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半透明記録

もやもや日記

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「Nuit Blanche」

2010年02月15日 | 映像

「Nuit Blanche」
↓以下で無料公開されています

本編:http://vimeo.com/9078364

メイキング:http://vimeo.com/9076775

監督のArev Manoukian氏のHP:http://www.arev.ca/




GIGAGINEで紹介されていたショートムービー。あまりの凄さに、私は繰り返し観るのを止められません。なんて美しいんだ! 凄い! やばい!!


1950年代の街並、人々、白黒の世界、月が出ている、男が歩いている、明るい店のなかに女の姿を認める、ふたりの目と目が合い、そして……


4分とちょっとのごく短い映像です。そして台詞は一切ありません。美しい音楽とともに、美しい映像が流れていきますが、その流れ方が信じられないくらいに美しい。50年代、グラス、自動車、水、ドレス、…超絶ツボです。私の好きなポイントを押さえ過ぎです。それにしても美しい。


ふたりの目と目が合い、そして時の流れはまるで止まりそうにゆっくりと、その中を互いの魂は真っすぐに相手へ向って進んでいく。


凄いなー。たまらなく美しいです。悶絶です。美しい女がきらめいて飛び散る破片の真ん中からすっと進み出てくるところなどは、もう言葉になりません。うぐぐぐぐぐ。
そう言えば、この映像を観た時ちょうど手もとにあったム-ジルの『愛の完成』を開くと、その最初の方にこんな部分がある(私はまだここまでしか読んでいない)のですが、なんだかよく似ています。映像を上手に言語化すると、こういうイメージかもしれません。


それはあの静止と、それにつづくひそやかな沈黙の瞬間だった。ちょうど飽和液の中でいきなり面が整い、結晶が形づくられるときの……。二人のまわりに結晶が生じた。その中心軸は二人をつらぬき、そして息をひそめ、もりあがり、まわりに凝固していく結晶をとおして、二人は幾千もの鏡面をとおすようにして見つめあい、いま初めてお互いを見出したかのように、ふたたび見つめあった……。
 ――「愛の完成」
  (ムージル『愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑』(岩波文庫))



というわけで、これは大変に美しい映像なのですが、ただ観ただけでも凄いインパクトなのに、メイキング映像を観ると、もっと驚きます。私はめちゃくちゃ驚きました。素で「なんだってーーッ!?」と叫んでしまいました。いやだって、まさかあんなところからあんなところまでCGだなんて、誰も思わないですよ。すげーな、おい! この方面の技術って、もうここまで進んでいたのか~。凄いなー。

私はこの美しい映像にとても感激したのですが、メイキング映像によって、これが人類の新しい技術(コンピュータ・グラフィクスとか)が生み出した新しい芸術であるらしいと分かったことにも盛大に感激しました。
素晴らしいなぁ! 人々のこういう情熱というのは、本当に素晴らしいなぁ! 新しい手段で、新しい美を作り出そうという人々の態度には、本当に興奮しますね。美を得るために、ありとあらゆる方法を考え出そうというところが素晴らしい。ただ手段があるだけでは足りないのかもしれないけど、ちゃんとそれを正しく美しく用いることが出来る人が現れる。素晴らしい。人間って、やっぱり素晴らしい。


ということを、私は興奮して声を震わせながら、力説したい気分です。
美しいものが、新しいやり方で、まだまだこれから私の目の前にあらわれてくるのだということに、興奮するなというのは無理ですよ!
美しいものを見せてくれる美しい人々に、今日も深く感謝をささげたいです。
素晴らしい人々に栄光あれ。