 「ここには、わけのわからないことが、いっぱいあるわ。だけど、ほんとうは、なんでも自分のなれているとおりにあるんだと思うほうが、おかしいのじゃないかしら?」
  こうムーミンママは、ひとりごとをいいました。     ”



ニョロニョロは種から生まれるのか。
今回のムーミン一家は、劇場に住みつきます。まわる舞台装置や何枚も用意された美しい背景画、劇場に暮すことなんて想像もつかないことですが、とても楽しそうです。しかも水に流れて移動してるし。災害に見舞われてもこのように気楽にやっていく精神を持ちたいものです。
スナフキンは24人の森の子供に慕われて、父親の苦労(飯の心配とか)と苦悩(観劇料の心配とか)を味わい、ちびのミイはアニメ版で認識していたよりもさらに辛辣な言葉(笑えないくらい黒い!)を吐き続け、ムーミントロールとスノークのおじょうさんのやりとりはまたしても私の胸を締め付けるのでした。

「わたしがすごくきれいで、あなたがわたしをさらってしまうというあそびをしない?」

(↑すごい遊びですね)
というスノークのおじょうさんに対して、いまいち気の乗らないムーミントロールの返事が、

「きみがすごくきれいだ、なんてことは、あそびにしなくていいんだよ。きみは、いまだって、ちゃんときれいなんだもの。ぼく、たいていきみをさらっちゃうよ。あしただけどさ。」

うぉお…、このくらいは言えるようになりたいものです。
それにしても、ムーミンパパが書いた悲劇はすごく面白そうでした。ライオンへのこだわり。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白そうですね (Akiko)
2005-08-06 10:20:34
ムーミンのストーリーって記憶に無いのですが

大人になっても違う視点で楽しめそうですね。



ムーミンママのひとり言は

考え出すとかなり長い事楽しめそうですね。

夏期休暇の新幹線移動の

楽しみにしようと思います♪



スノークのおじょうさんの

将来も気になりますが、

ムーミントロール、悪い男になりそうですね;
返信する
うむうむ (ntmym)
2005-08-06 14:21:03
私も読むまで知らなかったけど、かなり深いお話でした。

全編にわたって誰もが自由であることに対するこだわりが満ち満ちています。

そういう骨格の上に、いろいろな面白い話が沢山のっかっているという感じ。



ムーミントロールは、どうなるのか?

でも、スノークのおじょうさんに夢中なので大丈夫でしょう。

ロマンです。
返信する
子供用 (Akiko)
2005-08-06 20:32:42
さっそく図書館に行ってきました。

検索結果に指定された場所に無いので

図書館のお姉さんに尋ねたところ、

「子供用になりますので・・」と、

子供の絵本コーナーへ連れて行かれました;

とりあえず、第1巻「ムーミン谷の彗星」。

スノークのおじょうさんに恋の駆け引きを学んでみたいと思います



大人用のところにあった

「本当は恐ろしいグリム童話」も

借りてきました。

シンデレラは、こちらの方が好きです
返信する
はやい (ntmym)
2005-08-06 21:14:44
どれも面白いけど、「彗星」は最初の方なせいか余計に面白かったですよ。



「本当は恐ろしいグリム童話」って読んだことはないけど、エグそうですね。

童話って容赦ないし。

シンデレラって、最後は継母が焼けた鉄の靴を履かされて死ぬまで踊らされるやつだっけ?

それは白雪姫か??
返信する
問題作 (Akiko)
2005-08-14 18:05:21
グリム童話は、

「お母さんが子供に読み聞かせできない」

という理由で、

第1版から話がずいぶん変更されたようです。



継母が焼けた鉄の靴を履かされるのは

シンデレラで合ってますよ。

でも、この描写くらいは、まだマシです。



「青髭」とか「ネズの木」は、

現在、どのように語られているのか

知らないのですが、

食欲がなくなるような話でした・・・
返信する
へ~ (ntmym)
2005-08-20 13:09:47
ネズの木って知らないですね。

そんなにグロいのか…。
返信する

コメントを投稿